2007年06月29日

聖書 サムエル記 第二 24章

聖書 サムエル記 第二 24章

24 ときに,再びエホバの怒りがイスラエルに向かって燃えた。ある者がダビデを駆り立てて彼らに向かわせ,「さあ,イスラエルとユダを数えなさい」と言ったときのことである。2 それで,王は彼と共にいた軍勢の長ヨアブに言った,「どうか,ダンからベエル・シェバまで,イスラエルの全部族の中を行き巡って,あなた方は民を登録してもらいたい。そうすれば,わたしは確かに民の数を知ることになろう」。3 しかしヨアブは王に言った,「あなたの神エホバが,この民を,王なる我が主の目が見ているうちに,今より百倍も増してくださいますように。ところで,王なる我が主は,なぜこのような事を喜ばれたのでしょうか」。

4 ついに王の言葉はヨアブと軍勢の長たちを説き伏せた。それで,ヨアブと軍勢の長たちはイスラエルの民を登録しに王の前から出て行った。5 それから,彼らはヨルダンを渡って,奔流の谷の真ん中にある都市の右側のアロエルで野営するようになり,ガド人に向かって,ヤゼルに[進んだ]。6 その後,彼らはギレアデとタフティム・ホドシの地に行き,さらにダン・ヤアンに行き,シドンに回った。7 次に,ティルスの要塞とヒビ人やカナン人のすべての都市に行き,ベエル・シェバにあるユダのネゲブの境目まで行った。8 こうして彼らは全土をくまなく行き巡り,九か月と二十日の終わりにエルサレムに来た。9 さて,ヨアブは民の登録者数を王に伝えた。イスラエルは剣を抜く勇敢な者が八十万となり,ユダの者たちは五十万人であった。

10 ところで,ダビデがこのように民を数えた後,その心は彼を打ちはじめた。そこでダビデはエホバに言った,「私は自分のしたことで,大いに罪をおかしました。それで今,エホバよ,どうか,この僕のとがを見逃してください。私は本当に愚かなことを致しましたので」。11 ダビデが朝起きたところ,エホバの言葉がダビデの幻を見る人,預言者ガドに臨んで言った,12 「行って,あなたはダビデに言いなさい,『エホバはこのように言われた。「三つの事をわたしはあなたに負わせる。そのうち一つを自分のために選べ。わたしがそれをあなたにするためである」』」。13 そこでガドはダビデのもとに来て,彼に告げて言った,「あなたの土地で七年間の飢きんがあなたに臨むのがよいか,あなたが敵対者の前から三か月間逃げ,彼らがあなたを追跡するのが[よいか],あるいはあなたの土地で三日間疫病が起きるのが[よいか]。今,わたしを遣わした方に何と返答するかをよく考え,わきまえなさい」。14 それでダビデはガドに言った,「それはわたしには非常に苦しいことです。どうか,エホバのみ手に陥らせてください。その憐れみは多いからです。しかし,人の手にはわたしを陥らせないでください」。

15 すると,エホバはその朝から,定められた時までイスラエルに疫病を下されたので,ダンからベエル・シェバに至るまで民のうち七万人が死んだ。16 そして,み使いはその手をエルサレムに向けて突き出して,これを滅びに陥れようとしたが,エホバはその災いのことで悔やみはじめられた。それで,民の中で滅びをもたらしているみ使いにこう言われた。「それで十分だ! さあ,あなたの手を下ろせ」。ときに,エホバのみ使いは,エブス人アラウナの脱穀場のすぐそばにいた。

17 次いでダビデは,民を討ち倒しているみ使いを見たとき,エホバに言った。すなわち,こう言った。「ご覧ください,私が罪をおかしたのです。私が不当なことをしたのです。ですが,これらの羊は―何をしたのでしょう。どうか,あなたのみ手を私と私の父の家に臨ませてください」。

18 後に,ガドはその日,ダビデのところに来て言った,「上って行って,エホバのためにエブス人アラウナの脱穀場に祭壇を立てなさい」。19 そこでダビデはガドの言葉の通りに,エホバの命じられたことにしたがって,上って行くことにした。20 アラウナは見下ろして,王とその僕たちが自分のほうに進んで来るのを見ると,アラウナはすぐに出て行って,地に顔を伏せて王に身をかがめた。21 それから,アラウナは言った,「どうして,王なる我が主はこの僕のところにおいでになられたのですか」。そこでダビデは言った,「あなたから脱穀場を買って,エホバのために祭壇を築くためです。神罰が民の上から食い止められるようになるためです」。22 しかし,アラウナはダビデに言った,「王なる我が主がこれをお取りになり,ご自分の目に良いものをおささげください。焼燔の捧げ物のための牛や,薪のための脱穀そりや牛の用具をご覧ください。23 ああ,王よ,すべてのものをアラウナは確かに王に差し上げます」。そしてアラウナはさらに王に言った,「あなたの神エホバがあなたを喜びとしていることを示されますように」。

24 しかし,王はアラウナに言った,「いや,わたしは必ず代価を払って,それをあなたから買うことにします。費用もかけずに,わたしの神エホバに焼燔の犠牲をささげることはしません」。こうしてダビデは脱穀場と牛とを銀五十シェケルで買った。25 それから,ダビデはそこにエホバのために祭壇を築き,焼燔の犠牲と共与の犠牲をささげた。エホバはこの地のために願いを聞き入れるようになられたので,神罰はイスラエルの上から食い止められた。
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聖書 サムエル記 第二 23章

聖書 サムエル記 第二 23章

23 そして,これらはダビデの最後の言葉である。
「エッサイの子ダビデの告げたことば,
高く上げられた強健な者の告げたことば,
ヤコブの神の油そそがれた者[のことば],
イスラエルの調べの快いもの。

 2 わたしによって語ったのはエホバの霊で,
その言葉はわたしの舌の上にあった。

 3 イスラエルの神は言われた,
わたしにイスラエルの岩は語られた,
『人間を支配する者が義にかない,
神を恐れて支配するとき,
 4 それは太陽が輝き出る朝の光のようだ。
雲一つない朝の。
光輝から,雨から,地からは草が[生え]出ている』。

 5 わたしの家の者はそのように神と共にあるのではないのか。
それは,定めなく存続する契約をわたしにあてがわれたからだ。
あらゆる点でよく整えられ,保証されている。
それはすべてわたしの救い,すべてわたしの喜びだからである。
それゆえに,それを成長させてくださるのではないのか。

 6 しかし,どうしようもない者たちはいばらの茂みのように,それはみな追い払われる。
それらが取られるのは手によってではないからだ。

 7 人がそれらの者に触れるには,
鉄や槍の柄で十分に武装しているであろう。
火で彼らはすっかり焼き尽くされてしまう」。

8 これらがダビデに属していた力のある者たちの名である。すなわち,かの三人の頭,タフケモニ人ヨシェブ・バシェベト。彼は八百人の上に槍を振り回して一度にこれを打ち殺すのであった。9 彼の次に,アホヒの子ドドの子エレアザルは,ダビデと共にいた三人の力ある者たちがフィリスティア人を嘲弄したとき,その中にいた。彼らは戦いのためにそこに集まっていた。それで,イスラエルの人々は退却した。10 彼が立ち上がり,自分の手が疲れ果てて,その手が剣にくっつくまでフィリスティア人を討ち倒したのである。それでエホバはその日,大いなる救いを施された。民は,[討ち倒された者たちから]はぎ取るために彼の後について帰ったようなものであった。

11 そして,彼の次は,ハラル人アゲの子シャマであった。次いでフィリスティア人がレヒに集まったが,そこにはひら豆がいっぱいなっていた一続きの畑があった。民は,フィリスティア人のために逃げた。12 しかし,彼はその一続きの[畑の]真ん中に踏みとどまって,これを救い出し,フィリスティア人を討ち倒したので,エホバは大いなる救いを施された。

13 次いで三十人の頭のうちの三人が下って来て,収穫のころ,アドラムの洞くつにいるダビデのところに来た。フィリスティア人の天幕村はレファイムの低地平原に設営されていた。14 ときに,ダビデはそのころ,近寄りにくい所にいた。フィリスティア人の前哨部隊はそのころ,ベツレヘムにいた。15 しばらくして,ダビデは自分の渇望を表わして言った,「ああ,門の傍らにあるベツレヘムの水溜めの水を一杯飲めたらよいのだが」。16 そこで,三人の力ある者たちは,フィリスティア人の陣営に無理に突入して,門の傍らにあるベツレヘムの水溜めから水をくみ,それを運んで,ダビデのところに持って来た。彼はそれを飲もうとはせず,それをエホバに注ぎ出した。17 次いで彼は言った,「エホバよ,このようなことをするなど,わたしには考えられないことです! 自分の魂をかけて行った人々の血を[わたしは飲めるでしょうか]」。それで彼はそれを飲もうとはしなかった。

これらはその三人の力ある者たちが行なったことである。

18 ツェルヤの子ヨアブの兄弟アビシャイは,その三十人の頭であった。彼は三百人の上に槍を振り回してこれを打ち殺していた。彼はあの三人のような名声を得ていた。19 彼は三十人の残りの人たちよりも際立っており,その長になってはいたが,あの[最初の]三人の順位には及ばなかった。

20 ある勇敢な人の子エホヤダの子で,カブツェエルで多くの手柄を立てたベナヤは,モアブのアリエルの二人の子を討ち倒した。彼はまた,ある雪の降る日に,降りて行って,とある水のある坑の中でライオンを討ち倒した。21 また,異常な大きさのエジプト人を討ち倒したのは彼であった。そのエジプト人の手には槍があったが,それでも彼は杖を携えてその人のところに下って行き,エジプト人の手から槍をもぎ取って,その槍で彼を殺した。22 これらのことはエホヤダの子ベナヤが行なった。彼はかの三人の力ある者たちのような名声を得ていた。23 彼はあの三十人の者よりも際立ってはいたが,かの三人の順位には及ばなかった。だが,ダビデは彼を自分の護衛に任じた。

24 ヨアブの兄弟アサエルはかの三十人の中にいた。すなわち,ベツレヘムのドドの子エルハナン,25 ハロド人シャマ,ハロド人エリカ,26 パルティ人ヘレツ,テコア人イケシュの子イラ,27 アナトテ人アビ・エゼル,フシャ人メブナイ,28 アホアハ人ツァルモン,ネトファ人マハライ,29 ネトファ人バアナの子ヘレブ,ベニヤミンの子らのギベアのリバイの子イッタイ,30 ピルアトン人ベナヤ,ガアシュの奔流の谷のヒダイ,31 アルバト人アビ・アルボン,バルフム人アズマベト,32 シャアルボン人エルヤフバ,ヤシェンの子ら,ヨナタン,33 ハラル人シャマ,ハラル人シャラルの子アヒアム,34 マアカト人の子アハスバイの子エリフェレト,ギロ人アヒトフェルの子エリアム,35 カルメル人ヘツロ,アラブ人パアライ,36 ツォバのナタンの子イグアル,ガド人バニ,37 アンモン人ツェレク,ベエロト人ナハライ,ツェルヤの子ヨアブの武具持ち,38 イトル人イラ,イトル人ガレブ,39 ヒッタイト人ウリヤ―全部で三十七人である。
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聖書 サムエル記 第二 22章

聖書 サムエル記 第二 22章

22 こうしてダビデは,エホバが彼をそのすべての敵のたなごころと,サウルのたなごころから救い出された日に,この歌の言葉をエホバに述べた。2 そうして彼はこう言った。

「エホバはわたしの大岩,わたしのとりで,わたしを逃れさせてくださる方。

 3 わたしの神はわたしの岩。わたしはそのもとに避難します。
わたしの盾,わたしの救いの角,わたしの堅固な高台,
また,わたしの逃げ場,わたしの救い主。暴虐からあなたはわたしを救われます。

 4 わたしは賛美されるべき方エホバを呼び求め,
そして敵から救われる。

 5 死の砕け波がわたしを取り巻いたからだ。
絶えずわたしをおびえさせていた,どうしようもない[者たち]の鉄砲水もあった。

 6 シェオルの綱がわたしを取り囲み,
死のわながわたしに立ち向かった。

 7 わたしは苦難の中にあってエホバを呼び求め,
わたしの神に呼びかけつづけた。
すると,その神殿からわたしの声を聞かれた。
助けを求めるわたしの叫びはその耳に届いた。

 8 そして地は揺れ動き,激動しはじめ,
天の基も動揺し,
[神]がお怒りになったために,それは揺れ動くのであった。

 9 煙がその鼻から立ち上り,その口から出る火がむさぼり食っていた。
炭火がそのもとから燃え上がった。

10 次いで,[神]は天を押し曲げて,降りて来られた。
濃い暗闇がその足の下にあった。

11 そして,[神]はケルブに乗り,飛んで来られた。
[神]は霊の翼の上に見えた。

12 それから,闇を仮小屋としてご自分の周りに置かれた。
暗い水,濃い雲を。

13 そのみ前の輝きからは,燃える炭火が燃え上がった。

14 天から,エホバは雷鳴をとどろかせはじめ,
至高者ご自身がその声を発しはじめられた。

15 また,彼らを散らすために,矢を放ちつづけられた。
彼らを混乱に陥れるために,稲妻も。

16 すると,海の床は見えるようになり,
産出的な地の基があらわにされた。
エホバの叱責で,その鼻の息の突風によって。

17 [神]は高い所から送り出して,わたしを捕らえ,
大水からわたしを引き出してゆかれた。

18 [神]はわたしの強い敵から,
わたしを憎む者たちから,わたしを救い出されるのであった。彼らはわたしよりも強かったからだ。

19 彼らはわたしの災難の日に終始わたしに立ち向かった。
しかしエホバはわたしの支えとなられた。

20 次いで,[神]はわたしを広々とした所に連れ出し,
わたしを助け出してくださるのであった。わたしのことを喜ばれたからだ。

21 エホバはわたしの義にしたがってわたしに報い,
わたしの手の清さにしたがってわたしに報いてくださる。

22 わたしはエホバの道を守り,
よこしまになってわたしの神から離れることをしなかったからだ。

23 そのすべての司法上の定めはわたしの前にあり,
その法令については,わたしはそれからそれることはないからだ。

24 そして,わたしは[神]に対してとがのない者であることを実証しよう。
わたしは自分のとがから身を守る。

25 それで,エホバがわたしの義にしたがい,
その目の前におけるわたしの清さにしたがってわたしに報いてくださるように。

26 忠節な者には,あなたは忠節をもって行動し,
とがのない,力のある者には,とがのない仕方で対処されます。
27 [自らを]清く保つ者には,あなたはご自身を清い者として示し,
曲がった者には,愚か者のように行動されます。

28 そして謙遜な民を,あなたは救われますが,
あなたの目はごう慢な者たちに向かいます。[彼らを]低くする[ため]です。

29 エホバよ,あなたはわたしのともしびで,
わたしの闇を輝かせてくださるのはエホバだからです。

30 あなたによって,わたしは略奪隊に向かって走ることができ,
わたしの神によって,城壁をよじ登ることができるからです。

31 [まことの]神については,その道は完全であり,
エホバのことばは精錬されたものである。
ご自分のもとに避難するすべての者にとって,[神]は盾である。

32 エホバのほかにだれが神なのか。
わたしたちの神のほかにだれが岩なのか。

33 [まことの]神はわたしの強力な要塞。
[神]はわたしの道を全きものとし,
34 わたしの足を雌鹿のようにして,
わたしにとって高い所にわたしを立たせてくださる。

35 [神]は戦いのためにわたしの手を教えておられ,
わたしの腕は銅の弓を押し曲げた。

36 そして,あなたはその救いの盾をわたしに下さいます。
あなたの謙遜さがわたしを大いなる者とします。

37 あなたはわたしの下に,わたしの歩みのために十分大きな場所を空けてくださいます。
それで,わたしの足首は確かによろけることがありません。

38 わたしは敵を追跡する。彼らを滅ぼし尽くすためだ。
わたしは彼らが滅ぼし絶やされるまでは帰らない。

39 そして,わたしは彼らを絶ち滅ぼし,彼らを打ち砕いて,立ち上がれないようにする。
彼らはわたしの足下に倒れる。

40 そして,あなたは戦いのためにわたしに活力を帯びさせ,
わたしに向かって立ち上がる者たちをわたしの下にくずおれさせます。

41 そして,わたしの敵については,あなたは必ずそのうなじをわたしに渡されます。
わたしを激しく憎む者たち―わたしはまた,彼らをも沈黙させる。

42 彼らは助けを叫び求めるが,救う者はいない。
エホバに向かって[叫ぶが],実際,彼らにお答えにはならない。

43 そして,わたしは彼らを地の塵のように細かく突き砕き,
ちまたの泥のように彼らを粉砕する。
わたしは彼らを踏みつぶす。

44 それに,あなたはわたしの民のとがめだてからわたしを逃れさせてくださいます。
わたしを諸国民の頭になれるよう保護してくださいます。
わたしの知らなかった民―彼らがわたしに仕えます。

45 異国の者たちもへつらいながらわたしのもとに来る。
もろもろの耳は従順にわたし[の言うこと]を聞く。

46 異国の者たちは衰えてゆき,
その堡塁から震えながら出て来る。

47 エホバは生きておられる。わたしの岩がほめたたえられるように。
わたしの救いの岩の神が高められるように。

48 [まことの]神はわたしのために復しゅうを行なわれる方,
もろもろの民をわたしの下に下らせる方,
49 また,わたしの敵からわたしを連れ出される方である。
そして,あなたは,わたしに向かって立ち上がる者たちの上にわたしを引き上げ,
暴虐行為をする者からわたしを救い出してくださいます。

50 それゆえに,エホバよ,わたしは諸国民の中であなたに感謝します。
あなたのみ名に調べを奏でるのです。

51 ご自分の王のために救いの大いなる働きを行ない,
愛ある親切をその油そそがれた者に,
ダビデとその胤とに定めのない時までも表わす方よ」。
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聖書 サムエル記 第二 21章

聖書 サムエル記 第二 21章

21 さて,ダビデの時代に三年間,毎年毎年,飢きんがあった。そこでダビデはエホバの顔に助言を求めた。するとエホバは言われた,「サウルの上と,その家の上に血の罪がある。彼がギベオン人を殺したからである」。2 それで王はギベオン人を呼び寄せて,彼らに話した。(ところで,ギベオン人はイスラエルの子らの出ではなく,アモリ人の残っている者の出であった。イスラエルの子らは彼らに誓っていたのであるが,サウルはイスラエルとユダの子らに対してねたみを感じるあまり,彼らを討ち倒そうとした。)3 そしてダビデはさらにギベオン人に言った,「わたしはあなた方に何をしようか。何をもって償いをすれば,あなた方は必ずエホバの相続物を祝福してくれるのか」。4 それでギベオン人は彼に言った,「サウルとその家の者に関しては,それはわたしたちにとって銀や金の問題ではありませんし,またそれはわたしたちがイスラエルの中で人を殺すことでもありません」。そこで彼は言った,「あなた方の言うことは何でも,あなた方のために行なおう」。5 ここにおいて彼らは王に言った,「わたしたちを絶滅させた者,イスラエルのどの領地でも生存してゆけないようにわたしたちを滅ぼし尽くそうとたくらんだ者,6 その者の子らの七人がわたしたちに渡されるようにして頂きましょう。わたしたちはエホバの選ばれた者であるサウルのギベアで,エホバのために彼らをさらし者にしなければなりません」。それゆえ王は,「わたしは,彼らを渡そう」と言った。

7 しかし,王は,自分たちの間,ダビデとサウルの子ヨナタンとの間にあったエホバの誓いのゆえに,サウルの子ヨナタンの子メピボセテに同情を覚えた。8 そのため王は,アヤの娘リツパの二人の息子,彼女がサウルに産んだ子,アルモニとメピボセテ,それにサウルの娘ミカルの五人の息子,彼女がメホラ人バルジライの子アドリエルに産んだ子らを取った。9 それから,彼らをギベオン人の手に渡したので,彼らはそれらの者を山の上でエホバの前にさらし者にした。それで,これら七人は一緒に倒れた。彼らは,収穫の初めの日のころ,大麦の収穫の始めに処刑された。10 ところで,アヤの娘リツパは粗布を取り,収穫の始まりから水が天から彼らの上に注ぎ下るまで,それを自分のために岩の上に広げた。彼女は昼は天の鳥が,また夜は野の野獣が彼らの上にとどまるのを許さなかった。

11 ついに,サウルのそばめ,アヤの娘リツパのしたことがダビデに伝えられた。12 それでダビデは行って,ヤベシュ・ギレアデの土地所有者たちのところからサウルの骨とその子ヨナタンの骨を取った。これらの人々は,フィリスティア人がギルボアでサウルを討ち倒した日に,フィリスティア人がそれらふたりをつるした,ベト・シャンの公共の広場からそれを盗んでいたのである。13 次いで,彼はサウルの骨とその子ヨナタンの骨をそこから携え上った。その上,彼らはさらし者にされていた者たちの骨を集めた。14 それから,彼らはサウルとその子ヨナタンの骨を,ベニヤミンの地のツェラにある,その父キシュの埋葬所に葬った。王が命じておいたことをみな行なうためであった。こうして,この後,神はこの地のために願いを聞き入れられた。

15 ときに,フィリスティア人は再びイスラエルと戦いをすることになった。それゆえ,ダビデと,共にいたその僕たちは下って行き,フィリスティア人と戦ったが,ダビデはしだいに疲れた。16 すると,レファイムから生まれた者たちのひとりで,その槍の重さは銅で三百シェケルあり,新しい剣を帯びていたイシュビ・ベノブは,ダビデを討ち倒そうと考えた。17 直ちに,ツェルヤの子アビシャイは[ダビデ]を助けに来て,このフィリスティア人を討ち倒し,これを殺した。そのとき,ダビデの部下は彼に誓って言った,「あなたはもうこれから,私たちと共に戦いに出ないでください。あなたがイスラエルのともしびを絶やさないためです!」

18 そして,その後,ゴブでまたもやフィリスティア人との戦いが起きたのである。そのとき,フシャ人シベカイが,レファイムから生まれた者たちのひとりであったサフを討ち倒したのであった。

19 それから,ゴブでもう一度フィリスティア人との戦いが起き,ベツレヘム人ヤアレ・オレギムの子エルハナンはギト人ゴリアテを討ち倒した。その槍の柄は機織り工の巻き棒のようであった。

20 また,ガトでもう一度戦いが起きたが,そのとき,そこには,手に各々六本の指,足に各々六本の指,合計二十四本ある,異常な大きさの男がいた。彼もまた,レファイムに生まれた者であった。21 そして,彼はイスラエルを嘲弄していた。ついに,ダビデの兄弟シムイの子ヨナタンが彼を討ち倒した。

22 これら四人はガトのレファイムに生まれた者であった。彼らはダビデの手と,その僕たちの手に倒れるに至った。
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聖書 サムエル記 第二 20章

聖書 サムエル記 第二 20章

20 さて,たまたまそこに,どうしようもない男で,名をシェバという者がいた。ベニヤミン人ビクリの子であった。彼は角笛を吹き鳴らしてこう言いだした。「我々はダビデに分け前を持ってはおらず,エッサイの子に相続分を持ってはいない。イスラエルよ,各自自分の神々のもとに[帰れ]!」2 そこで,すべてのイスラエルの人々はダビデに従うのをやめて,ビクリの子シェバに従って上って行った。しかし,ユダの人々は,ヨルダンからエルサレムまで自分たちの王に付き従った。

3 やがて,ダビデはエルサレムの自分の家に来た。それから,王は家の世話をさせるために後に残しておいたそばめたち,十人の女を取り,監禁用の家に入れたが,彼女たちに食物を供給し続けた。けれども,彼女たちとは何の関係も持たなかった。彼女たちは生きた[夫]のいるやもめの状態で,自分たちの死ぬ日まで,しっかりと閉じ込められていた。

4 さて,王はアマサに言った,「ユダの人々を三日のうちにわたしのために呼び集め,あなたもここに立ちなさい」。5 それで,アマサはユダを呼び集めるために行った。しかし彼は,[王]が彼のために指定しておいた定められた時よりも遅れた。6 それで,ダビデはアビシャイに言った,「今や,ビクリの子シェバは我々にとってアブサロムよりもひどくなるだろう。あなたは,あなたの主の僕たちを連れて行き,彼の跡を追いなさい。彼が実際,自分のために,防備の施された諸都市を見つけて,我々の目の前から逃れることにならないためだ」。7 こうして,ヨアブの部下とケレト人とペレト人と,すべての力のある者たちとは,彼の後に続いて出て行った。彼らはエルサレムを出て,ビクリの子シェバの跡を追って行った。8 彼らがギベオンにある大きな石のすぐそばにいると,アマサが彼らに会いに来た。さて,ヨアブは衣をまとって,帯を締めていた。その身には,剣をさやに入れて,その腰に帯びていた。そして,彼が出て来ると,それが抜け落ちた。

9 次いでヨアブはアマサに,「わたしの兄弟,あなたは元気か」と言った。それから,彼に口づけしようとして,ヨアブの右手はアマサのひげを捕まえた。10 アマサは,ヨアブの手にあった剣に用心していなかった。そこで,[ヨアブ]はそれで彼の腹部を突き刺したので,その腸が地に流れ出,もう一度彼にそうする必要はなかった。こうして彼は死んだ。それから,ヨアブとその兄弟アビシャイは,ビクリの子シェバの跡を追った。

11 ときに,ヨアブの若者たちの一人が彼のそばに立って,「ヨアブのことを喜んでいる者はだれでも,ダビデに属する者はだれでも,ヨアブに従え!」と言い続けた。12 その間ずっと,アマサは街道の真ん中で血の中で転がっていた。その男は,民がみな立ち止まるのを見て,アマサを街道から野に移した。最後に,彼の上に衣を投げた。そのもとに上って来る者がみな立ち止まるのを見たからである。13 その[男]が街道から彼を取り除くとすぐ,人はみなヨアブに従って通って行き,ビクリの子シェバの跡を追った。

14 そして,[シェバ]はイスラエルの全部族の中を通ってベト・マアカのアベルに行った。すべてのビクリ人も,集合して,やはり彼の後に続いて入った。

15 そこで彼らは来て,ベト・マアカのアベルで彼を包囲し,その都市に対して攻囲塁壁を盛り上げた。それは塁壁の内側に立っていたからである。そして,ヨアブと共にいた民は皆,城壁を倒壊させようとしてその下を掘っていた。16 ときに,ひとりの賢い女がその都市からこう呼ばわりだした。「お聴きください,皆さん,お聴きください。どうか,ヨアブにこう言ってください。『ここまで近づいてください。私にあなたとお話しさせてください』」。17 それで彼が彼女のところに近づくと,その女は言った,「あなたがヨアブですか」。すると彼は,「そうだ」と言った。そこで彼女は言った,「この奴隷女の言葉をお聴きください」。すると彼は言った,「わたしは聴いている」。18 それで彼女はさらに言った,「昔,人々は例外なく,『とにかくアベルで伺わせよう。そうすれば,確かに事を終わらせることになる』と言うのが常でした。19 私は平和を好む忠実なイスラエルの者たちを代表しております。あなたはイスラエルにおける母なる都市のひとつを死なせようとしておられます。あなたはどうしてエホバの相続物を呑み込むようなことをしてよいのでしょうか」。20 これに対してヨアブは答えて言った,「わたしが呑み込んだり,滅びに陥れたりするなど,わたしには全く考えられないことだ。21 問題はそのような事ではない。ただ,エフライムの山地の出身の,ビクリの子でシェバという名の男がダビデ王に対して手を上げたのだ。あなた方はその男だけを引き渡しなさい。そうすれば,わたしはこの都市から引き揚げよう」。すると,女はヨアブに言った,「ご覧ください,その男の首は城壁越しにあなたのところに投げられるでしょう!」

22 すぐに,この女はその知恵を用いてすべての民のところに行った。それで彼らはビクリの子シェバの首を切り落とし,それをヨアブのところに投げた。そこで,彼はすぐ角笛を吹き鳴らしたので,人々はその都市から散って行き,各々自分の家に[帰った]。ヨアブもエルサレムの王のもとに帰った。

23 さて,ヨアブはイスラエルの全軍をつかさどる者であった。エホヤダの子ベナヤはケレト人とペレト人とをつかさどる者であった。24 そしてアドラムは強制労働に徴用された者たちをつかさどる者であった。アヒルドの子エホシャファトは記録官であった。25 それに,シェワは書記官であった。ザドクとアビヤタルは祭司であった。26 そして,ヤイル人イラもまたダビデの祭司となった。
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聖書 サムエル記 第二 19章

聖書 サムエル記 第二 19章

19 後に,ヨアブに,「見よ,王は泣いておられ,アブサロムのために嘆き悲しんでおられる」と伝えられた。2 それで,その日の救いはすべての民にとって嘆きの時となった。民はその日,「王はその子のことで痛手を受けておられる」と言うのを聞いたからである。3 そして民はその日,戦いで逃げたため恥辱を被ってこっそり帰るように,こっそりと帰って都市に入りはじめた。4 ときに王は,顔をすっかり覆い,王は大声で,「我が子アブサロム! アブサロム,我が子よ,我が子よ!」と叫び続けた。

5 ついにヨアブは王の家に入って言った,「あなたは今日,あなたのすべての僕たち,つまり今日あなたの魂と,あなたの息子や娘たちの魂,それにあなたの妻たちの魂と,あなたのそばめたちの魂を逃れさせている者たちの顔に恥をかかせました。6 あなたを憎んでいる者たちを愛し,あなたを愛している者たちを憎んでおられるからです。あなたは今日,隊長たちや僕たちはご自分にとって無に等しいことを伝えられたのです。もしもアブサロムが生きていて,わたしたち他の者すべてが今日死んでいたなら,そうであれば,そのほうがあなたの目にかなっていることを,わたしは今日,よく知ったからです。7 ですから今,立ち上がって,出て行き,あなたの僕たちの心に率直に話してください。エホバにかけて,わたしはまさしく誓いますが,もしあなたが出て行こうとなさらないのでしたら,今夜はだれひとりあなたと共に泊ることはないからです。そうなれば,それはあなたにとってきっと,あなたの若い時から今に至るまであなたに臨んだすべての危害よりも悪いものとなるでしょう」。8 そこで王は立ち上がり,門のところに腰を掛けた。すべての民に対して,人々は報告をし,「王は門のところに座っておられます」と言った。それで,すべての民は王の前に来るようになった。

イスラエルは,各々自分の家に逃げ帰っていた。9 そして,民は皆,イスラエルのすべての部族の中で争いに巻き込まれて,こう言った。「我々を敵のたなごころから救い出してくださったのは王だ。この方こそ我々をフィリスティア人のたなごころから逃れさせてくださったのだ。ところが今,この方はアブサロムのもとから,この地から逃げ去っておられる。10 しかし我々が自分たちの上に立てて油をそそいだアブサロムは,戦いで死んでしまった。それでは今,あなた方は王を連れ戻すために,なぜ何もしないでいるのか」。

11 ダビデ王は,祭司のザドクとアビヤタルに人をやって言った,「ユダの年長者たちに話して,こう言いなさい。『あなた方はどうして王をその家に連れ戻す最後の者になるのか。全イスラエルの言葉が王の家に届いているというのに。12 あなた方は,わたしの兄弟だ。あなた方は,わたしの骨,わたしの肉だ。それなのにどうして,あなた方は王を連れ戻す最後の者になるのか』。13 また,アマサにも言わなければならない,『あなたはわたしの骨肉ではないか。それで,もしあなたがヨアブの代わりにずっとわたしの前で軍の長にならないなら,神がわたしにそのようになさり,重ねてそのようになさるように』」。

14 それから彼はユダのすべての人々の心を一人の人のように傾けさせたので,彼らは王に,「あなたも,あなたの僕たちも皆,お帰りください」と伝言した。

15 それで,王は帰ることにし,やがてヨルダンまで来た。ユダは,行って王を迎え,王を案内してヨルダンを渡らせるため,ギルガルに来た。16 それから,バフリムの出身の者である,ベニヤミン人ゲラの子シムイは,ダビデ王を迎えるため急いでユダの人々と共に下って来た。17 そして,ベニヤミンの出身の人々一千人が彼と共にいた。(それにまた,サウルの家の従者ヂバとその十五人の息子や,その二十人の僕たちも彼と共にいた。彼らは王よりも先に首尾よくヨルダンに達した。18 そして,彼は王の家の者たちを案内して渡らせ,その目に善いことを行なおうとして渡り場を渡った。)ゲラの子シムイは,王がヨルダンを渡ろうとしたとき,その前にひれ伏した。19 そこで彼は王に言った,「我が主がとがを私に帰されませんように。王なる我が主がエルサレムから出て行かれた日に,この僕が致しました不当なことを思い出さないでください。王がそれを心にとどめられませんように。20 この僕は,自分が罪をおかした者であることをよく存じておりますから。ですから,ご覧ください,私は今日,下って来て,王なる我が主をお迎えするため,ヨセフの全家の最初の者として参りました」。

21 直ちにツェルヤの子アビシャイは答えて言った,「シムイは,エホバの油そそがれた方の上に災いを呼び求めたのですから,その代わりに殺されるべきではありませんか」。22 しかしダビデは言った,「あなた方,ツェルヤの子らはわたしと何のかかわりがあるというので,今日,わたしに反抗する者となるのか。今日,イスラエルのうちでだれかが殺されてよいだろうか。わたしは,自分が今日イスラエルの王であることをよく承知しているのではないのか」。23 それから王はシムイに言った,「あなたは死ぬことはない」。そして王はさらに彼に誓った。

24 サウルの孫メピボセテは,王を迎えるために下って来た。彼は,王が去って行った日から,無事に帰って来た日まで,自分の足の手入れをせず,口ひげの手入れもせず,その衣も洗っていなかった。25 そして,彼が王を迎えるためにエルサレムに来たとき,王は彼にこう言ったのである。「メピボセテよ,あなたはなぜわたしと共に行かなかったのか」。26 これに対して彼は言った,「王なる我が主よ,私の僕が私をだましたのです。この僕は,『わたしのため雌ろばに鞍を置かせてくれ。わたしがそれに乗って,王と共に行くためだ』と言っておいたのです。僕は足が不自由ですので。27 それで,彼はこの僕のことを王なる我が主に中傷しました。しかし,王なる我が主は[まことの]神のみ使いのような方ですから,あなたの目に善いことを行なってください。28 私の父の家の者は皆,王なる我が主にとって,ほかならぬ死に定められた者でしたでしょうに,それでもあなたはこの僕をあなたの食卓で食べる者たちの中に置いてくださったからです。ですから,私には,このうえ王に叫び求める正当な権利としてなお何があるでしょうか」。

29 ところが,王は彼に言った,「あなたはなぜ自分の言葉をなおも語り続けるのか。わたしはまさしく言うが,あなたとヂバは畑を分け合わなければならない」。30 そこでメピボセテは王に言った,「王なる我が主が無事にその家に来られたのですから,彼に全部でも取らせてください」。

31 ときに,ギレアデ人バルジライも,ロゲリムから下って来た。王と共にヨルダンに進み,ヨルダンまで彼に付き添うためであった。32 ところで,バルジライは非常に年を取っており,八十歳であった。この人が,王がマハナイムに住んでいた間,王に食物を供した。彼は非常に大いなる人だったからである。33 そこで王はバルジライに言った,「あなたもわたしと共に渡って来てください。そうすれば,わたしは必ずエルサレムのわたしのもとであなたに食物を供しましょう」。34 しかし,バルジライは王に言った,「わたしの命の年の日はどれほどのものなので,わたしは王と共にエルサレムに上るべきなのでしょう。35 わたしは今日八十歳です。わたしは善悪を識別できるでしょうか。あるいは,この僕は,自分の食べるものや飲むものを味わえるでしょうか。あるいは,男女の歌うたいの声をまだ聴けるでしょうか。ですから,どうして僕がこれ以上,王なる我が主の重荷になれましょう。36 この僕が王をヨルダンにお連れできるのは,ほんのわずかの道のりなのですから,王はどうしてこのような報酬をもってわたしに報いてくださらなければならないのでしょう。37 この僕を,どうか,帰らせてください。わたしの父と母の埋葬所のすぐそばのわたしの都市で,わたしを死なせてください。しかし,ここにあなたの僕キムハムがおります。彼を王なる我が主と共に渡って行かせてください。あなたはご自分の目に善いことを彼になさってください」。

38 それゆえ王は言った,「キムハムはわたしと共に渡って行くことになります。わたしが,あなたの目に善いことを彼にしましょう。あなたがわたしに[負わせるのを]好むことすべてを,わたしはあなたのために致しましょう」。39 さて,民は皆ヨルダンを渡りはじめた。王も渡った。だが,王はバルジライに口づけして,彼を祝福した。その後,彼は自分の場所に帰った。40 王がギルガルに向かって渡って行くと,キムハムも一緒に,またユダのすべての民も,またイスラエルの民の半分も渡って行った。王を渡って行かせるためであった。

41 すると,見よ,イスラエルのすべての人々が王のところにやって来て,王にこう言いだした。「わたしたちの兄弟,ユダの人々は,どうしてあなたをこっそり奪って,王とその家の者とダビデのすべての部下を共に,ヨルダンを渡って連れて行こうとしたのですか」。42 そこで,ユダのすべての人々はイスラエルの人々にこう答えた。「王は我々と近い関係にあるからだ。あなた方がこの事で怒っているのはどういう訳か。我々はいやしくも王の費用で食べただろうか。それとも,贈り物が我々のところに運ばれただろうか」。

43 ところが,イスラエルの人々はユダの人々に答えて言った,「我々は王に十の分を持っている。だから,ダビデにも我々はあなた方よりも多いのだ。それなのに,どうして我々を軽べつして扱ったのか。我々の王を連れ戻すという我々の問題が,どうして第一にならなかったのか」。しかし,ユダの人々の言葉はイスラエルの人々の言葉よりも厳しかった。
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聖書 サムエル記 第二 18章

聖書 サムエル記 第二 18章

18 それから,ダビデは彼と共にいた民を数え,彼らの上に千人の長,百人の長を置いた。2 さらに,ダビデは民の三分の一をヨアブの手に,三分の一をヨアブの兄弟ツェルヤの子アビシャイの手に,三分の一をギト人イッタイの手に委ねて遣わした。それで王は民に言った,「わたしもまた,あなた方と共に必ず出て行く」。3 しかし民は言った,「あなたは出てはなりません。たとえわたしたちが逃げたとしても,彼らはわたしたちに心を留めはしないからです。たとえわたしたちの半分が死んでも,彼らはわたしたちに心を留めないでしょう。あなたは私たちの一万人に値するからです。ですから今,あなたが都市から助けを与えて私たちの役に立ってくださるなら,そのほうが良いのです」。4 それで王は彼らに言った,「あなた方の目に善いと思えることは何でもわたしはしよう」。こうして王は門のわきに立ち続け,民のほうは皆,百人ごと,千人ごとに出て行った。5 そして王はさらにヨアブ,アビシャイ,イッタイに命じて言った,「わたしのために若者アブサロムを優しく扱ってくれ」。そして民も皆,王がアブサロムの事で隊長たちすべてに命じたとき,[それを]聞いた。

6 そして,民はイスラエルに立ち向かうため野に出て行った。戦闘はエフライムの森で行なわれた。7 ついにイスラエルの民はそこでダビデの僕たちの前で撃ち破られ,その日,そこでの殺りくは大いなるもので,二万人となった。8 そして,戦闘はそこで,見渡す限り地一帯に広がった。その上,その日,森は剣が彼らを食らい尽くす以上に多くの民を食らい尽くした。

9 やがて,アブサロムはダビデの僕たちの前にいることに気がついた。ときに,アブサロムはらばに乗っていたが,そのらばが巨大な大木の網の目のように入り組んだ大枝の下に来たので,彼の頭は大木に固く引っ掛かり,彼は天と地の間につまみ上げられた。下にいたらばが通り過ぎて行ったのである。10 それから,ある人がそれを見て,ヨアブに告げて言った,「ご覧ください,わたしはアブサロムが大木につるされているのを見ました」。11 そこで,ヨアブは自分に話しているその人に言った,「それも,何と,お前はそれを見たのに,どうしてそこで彼を地に討ち倒さなかったのか。そうすれば,お前に銀十枚と帯一本を与えるのがわたしの務めとなっただろうに」。12 しかし,その人はヨアブに言った,「それに,たとえわたしが銀一千枚をたなごころで量っていたとしても,わたしは王のご子息に対して手は出しません。わたしたちの聞いているところで,王はあなたとアビシャイとイッタイに命じて,『だれでも,あの若者,アブサロムを見守ってくれ』と言われたからです。13 そうでなければ,わたしは彼の魂に対して不実なことをしたでしょうが,このすべての事は王から隠せなかったでしょうし,あなたは味方とはほど遠い態度を取られたでしょう」。14 これに対してヨアブは言った,「このようにしてお前の前でわたしをとどめさせないでもらおう!」 そうして,彼はたなごころに三本の矢柄を取り,大木の真ん中でなお生きていたアブサロムの心臓にそれを突き通した。15 それから,ヨアブの武器を運ぶ十人の従者が周りにやって来て,アブサロムを殺そうとしてこれを討った。16 そこでヨアブは,民がイスラエルの跡を追うのをやめて帰るよう,角笛を吹き鳴らした。ヨアブは民を引き止めたのである。17 最後に彼らはアブサロムを取り,彼を森で大きなほら穴に投げ込み,その上に非常に大きな石の山を積み上げた。一方全イスラエルは,各々自分の家に逃げた。

18 ところでアブサロムは,生きていたときに,一本の柱を取って,自分のために立てたが,それは“王の低地平原”にある。彼は,「わたしにはわたしの名を記憶にとどめるための息子がいない」と言ったのである。それで,彼はその柱を自分の名前で呼んだ。それは今日に至るまで“アブサロムの記念碑”と呼ばれている。

19 さて,ザドクの子アヒマアツは,こう言った。「どうか,わたしに走らせ,この知らせを王に伝えさせてください。エホバは[王]を裁いて,その敵の手から[王を解放された]のですから」。20 しかしヨアブは彼に言った,「あなたはこの日の知らせの人ではない。あなたはほかの日にその知らせを伝えなさい。しかし,今日はあなたはその知らせを伝えてはならない。王の子が死んだのだから」。21 それから,ヨアブはクシュ人に言った,「行って,お前の見たことを王に告げなさい」。そこで,クシュ人はヨアブに身をかがめて,走りだした。22 そこで,ザドクの子アヒマアツはもう一度ヨアブに言った,「どんなことが起きようとも,どうか今,このわたしにもクシュ人の跡を追って走らせてください」。ところが,ヨアブは言った,「我が子よ,あなたが走らなければならないとはどういう訳なのか。あなたのためには何の知らせもないのに」。23 [なおも彼は言った,]「どんなことが起きようとも,今,わたしに走らせてください」。それで彼は言った,「走りなさい!」 そこでアヒマアツは[ヨルダン]地域の道を通って走りだし,ついにはクシュ人を追い越した。

24 さて,ダビデは二つの門の間に座っていた。その間に,見張りの者が城壁のそばの門の屋上に行った。ついに彼が目を上げて見ると,見よ,独りで走って来る男がいた。25 それで,見張りの者が呼ばわって王に告げると,王は言った,「もしその人が独りなら,その口には知らせがあるのだ」。そして,その人はしだいに近づいて来た。26 見張りの者は今度は,もうひとりの男が走って来るのを見た。それゆえ,見張りの者は門衛に呼ばわって言った,「ご覧ください,もうひとりの男が独りで走って来ます!」 すると王は言った,「それもまた,知らせを持っている者なのだ」。27 そして見張りの者はさらに言った,「最初の者の走り方は,ザドクの子アヒマアツの走り方のように見えます」。すると王は言った,「これは良い男だ。良い知らせを携えて来るだろう」。28 ついにアヒマアツは呼ばわって王に言った,「ご無事を!」 そうして,彼は地に顔を伏せて王に身をかがめた。そして彼はさらに言った,「あなたの神エホバがほめたたえられますように! [神]は王なる我が主に向かって手を上げた人々を引き渡されました」。

29 ところが,王は言った,「若者アブサロムは無事か」。これに対してアヒマアツは言った,「ヨアブが王の僕と,この僕を遣わしたときに,私は大きな騒ぎを見ましたが,それが何かは分かりませんでした」。30 それで王は言った,「わきへ寄って,ここに立っていなさい」。そこで,彼はわきへ寄って,じっと立っていた。

31 すると,見よ,クシュ人が入って来て,そのクシュ人はこう言いはじめた。「王なる我が主が知らせをお受けになられますように。エホバは今日,あなたを裁いて,あなたに対して立ち上がるすべての者の手から[あなたを解放してくださった]からです」。32 しかし,王はクシュ人に言った,「若者アブサロムは無事か」。これに対してクシュ人は言った,「王なる我が主の敵,および害悪をもたらそうとしてあなたに対して立ち上がった者は皆,あの若者のようになりますように」。

33 すると,王は動揺して,門口の上の屋上の間に上って行って泣きだした。彼は歩きながら,このように言った。「我が子アブサロム,我が子,我が子アブサロムよ! ああ,わたしが,このわたしが,お前の代わりに死ねばよかったのに。アブサロム,我が子よ,我が子よ!」
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聖書 サムエル記 第二 17章

聖書 サムエル記 第二 17章

17 そこで,アヒトフェルはアブサロムに言った,「どうか,わたしに一万二千人の人々を選ばせ,今夜,立ち上がって,ダビデの跡を追わせてください。2 そしてわたしは,彼が疲れ果てて両手が弱っているときにこれを襲いましょう。きっと彼を恐れおののかせることになるでしょう。彼と共にいる民は皆,逃げざるを得なくなり,わたしはきっと王だけを討ち倒せるでしょう。3 そして,わたしに民すべてをあなたのもとに連れ戻させてください。あなたが求めておられるその人は,実にすべての者が帰って来ることに相当します。[ですから]民は皆,自ら穏やかになるでしょう」。4 そして,この言葉はアブサロムの目にも,イスラエルのすべての年長者たちの目にもまさに正しかった。

5 しかし,アブサロムは言った,「どうか,アルキ人フシャイをも呼んでもらいたい。彼の口にあること,彼の[言うこと]をも聞こうではないか」。6 それで,フシャイはアブサロムのところに来た。するとアブサロムは彼に言った,「この言葉の通りにアヒトフェルは話した。我々は彼の言葉に基づいて行動してよいだろうか。もしいけないなら,あなたが話しなさい」。7 そこで,フシャイはアブサロムに言った,「アヒトフェルが進言した助言は,この度は良くありません!」

8 そしてフシャイはさらに言った,「あなたご自身,父上とその部下たちを,彼らが力のあることをよくご存じです。しかも彼らは,野で子を失った雌熊のように,魂が苦しんでいます。あなたの父上は戦士ですから,民と共に夜を過ごすことはないでしょう。9 ご覧なさい,今は,どこかのほら穴か,どこかほかの場所に隠れておられましょう。それに,彼が最初に彼らに襲いかかるや,それを聞く者が必ず聞いて,『アブサロムに従う民のうちに敗北が起きた!』と言うようになるに違いありません。10 そうなれば,たとえその心がライオンの心のような勇敢な者でも,確かに弱々しくなってしまいます。全イスラエルは,あなたの父上が力のある人で,彼と共にいる勇敢な者たちもまたそうであることを承知しているからです。11 わたしとしてはどうしてもこう進言致します。全イスラエルが,ダンからベエル・シェバに至るまで,おびただしさの点で海辺にある砂粒のように,あなたのもとにぜひ集められ,あなたご自身も戦いに出られることです。12 そして我々は,どこか彼が確実に見つかる場所で必ず彼を攻めるのです。我々は,露が地面に降りるように,彼を襲います。彼や共にいるすべての者たちのうちには,確かにただの一人も残されることはないでしょう。13 そしてもし,どこかの都市に彼が退くなら,全イスラエルもその都市に綱を運ばなければなりません。我々はきっとそれを奔流の谷まで引きずって行って,そこに小石一つも見つからないようにしてしまうでしょう」。

14 すると,アブサロムとイスラエルのすべての人々は言った,「アルキ人フシャイの助言は,アヒトフェルの助言よりも優れている!」 それに,エホバがアブサロムに災いをもたらそうとして,エホバがアヒトフェルの助言を良いとはいえ,覆すよう命令を出しておられたのである。

15 後に,フシャイは,祭司のザドクとアビヤタルに言った,「アヒトフェルはアブサロムとイスラエルの年長者たちにこれこれの助言をしました。わたしもこれこれの助言をしました。16 それで今,速やかに人をやり,ダビデに告げてこう言ってください。『今夜は荒野の砂漠平原に泊まってはいけません。あなたもまた,ぜひ渡って行かなければなりません。王も,共にいるすべての民も呑み込まれてはいけませんから』」。

17 ヨナタンとアヒマアツがエン・ロゲルで立っていると,ひとりのはしためが去って行って,彼らに告げた。それで,彼らも去って行った。彼らはダビデ王に告げなければならなかったのである。彼らは姿を現わして都に入ることはできなかったからである。18 ところが,ひとりの若者が彼らを見つけて,アブサロムに告げた。それで,彼ら二人は速やかに去って行き,バフリムのある人の家に行った。その人の中庭には井戸があったので,彼らはその中に降りた。19 その後,女が仕切りの幕を取って,井戸の面の上に広げ,その上に砕いた穀物を積み上げたので,それについては何事も知られなかった。20 さて,アブサロムの僕たちがその女の家に来て言った,「アヒマアツとヨナタンはどこにいるのか」。そこで女は彼らに言った,「あの人たちはここを通り過ぎて水の方へ行きました」。それで彼らは捜し続けたが,ふたりを見つけられなかったので,エルサレムに帰った。

21 そして,彼らが去った後,ふたりは井戸から上がって来て,進んで行き,ダビデ王に告げて,ダビデに言った,「あなた方は立ち上がって,速やかに水を渡ってください。アヒトフェルはあなた方に対してこのように助言をしたからです」。22 直ちにダビデと,また彼と共にいた民すべては立ち上がって,ヨルダンを渡って行き,ついに夜が明けたが,ヨルダンを渡りきれなかった者は一人もいなかった。

23 アヒトフェルは,自分の助言が実行されなかったのを見て,ろばに鞍を置き,立って自分の都市の我が家に去って行った。それから,彼は自分の家の者たちに命令を出し,首をくくって死んだ。それで彼はその父祖たちの埋葬所に葬られた。

24 ダビデはマハナイムに来たが,アブサロムも,彼と共にいるイスラエルのすべての人々とヨルダンを渡った。25 そしてアブサロムはヨアブの代わりに,アマサを軍隊の上に立てた。アマサは,ヨアブの母ツェルヤの姉妹,ナハシュの娘アビガイルと関係を持った,イトラという名のイスラエル人の息子であった。26 そして,イスラエルとアブサロムはギレアデの地で陣営を敷くようになった。

27 そして,ダビデがマハナイムに来るとすぐ,アンモンの子らのラバの出のナハシュの子ショビと,ロ・デバルの出のアミエルの子マキルと,ロゲリムの出のギレアデ人バルジライとは,28 寝床,鉢,陶器師の器,それに小麦,大麦,麦粉,炒った穀物,そら豆,ひら豆,あぶった穀物を[持って来た]のである。29 また,はち蜜,バター,羊,牛の凝乳を彼らはダビデと彼と共にいる民が食べるために持ち出した。彼らは,「民が荒野で飢えて疲れ,渇いている」と言ったからである。
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聖書 サムエル記 第二 16章

聖書 サムエル記 第二 16章

16 ダビデが頂上を少し越えて渡って行くと,見よ,メピボセテの従者ヂバが,鞍を置いた一対のろばを連れ,それにパン二百個,干しぶどうの菓子百個,夏の果物百個の荷,ぶどう酒の入った大きなつぼ一つを積んで,彼に会おうとしていた。2 すると,王はヂバに言った,「あなたのほうのこれらのものは何なのだ」。これに対してヂバは言った,「ろばは王の家の方々がお乗りになるため,パンと夏の果物の荷は若者たちが食べるため,ぶどう酒は荒野で疲れきった者たちが飲むためです」。3 次に王は言った,「ところで,あなたの主人の息子はどこにいるのか」。そこでヂバは王に言った,「今,エルサレムにとどまっております。彼は,『今日,イスラエルの家はわたしの父の王としての支配権をわたしに返してくれる』と言ったのです」。4 そこで王はヂバに言った,「見よ,メピボセテのものはみな,あなたのものだ」。そこですぐヂバは言った,「私はまさしく身をかがめます。王なる我が主よ,あなたの目に恵みを得させてください」。

5 そして,ダビデ王がバフリムまで来ると,見よ,そこからサウルの家の一族の一人の男が出て来た。その名はシムイといって,ゲラの子で,しきりに災いを呼び求めながら出て来た。6 そして,彼はダビデとダビデ王のすべての僕たちに石を投げつけだした。民と力のある者たちは皆,彼の右と左にいた。7 そして,シムイは災いを呼び求めながら,このように言った。「出て行け,出て行け。この血の罪のある男,どうしようもないやつめ! 8 エホバは,お前が代わりに王として支配してきたそのサウルの家のすべての血の罪をお前の上に戻されたのだ。エホバはお前の子アブサロムの手に王権を渡されるのだ。それで今,お前は災いに遭っているのだ。お前は血の罪のある男だからだ!」

9 ついに,ツェルヤの子アビシャイは王に言った,「どうしてこの死んだ犬が,王なる我が主の上に災いを呼び求めてよいでしょう。どうか,わたしを向こうに行かせて,あの首をはねさせてください」。10 しかし王は言った,「ツェルヤの子らよ,あなた方はわたしと何のかかわりがあろうか。だから,彼に災いを呼び求めさせなさい。というのは,エホバが彼に,『ダビデの上に災いを呼び求めよ!』と言われたのだ。であれば,だれが,『どうしてお前はこのようにしたのか』と言えるだろう」。11 そしてダビデはさらにアビシャイと彼のすべての僕たちに言った,「見よ,わたしの内部から出た我が子が,わたしの魂を捜し求めている。まして今,このベニヤミン人としてはなおさらのことだ! 彼を構わないでおき,災いを呼び求めさせなさい。エホバが彼にそう言われたからだ! 12 多分,エホバはその目で見,エホバはこの日の彼の呪いのことばの代わりに,わたしにまさしく善いことを返してくださるだろう」。13 こうして,ダビデとその部下は道を進んで行った。一方,シムイは山腹を歩き,災いを呼び求めるため彼と並行して歩いていた。彼と並行して[進み]ながら,石を投げ続け,沢山の塵を投げた。

14 ついに,王と彼と共にいたすべての民は疲れて着いた。それで彼らはそこで英気を養った。

15 一方アブサロムとすべての民,イスラエルの人々は,エルサレムに入った。アヒトフェルも彼と共にいた。16 そして,ダビデの友,アルキ人フシャイがアブサロムのところに来るとすぐ,フシャイはアブサロムにこう言いだしたのである。「王が生き長らえますように! 王が生き長らえますように!」17 そこでアブサロムはフシャイに言った,「これがあなたの友に対するあなたの愛ある親切なのだな。なぜあなたは,あなたの友と共に行かなかったのか」。18 それで,フシャイはアブサロムに言った,「いいえ,エホバが,またこの民とイスラエルのすべての人々が選んだ方,わたしはその方のものとなりますし,その方と共にとどまるのです。19 それで再び[わたしはぜひ申し上げます]。わたしはだれに仕えましょう。その方の子の前ではありませんか。わたしはあなたの父上の前で仕えました通り,わたしはあなたの前にあるでしょう」。

20 後に,アブサロムはアヒトフェルに言った,「あなた方は,自分たちのほうで助言を述べなさい。我々はどうしたらよかろうか」。21 すると,アヒトフェルはアブサロムに言った,「あなたの父上が家の世話をさせるため後に残した,そのそばめたちと関係をお持ちなさい。そうすれば,全イスラエルはまさしく,あなたがご自分の父上にとって鼻持ちならないものになったことを聞き,あなたと共にいる者たちすべての手は,確かに強くなるでしょう」。22 こうして,彼らは屋上にアブサロムのために天幕を張った。アブサロムは全イスラエルの目の前で,その父のそばめたちと関係を持ちはじめた。

23 そして,そのころ,アヒトフェルが進言した助言は,人が[まことの]神の言葉を伺うときのようであった。すべてアヒトフェルの助言は,ダビデにとってもアブサロムにとってもそのようであった。
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聖書 サムエル記 第二 15章

聖書 サムエル記 第二 15章


15 そして,このような事があってから,アブサロムは自分のために兵車を作らせ,馬と彼の前を走る者五十人を備えさせはじめたのである。2 また,アブサロムは早く起きて,門に通じる道のわきに立った。そして,だれかが訴え事を持って,裁きのために王のもとに来ると,アブサロムはその人を呼んで,「あなたはどこの都市の者か」と言い,その人は,「この僕はイスラエルの一部族の者です」と言うのであった。3 するとアブサロムはその人に言った,「ご覧,あなたの問題は良いし,筋が通っている。だが,王からの者で,あなたの言うことを聞いてくれる者がいないのだ」。4 そしてアブサロムはさらにこう言うのであった。「ああ,わたしがこの地で裁き人に任じられていたなら,訴え事や裁き[を要する事柄]のある人は皆,わたしのもとに来れるのだが。そうすれば,わたしはきっとそのような人を正当に扱えるのだが」。

5 それにまた,人が近づいて彼に身をかがめようとすると,彼は手を差し出して,その人を捕まえ,口づけした。6 そしてアブサロムは,裁きのために王のところに来るすべてのイスラエル人にこのような事をしていた。アブサロムはイスラエルの人々の心を盗んでいた。

7 そして,四十年の終わりに,アブサロムは王にこう言いだしたのである。「どうか,私を行かせて,私がエホバに厳粛に行なった誓約をヘブロンで果たさせてください。8 この僕は,シリアのゲシュルに住んでいたとき厳粛な誓約をして,『もしエホバが間違いなく私をエルサレムに連れ戻してくださるなら,私もまたエホバに必ず奉仕致します』と申したからです」。9 それで王は彼に言った,「安心して行きなさい」。そこで彼は立ち上がって,ヘブロンへ行った。

10 さて,アブサロムはイスラエルのすべての部族の中に斥候を送って言った,「角笛の音を聞いたらすぐ,あなた方も,『アブサロムがヘブロンで王になった!』と言いなさい」。11 さて,アブサロムと共に二百人の人々がエルサレムから行ったが,呼ばれるまま,怪しまずに行った。彼らはただのひとことも知らなかった。12 さらに,犠牲をささげたとき,アブサロムは人をやって,ダビデの顧問官,ギロ人アヒトフェルをその都市ギロから呼んだ。そして,この陰謀はますます強力になってゆき,民はアブサロムと共になって引き続き増えていった。

13 やがて,ひとりの通報者がダビデのもとに来て言った,「イスラエルの人々の心はアブサロムを支援するようになりました」。14 直ちにダビデは,彼と共にエルサレムにいる僕たち全部に言った,「起きよ。逃げ去ろう。我々はだれもアブサロムのために逃れられなくなってしまうからだ! 急いで行け。彼が急いで来て,実際我々に追いつき,悪いことを我々にもたらし,剣の刃でこの都市を討つといけないからだ!」15 そこで王の僕たちは王に言った,「すべて王なる我が主の選ばれる通りに。ここにあなたの僕どもはおります」。16 それで,王はその家の者すべてを従えて出て行った。王は家の世話をさせるため,そばめである十人の女を残した。17 そして,王はすべての民を従えて出て行き,一行はベト・メルハクで止まった。

18 ときに,彼のすべての僕たちは彼の傍らを渡っていた。すべてのケレト人,すべてのペレト人,それにすべてのギト人,ガトから彼に従って来た人々六百人が王の面前で渡っていた。19 すると,王はギト人イッタイに言った,「なぜあなたも我々と共に行くのか。戻って行って,王と共にとどまりなさい。あなたは異国の者で,その上,あなたは自分の場所から流刑に処された者なのだ。20 あなたは昨日来たばかりで,今日わたしは,どこか行こうとしているところへ行くところなのに,あなたを行かせて我々と共にさまよわせるというのか。戻って行き,あなたの兄弟たちを共に連れて戻りなさい。[エホバがあなたに対して]愛ある親切と信頼できることを[表わされるように]!」21 しかしイッタイは王に答えて言った,「エホバは生きておられ,王なる我が主も生きておられます。王なる我が主のおられる所に,生死いずれのためでも,この僕も必ずそこにおります!」22 そこで,ダビデはイッタイに言った,「行って,向こうに渡りなさい」。それでギト人イッタイは,その部下全部と,彼と共にいた小さい者たちも渡って行った。

23 そして,その地の人々はみな大声を上げて泣いており,民はみな渡っていた。王はキデロンの奔流の谷のそばに立っており,民はみな荒野に通じる広々とした道を通って渡っていた。24 そして,見よ,ザドクと,彼と共にすべてのレビ人も[まことの]神の契約の箱を担いでいた。それから彼らは,民すべてが都から向こう側に渡り終えるまで,[まことの]神の箱をアビヤタルの傍らに下ろした。25 しかし王はザドクに言った,「[まことの]神の箱を都に戻しなさい。もしわたしがエホバの目に恵みを得られるなら,[神]はまた必ずわたしを連れ戻し,それとその住まう所とをわたしに見させてくださるだろう。26 しかし,もし[神]がこのように,『わたしはあなたのことを喜んではいない』と言われるのなら,わたしはここにいる。その目に善しとされる通りにわたしにしてくださるように」。27 そして王はさらに祭司ザドクに言った,「あなたは予見者だね。どうか,安らかに都に帰りなさい。また,あなた方の二人の子,あなたの子アヒマアツとアビヤタルの子ヨナタンもあなた方と共に。28 見よ,わたしは,わたしに知らせるためあなた方のもとから言葉が来るまで,荒野の渡り場のそばでゆっくりとどまることにしよう」。29 そこで,ザドクとアビヤタルは[まことの]神の箱をエルサレムに戻し,そこにとどまっていた。

30 そして,ダビデはオリーブ[山]の坂道を上って行き,その頭を覆い,上りながら泣いていた。彼ははだしで歩いていた。彼と共にいた民は皆,各々自分の頭を覆い,しきりに泣きながら上って行った。31 ときに,ダビデに対して,「アヒトフェルが,アブサロムと共に陰謀を企てている者たちの中にいる」と言う報告がもたらされた。そこでダビデは言った,「エホバよ,どうか,アヒトフェルの助言を愚かなものにしてください!」

32 そして,ダビデは,民が神に身をかがめるのを常としていた頂上に来たとき,何と,彼に会ったのはアルキ人フシャイで,その長い衣は引き裂かれ,頭には泥をかぶっていた。33 ところが,ダビデは彼に言った,「もしあなたが実際わたしと共に越えて行くなら,あなたは確かにわたしの荷になる。34 しかし,もしあなたが都に帰って,実際アブサロムに,『ああ,王よ,わたしはあなたの僕です。わたしはかつてあなたの父上の僕となり,そのころまさしく私はそうでしたが,今まさしく私はあなたの僕です』と言うなら,あなたはわたしのためにきっとアヒトフェルの助言を覆すことになる。35 あそこには祭司のザドクやアビヤタルもあなたと共にいるではないか。それで,あなたが王の家から聞く事は皆,祭司のザドクとアビヤタルに必ず告げなければならない。36 見よ,あそこには彼らと共にその二人の息子,ザドクに属するアヒマアツと,アビヤタルに属するヨナタンがいる。彼らによって,あなた方は自分たちの聞く事を皆,わたしに伝えてもらいたい」。37 それで,ダビデの友フシャイは都に入った。一方,アブサロムもエルサレムに入った。
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聖書 サムエル記 第二 14章

聖書 サムエル記 第二 14章

14 さて,ツェルヤの子ヨアブは,王の心がアブサロムに向いていることを知るようになった。2 そこでヨアブはテコアに人をやって,そこからひとりの賢い女を連れて来させ,彼女に言った,「どうか,嘆き悲しみながら行ってもらいたい。どうか,喪服で身を装いなさい。身に油を塗ってはいけない。あなたはここで,だれか死んだ人のために何日も嘆き悲しんできた女のようになるのだ。3 そして王のもとに行き,このような言葉を語るように」。そうして,ヨアブは彼女の口に言葉を置いた。

4 それからテコア人の女は王のもとに来て,地に顔を伏せてひれ伏して言った,「ああ,王よ,どうか,お救いください!」5 そこで王は彼女に言った,「どうしたのか」。これに対して彼女は言った,「実は,私はやもめ女で,私の夫は亡くなりました。6 ところで,このはしためには二人の息子がおりましたが,その二人が野で取っ組み合いを始めましたのに,ふたりを引き分けて救う者はおりませんでした。ついに一方が他方を討ち倒して,殺しました。7 すると,何と,一族全体がこのはしために向かって立ち上がり,『その兄弟を打った者を引き渡せ。あれが殺した兄弟の魂のために,あれを殺すためだ。その跡継ぎをも根絶やしにしてしまおう!』と言い続けるのでございます。そして,あの人たちは残っている私の炭火の真っ赤な輝きを必ず消して,地の表で名も残りの者も,私の夫にあてがわないようにするのでございます」。

8 すると,王は女に言った,「家に帰りなさい。わたしがあなたのことで命令を出そう」。9 そこでテコア人の女は王に言った,「王なる我が主よ,とがは私の上,また私の父の家の上にありますように。一方,王とその王座には罪がございません」。10 すると王はさらに言った,「もしあなたに話しかける者があれば,あなたはその者をもわたしのところに連れて来るように。そうすれば,その者はもう二度とあなたを傷つけることはない」。11 ところが彼女は言った,「どうか,王がご自分の神エホバを覚えられ,血の復しゅうをする者が絶えず損なうことがなく,また私の息子を根絶やしにすることがありませんように」。これに対して彼は言った,「エホバは生きておられる。あなたの息子の髪はただの一本も地に落ちることはない」。12 そこでその女は言った,「どうか,このはしために一言,王なる我が主に申し上げさせてください」。それで彼は言った,「話しなさい!」

13 すると,その女はさらに言った,「それでは,あなたはどうして神の民に向かってこのように考えられたのですか。王がこのような言葉を語っておられるのですから,ご自分が追放された者を連れ戻さないという点で,王は罪科のある者のようでございます。14 私たちは必ず死にますし,地に注ぎ落とされて,集めることのできない水のような者でございますから。しかし,神が魂を取り去られることはございませんし,追放された者がご自分のもとから追放されるべきではない理由も考え出されました。15 それに今,私が我が主なる王にこの言葉をお話しに参りましたのも,人々が私を恐れさせたからでございます。それで,このはしためは申しました,『どうか,私に,王にお話しさせてください。多分,王はこの奴隷女の言葉に基づいて行動してくださるでしょう。16 王はお聴きくださり,私と私のたった独りの息子を神により与えられた相続地から根絶やしに[しようとする]人のたなごころから,この奴隷女を救い出そうとされたからです』。17 それから,このはしためは申しました,『王なる我が主の言葉が,どうか,休みをもたらすものとなりますように』。[まことの]神のみ使いのように,王なる我が主はそのように,善いことと悪いこととを聞き分けられるからです。あなたの神エホバがあなたと共におられますように」。

18 そこで王は答えて,その女に言った,「どうか,わたしがあなたに尋ねようとしている事をわたしに隠さないでもらいたい」。これに対して女は言った,「どうか,王なる我が主がお話しくださいますように」。19 すると王はさらに言った,「この全部の事にはヨアブの手があなたと共にあるのか」。それで女は答えて言った,「王なる我が主よ,あなたの魂は生きております。王なる我が主がお話しなさったすべてのことから,だれも右にも左にも行くことはできません。私に命じたのはあなたの僕ヨアブですし,これらの言葉すべてをこのはしための口に置いたのは,まさしくあの方なのです。20 事の様相を変えるため,あなたの僕ヨアブがこの事をしたのですが,我が主は[まことの]神のみ使いの知恵のように賢くて,地にあるすべてのことをご存じなのです」。

21 後に王はヨアブに言った,「見よ,今や,わたしはまさしくこの事をしよう。それで,行って,若者アブサロムを連れ戻しなさい」。22 そこでヨアブは地に顔を伏せてひれ伏し,平伏して王を祝福した。次いでヨアブは言った,「今日,この僕は確かに,私が,王なる我が主よ,あなたの目に恵みを得ていることを知りました。それは,王がこの僕の言葉に基づいて行動されたからです」。23 そこでヨアブは立ち上がり,ゲシュルに行って,アブサロムをエルサレムに連れて来た。24 ところが,王は言った,「彼を自分の家に向かわせなさい。ただし,わたしの顔を彼は見てはならない」。それで,アブサロムは自分の家に向かったが,王の顔は見なかった。

25 さて,アブサロムと比べて,全イスラエルでそれほどまでにたたえられた美しい人はいなかった。その足の裏から頭のてっぺんまで彼には欠陥がなかった。26 そして,彼が頭をそったとき―毎年の終わりになると,彼はそるのであったが,それは彼にとって大変重かったので,彼はそったのである―その髪の毛を量ると,王室の石おもりで二百シェケルであった。27 そして,アブサロムには三人の息子と,その名をタマルという一人の娘が生まれた。彼女は容姿の極めて美しい女となった。

28 そして,アブサロムは満二年間エルサレムに住んでいたが,王の顔は見なかった。29 それで,アブサロムはヨアブのもとに人をやって彼を王のもとに遣わそうとしたが,彼は来ようとしなかった。そこで,また,二度目に人をやったが,それでも彼は来ようとしなかった。30 ついに[アブサロム]は僕たちに言った,「わたしの[土地]のそばのヨアブの一続きの土地を見よ。そこには大麦がある。行って,それを火で燃え上がらせよ」。そこでアブサロムの僕たちはその一続きの土地を火で燃え上がらせた。31 ここにおいて,ヨアブは立ち上がり,アブサロムの家に来て言った,「なぜあなたの僕たちは,わたしのものである一続きの土地を火で燃え上がらせたのか」。32 それでアブサロムはヨアブに言った,「見よ,わたしはあなたのところに人をやって言った,『ここに来てくれ。あなたを王のもとに遣わし,「なぜわたしはゲシュルから来たのでしょうか。わたしにとっては,なおそこにいたほうが良かったのです。それで今,王の顔を見させてください。もしわたしにとががあるのでしたら,わたしを殺して頂きたいのです」と言ってもらいたい』」。

33 そこでヨアブは王のもとに来て,彼に告げた。すると[王]はアブサロムを呼び寄せたので,彼はすぐ王のもとに来て平伏し,王の前で地に顔を伏せて[ひれ伏した]。その後,王はアブサロムに口づけした。
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聖書 サムエル記 第二 13章

聖書 サムエル記 第二 13章

13 そして,これらの事の後,ダビデの子アブサロムにその名をタマルという美しい妹があったが,ダビデの子アムノンは彼女を恋したのである。2 そして,それはアムノンにとって余りにも苦しかったので,彼はその妹タマルのゆえに病気になった。というのは,彼女は処女であり,アムノンの目には彼女に何をすることも困難だったからである。3 さて,アムノンには,ダビデの兄弟シムアの子で,その名をエホナダブという友があった。エホナダブは非常に賢い人であった。4 それで彼は言った,「王の子であるあなたが,どうして朝ごとに,このようにひどくふさぎ込んでいるのですか。わたしに話してくれませんか」。そこでアムノンは彼に言った,「わたしの兄弟アブサロムの妹タマルをわたしは恋しているのです」。5 そこですぐエホナダブは彼に言った,「あなたの寝床に横たわり,病気の振りをしなさい。そうすれば,あなたの父上はあなたに会おうとしてきっと来られますから,あなたはぜひこう言うのです。『どうか,わたしの妹タマルを来させ,病人のわたしにパンを与えさせてください。彼女は慰めのパンを,わたしがそれを見られるように,わたしの目の前で作るのです。わたしは彼女の手から食べることにします』」。

6 こうして,アムノンは横たわり,病気の振りをした。それで王は彼に会いにやって来た。するとアムノンは王に言った,「どうか,わたしの妹タマルを来させ,わたしの目の前で二つのハート型の菓子を焼かせてください。わたしが病人として彼女の手からパンを取るためです」。7 そこでダビデは,タマルの家に人をやって言った,「どうか,お前の兄アムノンの家に行き,彼のために慰めのパンを作ってもらいたい」。8 それで,タマルがその兄アムノンの家に行くと,彼は横たわっていた。そこで,彼女は練り粉を取ってそれをこね,彼の目の前で菓子を作り,ハート型の菓子をこしらえた。9 最後に彼女は深なべを取り,それを彼の前で空けたが,アムノンは食べようとはせず,「みんなをわたしのところから出て行かせなさい!」と言った。それで,みな彼のところから出て行った。

10 そこでアムノンはタマルに言った,「慰めのパンを奥の部屋に持って来てくれ。わたしが病人としてお前の手からそれを取るためだ」。それで,タマルは自分の作ったハート型の菓子を取り,それを奥の部屋の兄アムノンのところへ持って行った。11 彼女が食べさせようとして彼に近づくと,彼はいきなり彼女を捕まえて言った,「わたしの妹よ,さあ,わたしと寝てくれ」。12 ところが,彼女は言った,「いけません,お兄様! 私を辱めないでください。イスラエルではそのようにするのは尋常なことではありませんので。こんな不面目な愚行をしないでください。13 それに,私は―この恥辱をどこに行かせましょう。それに,あなたは―イスラエルで無分別な者の一人になるでしょう。ですから今,どうか,王に話してください。[王]は私をあなたに与えることをお控えなさらないでしょうから」。14 それなのに,彼はその声に聴き従おうとはせず,かえって彼女に勝る力を用いて,彼女を辱め,これと寝た。15 ところが,アムノンは非常に大きな憎しみにかられて彼女を憎みはじめた。それは彼女を憎んだその憎しみが,彼女を愛したその愛よりも大きかったからである。そのため,アムノンは彼女に言った,「起きて,出て行け!」16 そこで彼女は言った,「それはなりません,お兄様。私を追い払おうとするこの悪は,あなたが私としたもう一つのものよりも大きいからです!」 それでも彼は彼女[の言うこと]に聴き従おうとはしなかった。

17 そこで,彼は自分に仕えている従者を呼んで言った,「この人を,どうか,わたしのもとから外に追い払って,その後ろで扉に錠を下ろしてもらいたい」。18 (ところで,彼女は身にしま模様のある長い衣を着けていた。処女である王の娘たちはそのようにそでなしの上着で装うのが常だったのである。)それで,彼に仕える者が彼女を外に連れ出し,その後ろで扉に錠を下ろした。19 するとタマルはその頭に灰を載せ,身に着けていたしま模様のある長い衣を引き裂いた。彼女はその手を頭に置いたまま歩み去ってゆき,歩きながら泣き叫んだ。

20 そこで,その兄アブサロムは彼女に言った,「お前と一緒にいたのはお前の兄アムノンだったのか。だが今は,妹よ,黙っていなさい。あれはお前の兄なのだ。この事に心を留めないがよい」。それでタマルは,[他の人々との]交わりから遠ざけられたまま,その兄アブサロムの家に住むようになった。21 そして,ダビデ王は,これらの事柄をことごとく聞き,非常に怒った。22 それでもアブサロムはアムノンに悪いとも善いとも言わなかった。アブサロムは,アムノンが妹タマルを辱めたことで彼を憎んでいたからである。

23 それから満二年たったときのこと,エフライムのすぐそばにあるバアル・ハツォルで,アブサロムのところには羊の毛を刈る者たちがいた。それでアブサロムは王の子たちすべてを招いた。24 そこでアブサロムは王のもとに来て言った,「さあ,お願いです,この僕のところには羊の毛を刈る者たちがおります! どうか,王も,またその僕たちも,この僕と共においでください」。25 しかし王はアブサロムに言った,「いや,我が子よ! 我々全部は行くまい。あなたの重荷となってはいけない」。彼はしきりに促したが,[王]は行こうとはせず,ただ彼を祝福した。26 ついにアブサロムは言った,「もし[おいでになら]ないのでしたら,どうか,私の兄弟アムノンを私たちと共に行かせてください」。そこで王は彼に言った,「なぜ彼があなたと共に行かなければならないのか」。27 ところが,アブサロムが促すようになったので,[王]はアムノンと王の息子たち全部を彼と共に遣わした。

28 それから,アブサロムは従者たちに命じて言った,「どうか,よく見ていてくれ。アムノンの心がぶどう酒で楽しい気分になったらすぐ,わたしは必ずお前たちに,『アムノンを討ち倒せ!』と言うから,そのときお前たちは彼を殺すのだ。恐れてはならない。わたしがお前たちに命じたのではないか。強くあって,勇敢な者となれ」。29 そこでアブサロムの従者たちは,アブサロムが命じた通りにアムノンにしたので,王のほかの息子たちは皆,立ち上がり,各々自分のらばに乗って逃げ去った。30 そして,彼らが道の途中にいたとき,「アブサロムが王の子たちをみな討ち倒したので,ただの一人も残されていない」という報告がダビデのもとに届いたのである。31 そこで王は起き上がり,その着物を引き裂き,地の上に横になった。その僕たちもみな衣を引き裂いたまま傍らに立っていた。

32 ところが,ダビデの兄弟シムアの子エホナダブは答えて言った,「我が主は,王の子たちである若者すべてを彼らが殺したのだとはお思いになりませんように。死んだのはアムノンだけなのです。アブサロムの命令で,それは彼が妹タマルを辱めた日から定められていたこととして起きたからです。33 ですから今,王なる我が主は,『王の子らがみな死んだ』という言葉を心に留められませんように。死んだのはアムノンだけなのです」。

34 その間にアブサロムは逃げ去って行った。後に,見張りの者である若者が目を上げて見ると,見よ,彼の後ろの山腹の傍らの道から多くの人々がやって来るところであった。35 そこでエホナダブは王に言った,「ご覧ください,王のご子息たちが来られました。この僕の言葉通り,そのようになりました」。36 そして,彼が話し終えるや,見よ,王の子たちがやって来て,声を上げて泣きはじめたのである。王も,その僕たちも皆,非常に激しく泣いた。37 一方アブサロムは逃げ去って,ゲシュルの王アミフドの子タルマイのもとに行った。そして,[ダビデは]日々ずっとその子のために嘆き悲しんでいた。38 アブサロムの方は逃げ去って,ゲシュルに進んで行った。彼は三年間そこにいた。

39 ついに,王ダビデ[の魂]はアブサロムのもとに出て行くことを切望した。彼はアムノンに関し自らを慰めたのである。それは彼が死んでいたからである。
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2007年06月28日

聖書 サムエル記 第二 12章

聖書 サムエル記 第二 12章

12 そこでエホバはナタンをダビデのもとに遣わされた。そこで彼はそのもとに来て言った,「ある都市に二人の人がおり,ひとりは富んだ人,もうひとりは資力の乏しい人でした。2 富んだ人は非常に多くの羊や牛を持っていましたが,3 資力の乏しい人には,自分で買った小さなものである一頭の雌の子羊のほかは,何もありませんでした。そして彼はそれを生かしておき,それは彼とその子らと共に,皆一緒に成長していきました。それは彼のわずかばかりのものから食べ,その杯から飲み,彼の懐で寝ていたのです。それは彼にとって娘のようになりました。4 しばらくして,ひとりの訪問者が富んだ人のところに来ましたが,彼は自分の羊や牛の中からあるものを取って,自分のところに来た旅人のためにそれを調えるのを惜しみました。そこで,彼は資力の乏しい人の雌の子羊を取って,自分のところに来た人のためにそれを調えました」。

5 ここにおいて,ダビデの怒りはその人に対して非常に激しく燃えたので,彼はナタンに言った,「エホバは生きておられる。そんなことをした男は死に値する! 6 また,そのような事をしたからには,しかも同情しなかったのだから,その男はその雌の子羊のために四頭で償いをすべきだ」。

7 そこでナタンはダビデに言った,「あなたがその人です! イスラエルの神エホバはこのように言われました。『わたしがあなたに油をそそいでイスラエルの王とし,わたしがあなたをサウルの手から救い出した。8 それに,わたしは喜んであなたにあなたの主の家を,またあなたの主の妻たちをあなたの懐に与え,あなたにイスラエルとユダの家を与えた。また,もしそれでも足りないというのであれば,わたしは喜んでこのようなものや他のものをあなたに増し加えたであろう。9 どうしてあなたはエホバの目に悪いことを行なって,その言葉を侮ったのか。ヒッタイト人ウリヤをあなたは剣で討ち倒し,その妻を自分の妻として取り,彼をアンモンの子らの剣で殺したのだ。10 それで今や,剣は定めのない時までもあなたの家を離れない。あなたがわたしを侮って,ヒッタイト人ウリヤの妻を取り,自分の妻としたからである』。11 エホバはこのように言われました。『見よ,わたしはあなたに対して,あなたの家から災いを起こそうとしている。わたしはあなたの妻たちをあなたの目の前で取り上げ,あなたの仲間の者に与えよう。その人は必ずこの太陽の下で公然とあなたの妻たちと寝るようになる。12 あなたはひそかにしたが,わたしは全イスラエルの前,太陽の前でこの事を行なうであろう』」。

13 そこでダビデはナタンに言った,「わたしはエホバに対して罪をおかした」。するとナタンはダビデに言った,「エホバもまた,確かにあなたの罪を見逃されます。あなたは死ぬことはありません。14 それにしても,あなたはこの事によって,疑いもなく不敬な仕方でエホバを扱ったので,あなたに生まれたばかりのその子は,必ず死ぬでしょう」。

15 それからナタンは自分の家に帰った。

次いでエホバは,ウリヤの妻がダビデに産んだ子供を撃たれたので,その子は病気になった。16 それで,ダビデはその子のために[まことの]神を求めはじめた。ダビデは厳重な断食を続け,入って夜を過ごし,地の上に横たわった。17 そこで,彼の家の年長者たちは彼の周りに立って,彼を地から起こそうとしたが,彼はそれに応じず,彼らと一緒にパンを取ることもしなかった。18 そして,七日目に,子供はとうとう死んだのである。ところが,ダビデの僕たちは,その子供が死んだことを彼に告げるのを恐れた。「見よ,子供がなお生きていたとき,確かに我々は話しかけたが,我々の声を聴いてくださらなかった。であれば,どうして,『子供は死にました』と言えようか。そうなれば,[王]はきっと何か悪いことをなさるだろう」と,彼らは言ったのである。

19 ダビデはその僕たちがささやき合っているのを見ると,ダビデは子供が死んだことを悟るようになった。それでダビデは僕たちに言った,「子供は死んだのか」。これに対して彼らは言った,「亡くなりました」。20 するとダビデは地から起き上がり,身を洗って油を塗り,マントを着替えて,エホバの家に来て,伏し拝んだ。その後,彼は自分の家に入って求めたので,人々は早速彼の前にパンを置き,彼は食べはじめた。21 それゆえ,その僕たちは彼に言った,「あなたのなさったこの事はどういうことですか。お子様が生きていた間はその子のためにあなたは断食して泣いておられたのに,お子様が亡くなられるとすぐ,起き上がり,パンを食べはじめられました」。22 これに対して彼は言った,「子供がなお生きていた間は,わたしは確かに断食し,泣き続けた。それは,『エホバがわたしに恵みを示してくださり,子供が果たして生きるかどうかを知っている者がだれかいるだろうか』と思ったからだ。23 しかしもう死んでしまった以上,どうしてわたしは断食をするのか。わたしはあの子をもう一度連れ戻せるだろうか。わたしはあの子のところへ行こうとしているが,あの子はわたしのところに戻っては来ない」。

24 ときに,ダビデはその妻バテ・シバを慰めるようになった。さらに,彼は彼女のところに入り,彼女と寝た。やがて彼女は男の子を産み,その名はソロモンと呼ばれるようになった。そしてエホバは,確かにその子を愛された。25 そこで[神]は預言者ナタンによって伝えさせ,エホバのために,その子の名をエディデヤと呼ばせた。

26 ときに,ヨアブはアンモンの子らのラバと戦いを続け,その王国の都市をついに攻め取った。27 そこでヨアブは使者をダビデに送って言った,「わたしはラバと戦いました。わたしはまた,水の都市を攻め取りました。28 ですから今,民の残りを集め,この都市に対して陣営を敷き,これを攻め取ってください。わたしがこの都市を攻め取る者とならないため,またわたしの名がそれに付されてとなえられるようなことのないためです」。

29 こうしてダビデはすべての民を集めてラバに行き,これと戦って,これを攻め取った。30 そして,彼はマルカムの冠をその頭から取り去った。その重さは金一タラントで,宝石が付いていた。それはダビデの頭に置かれた。そして,彼が運び出したその都市の分捕り物は非常に多かった。31 そして,その中にいた民を,彼は連れて来て,石のこぎりや鉄の鋭利な道具や鉄の斧[を使う仕事]に就かせ,彼らをれんが作りに従事させた。こうして,彼はアンモンの子らのすべての都市にこのようにするのであった。ついに,ダビデと民のすべてはエルサレムに帰った。
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聖書 サムエル記 第二 11章

聖書 サムエル記 第二 11章

11 そして,年が改まり,王たちが打って出るころ,ダビデはヨアブと自分と共にいた僕たちと全イスラエルとを遣わしたのである。彼らがアンモンの子らを滅びに陥れ,ラバを包囲するためであった。しかしダビデはエルサレムにとどまっていた。

2 そして,夕暮れ時,ダビデはその床から起きて,王の家の屋上を歩き回ったのである。そして屋上から,ひとりの女が身を洗っているのを見かけた。その女は容姿が非常に良かった。3 そこでダビデは人をやり,その女について尋ねさせたところ,「これはヒッタイト人ウリヤの妻で,エリアムの娘バテ・シバではありませんか」と,ある者が言った。4 その後,ダビデは彼女を迎えるため使者を遣わした。こうしてその女は彼のところに入ったので,彼はその女と寝た。ときに,その女は汚れから身を神聖なものとしていたのである。後に,彼女は自分の家に帰った。

5 そして,その女は身ごもった。それゆえ彼女は人をやって,ダビデに告げて言った,「私は身ごもりました」。6 そこでダビデはヨアブのもとに人をやって,「ヒッタイト人ウリヤをわたしのところに送れ」と言わせた。それでヨアブはウリヤをダビデのところに送った。7 ウリヤが彼のところに来ると,ダビデは,ヨアブはどうしているか,民はどうしているか,戦いはどうなっているかと尋ねはじめた。8 最後にダビデはウリヤに言った,「家に下って行き,あなたの足を洗いなさい」。こうしてウリヤが王の家から出て行くと,王の好意の贈り物がその後に続いた。9 ところが,ウリヤは王の家の入口のところで,その主のほかの僕たち皆と共に寝た。自分の家には下って行かなかった。10 それで彼らはダビデに告げて言った,「ウリヤは自分の家に下って行きませんでした」。そこですぐダビデはウリヤに言った,「あなたは旅をして来たのではないのか。どうして自分の家に下って行かなかったのか」。11 そこでウリヤはダビデに言った,「箱もイスラエルもユダも仮小屋にとどまっていますし,我が主ヨアブも我が主の僕たちも野の面で野営しております。それなのに,私が―私が自分の家に行って,飲み食いし,妻と寝るのでしょうか。あなたは生きておられ,あなたの魂は生きています。私はそのような事は致しません!」

12 それでダビデはウリヤに言った,「今日も,ここにとどまりなさい。明日,わたしはあなたを送り出そう」。ゆえにウリヤはその日と翌日,エルサレムにとどまっていた。13 さらに,ダビデは彼を呼び寄せて,自分の前で食べたり飲んだりさせた。こうして,彼を酔わせた。それでも,彼は夕方,出て行って,その主の僕たちと共にその寝床で寝,自分の家には下って行かなかった。14 そこで,朝になって,ダビデはヨアブにあてて手紙を書き,ウリヤの手に託してそれを送ったのである。15 それでダビデはその手紙に書いて,こう言った。「ウリヤを戦いの最も激しい前線に置け。あなた方は彼の後ろから退却し,彼が討ち倒されて死ぬようにするのだ」。

16 そして,ヨアブがその都市を見張っていたとき,彼は勇敢な者たちがいるのを自分で知っている場所に,ウリヤをずっと置いたのである。17 その都市の人々が出て来て,ヨアブと戦うようになったとき,民のうちのある者たち,ダビデの僕たちが倒れ,ヒッタイト人ウリヤもまた死んだ。18 そこでヨアブは人をやって,戦いの状況をことごとくダビデに報告させることにした。19 そこで彼は使者に命じて言った,「戦いの状況をことごとく王に話し終えるや,20 もし王の激怒が起こり,[王]が実際お前に,『どうしてお前たちはその都市にそんなに近寄って戦わなければならなかったのか。城壁の上から彼らが射ることを知らなかったのか。21 エルベシェトの子アビメレクを討ち倒したのはだれだったのか。ひとりの女が城壁の上から臼の上石を投げつけたので,彼はテベツで死んだのではなかったか。なぜそんなに城壁に近寄らなければならなかったのか』と言われたなら,お前もまた,『あなたの僕,ヒッタイト人ウリヤもまた死にました』と言うのだ」。

22 こうして使者は出かけ,ダビデのもとに来て,ヨアブが彼を遣わしたことにつきすべてを告げた。23 次いで使者はダビデに言った,「それらの人々はわたしたちより勝っていたので,彼らはわたしたちに向かって野に出て来ましたが,わたしたちは彼らを門の入口に至るまで押しやって行きました。24 すると,射手たちが城壁の上からあなたの僕たちを射つづけたので,王の僕のうちのある者たちは死にました。それに,あなたの僕,ヒッタイト人ウリヤもまた死にました」。25 そこでダビデは使者に言った,「お前はヨアブにこのように言いなさい。『この事があなたの目に悪いことと映らないようにせよ。剣は一方の者も,他方の者も食らい尽くすものだ。その都市に対する戦いを激しくし,それを破壊せよ』。そして彼を励ましなさい」。

26 ところで,ウリヤの妻はその夫ウリヤが死んだことを聞いて,自分の所有者のために悼み悲しむようになった。27 喪の期間が過ぎると,ダビデは直ちに人をやって,彼女を自分の家に引き取り,彼女はその妻となった。やがて彼女は彼に男の子を産んだ。しかしダビデのした事はエホバの目には明らかに悪いことであった。
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聖書 サムエル記 第二 10章

聖書 サムエル記 第二 10章

10 そして,その後,アンモンの子らの王が死んで,その子ハヌンが彼の代わりに治めはじめたのである。2 そこでダビデは言った,「わたしはナハシュの子ハヌンに対して愛ある親切を表わそう。彼の父がわたしに対して愛ある親切を表わしてくれたように」。こうしてダビデは僕たちによってその父のことで彼を慰めようとして人をやった。そこでダビデの僕たちはアンモンの子らの地に入った。3 ところが,アンモンの子らの君たちはその主ハヌンに言った,「ダビデはあなたのもとに慰める者たちを送ってよこしたからといって,あなたの目にあなたの父上を敬っているのでしょうか。ダビデがその僕たちをあなたのもとに送ってよこしたのは,この都市をくまなく探り,ひそかにうかがって覆すためではありませんか」。4 それでハヌンはダビデの僕たちを捕らえ,そのあごひげを半分そり落とし,その衣を尻のあたりまで半分に切って,彼らを送り返した。5 後に,人々はそのことをダビデに報告したので,彼はすぐにそれらの者を迎えに人をやった。それは,その人たちが非常に辱められたと感じていたからである。そこで王は言った,「あなた方のあごひげが十分伸びるまでエリコにとどまりなさい。それから,あなた方は帰って来るように」。

6 そのうちに,アンモンの子らは,自分たちがダビデにとって鼻持ちならないものとなったのを見て取った。そこでアンモンの子らは人をやって,ベト・レホブのシリア人とツォバのシリア人,徒歩の者二万人,マアカの王[と]一千人,イシュトブ,一万二千人を雇った。7 ダビデはそれを聞くと,ヨアブと全軍[および]力のある者たちを送った。8 するとアンモンの子らは出て来て,門の入口で戦闘隊形を整えはじめた。また,ツォバとレホブのシリア人,およびイシュトブとマアカは別に原野にいた。

9 ヨアブは戦いの前線が前と後ろから自分に向かっているのを見て取ると,すぐにイスラエルの中のすべての精鋭から何人かを選んで,シリア人に立ち向かうよう隊形を整えさせた。10 そして民の残りは,自分の兄弟アビシャイの手に託した。アンモンの子らに立ち向かうよう隊形を整えさせるためであった。11 そして彼はさらに言った,「もしシリア人がわたしにとって強すぎるなら,あなたはわたしを救う者となってくれ。しかし,もしアンモンの子らが,あなたにとって強すぎるなら,わたしも必ずあなたを救いに行く。12 強くあれ。我々の民のため,我々の神の諸都市のために勇気を奮うためだ。エホバは,ご自分の目に良いことを行なわれる」。

13 それから,ヨアブと彼と共にいた民はシリア人との戦いに進んだが,[シリア人]は彼の前から逃げて行った。14 アンモンの子らは,シリア人が逃げたのを見て,彼らもアビシャイの前から逃げ去り,都市に入った。その後,ヨアブはアンモンの子らのところから引き返して,エルサレムに来た。

15 シリア人は自分たちがイスラエルの前に撃ち破られたのを見ると,寄り集まるようになった。16 そこで,ハダドエゼルは人をやって,川の地方にいたシリア人を連れ出したので,彼らはヘラムに来た。ハダドエゼルの軍の長ショバクが彼らの前にいた。

17 この報告がダビデにもたらされると,彼は直ちに全イスラエルを集め,ヨルダンを渡って,ヘラムに行った。そこでシリア人はダビデに立ち向かうため隊形を整え,彼と戦いはじめた。18 そして,シリア人はイスラエルの前から逃げ去った。こうしてダビデはシリア人のうち兵車の御者七百人と騎手四万人を殺した。また,彼らの軍の長ショバクを討ち倒したので,彼はそこで死んだ。19 そのすべての王たち,ハダドエゼルの僕たちは,自分たちがイスラエルの前に撃ち破られたのを見ると,速やかにイスラエルと和を講じ,これに仕えるようになった。シリア人は恐れて,それ以上アンモン人を救おうとはしなかった。
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聖書 サムエル記 第二 9章

聖書 サムエル記 第二 9章

9 それからダビデは言った,「サウルの家に残されている者で,わたしがヨナタンのために,その者に対して愛ある親切を表わせる人が,なおだれかいるか」。2 さて,サウルの家には,その名をヂバという僕がいた。それで人々は彼をダビデのもとに呼び寄せた。すると王は彼に言った,「お前がヂバか」。すると彼は言った,「私はあなたの僕でございます」。3 そこで王はさらに言った,「サウルの家にはもはや,わたしが神の愛ある親切を表わせる者はだれもいないのか」。そこで,ヂバは王に言った,「まだ,ヨナタンの子で,足のなえた者がおります」。4 すると王は彼に言った,「彼はどこにいるのか」。それでヂバは王に言った,「ご覧ください,彼はロ・デバルのアミエルの子マキルの家におります」。

5 直ちにダビデ王は人をやって,ロ・デバルのアミエルの子マキルの家から彼を連れて来させた。6 サウルの子ヨナタンの子メピボセテはダビデのもとに来ると,直ちに顔を伏せてひれ伏し,平伏した。するとダビデは言った,「メピボセテ!」 それに対して彼は言った,「ここに僕がおります」。7 すると,ダビデはさらに言った,「恐れることはない。わたしは必ず,あなたの父ヨナタンのために,あなたに対して愛ある親切を表わすからだ。わたしはあなたの祖父サウルのすべての畑を必ずあなたに返す。あなたは,いつもわたしの食卓でパンを食べるのだ」。

8 そこで彼は平伏して言った,「この僕が何者だというので,あなたは私のような死んだ犬に顔を向けてくださったのですか」。9 そこで王は,サウルの従者ヂバを呼び寄せて,彼に言った,「サウルとその全家のものとなっていたあらゆるものを,わたしはまさしくあなたの主人の孫に与える。10 そして,あなたは彼のために,あなたも,あなたの子らも,あなたの僕たちもその土地を耕し,あなたは取り入れを行なわなければならず,それは必ずあなたの主人の孫[に属する者たち]のための食物となり,彼らは必ず[それを]食べることになる。だが,あなたの主人の孫メピボセテは,いつもわたしの食卓でパンを食べることになる」。

さて,ヂバには十五人の息子と二十人の僕がいた。11 それでヂバは王に言った,「すべて王なる我が主がこの僕にお命じになることにしたがい,そのようにこの僕は致します。それにしても,メピボセテは王の子の一人のようにわたしの食卓で食べております」。12 ところで,メピボセテには,その名をミカという幼い息子がいた。ヂバの家に住んでいる者たちはみなメピボセテの僕であった。13 そして,メピボセテは,エルサレムに住んでいた。いつも王の食卓で,彼は食べていたからである。彼は両足が共になえていた。
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聖書 サムエル記 第二 8章

聖書 サムエル記 第二 8章

8 そして,その後,ダビデはフィリスティア人を討ち倒して,これを屈服させたのである。こうしてダビデはフィリスティア人の手からメテグ・アマを取った。

2 そして[ダビデ]はまたモアブ人を討ち倒し,これを地に横たわらせて縄で測った。それは,縄二本分を測ってこれを殺し,一本の縄いっぱいに[測って]これを生かしておくためであった。こうしてモアブ人は貢ぎ物を携えるダビデの僕となった。

3 そしてダビデはさらに,ツォバの王レホブの子ハダドエゼルがユーフラテス川のほとりで再びその支配力を取り戻そうとして出て来たとき,彼を討ち倒した。4 そして,ダビデは彼から騎手千七百人と徒歩の者二万人を捕らえることになった。次いでダビデはすべての兵車の馬のひざ腱を切ったが,そのうち兵車の馬百頭は残しておいた。

5 ダマスカスのシリアがツォバの王ハダドエゼルを助けに来たとき,ダビデはそのシリア人の中で二万二千人を討ち倒した。6 さらに,ダビデはダマスカスのシリアに守備隊を置いた。シリア人は貢ぎ物を携えるダビデの僕となった。そしてエホバは,ダビデがどこへ行っても,引き続き彼を救われた。7 その上,ダビデはハダドエゼルの僕たちの身に付いていた金の円盾を取り,それをエルサレムに持って来た。8 そして,ハダドエゼルの都市,ベタハとベロタイから,ダビデ王は非常におびただしい量の銅を奪い取った。

9 さて,ハマトの王トイは,ダビデがハダドエゼルのすべての軍勢を討ち倒したことを聞いた。10 それで,トイはその子ヨラムをダビデ王のもとによこして,その安否を尋ねさせ,[ダビデ]がハダドエゼルと戦ってこれを討ち倒したことで祝いを述べさせた(ハダドエゼルはトイとの戦いに慣れていたからである)。その手には銀の品,金の品,銅の品があった。11 それらをもまた,ダビデ王は彼が屈服させた諸国民すべてから取って神聖なものとした銀や金と一緒に,エホバに神聖なものとしてささげた。12 すなわち,シリア,モアブ,アンモンの子ら,フィリスティア人,アマレクからのもの,ツォバの王レホブの子ハダドエゼルの分捕り物からのものであった。13 次いでダビデは“塩の谷”でエドム人を討ち倒して帰って来たとき,名を揚げた―一万八千[人]であった。14 そして彼はエドムに守備隊を置いていた。エドム全土に彼は守備隊を置き,エドム人はみなダビデの僕となった。エホバは,ダビデがどこへ行っても,いつも彼を救われた。

15 こうして,ダビデは全イスラエルを治め続けた。ダビデは引き続きそのすべての民のために司法上の裁きと義を行なっていた。16 そして,ツェルヤの子ヨアブは軍をつかさどる者であった。アヒルドの子エホシャファトは記録官であった。17 そして,アヒトブの子ザドクとアビヤタルの子アヒメレクは祭司であり,セラヤは書記官であった。18 それに,エホヤダの子ベナヤはケレト人とペレト人[をつかさどる者であった]。ダビデの子らは,祭司になった。
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聖書 サムエル記 第二 7章

聖書 サムエル記 第二 7章

7 そして,王は自分の家に住み,エホバが周りのそのすべての敵から彼を守って休ませられたとき,2 王は預言者ナタンにこう言うのであった。「さあ,見よ。わたしは杉の家に住んでいるが,[まことの]神の箱は天幕布のただ中にとどまっている」。3 するとナタンは王に言った,「すべてあなたの心にあることを―さあ,行ないなさい。エホバはあなたと共におられるのですから」。

4 そして,その夜,エホバの言葉がナタンに臨んで,こう言ったのである。5 「行って,わたしの僕ダビデにこう言うように。『エホバはこのように言われた。「あなたがわたしにわたしの住む家を建てるというのか。6 わたしは,イスラエルの子らをエジプトから連れ上った日より今日まで家に住んだことはなく,いつも天幕,すなわち幕屋の中で歩き回っていたのである。7 わたしがイスラエルのすべての子らの中を歩き回ってきた間中,わたしが,わたしの民イスラエルを牧するよう命じたイスラエルの部族の一つと話して,『あなた方はなぜわたしに杉の家を建てなかったのか』と言った言葉が一言でもあっただろうか」』。8 それで今,あなたはわたしの僕ダビデにこのように言うのだ。『万軍のエホバはこのように言われた。「わたしがあなたを牧草地から,羊の群れを追うところから取って,わたしの民イスラエルの指導者とした。9 それでわたしは,あなたがどこへ行こうとも,あなたと共にいるであろう。わたしはあなたの前からあなたのすべての敵を断ち滅ぼそう。わたしは必ず,地にいる大いなる者たちの名のような大いなる名をあなたのために作るであろう。10 そして,わたしは必ず,わたしの民イスラエルのために一つの場所を定め,彼らを植えるであろう。彼らはまさしくそのいる所に住まい,もはや動揺することはない。不義の子らが,初めにしたように,再び彼らを苦しめることはない。11 それはわたしが,わたしの民イスラエルを指揮するよう裁き人を立てた日以来のことである。わたしはあなたをすべての敵から守って休ませよう。

「『「そして,一つの家をエホバはあなたのために造ると,エホバはあなたにお告げになった。12 あなたの日が満ち,あなたがまさしくあなたの父祖たちと共に横たわるとき,わたしは必ずあなたの内部から出るあなたの胤をあなたの後に起こす。わたしは本当に彼の王国を堅く立てる。13 彼こそわたしの名のために家を建てる者である。わたしは必ず彼の王国の王座を定めのない時までも堅く立てる。14 わたしは彼の父となり,彼はわたしの子となる。彼が不当なことをするときには,わたしもまた,人の杖,アダムの子らのむち打ちをもって彼を戒めよう。15 しかしわたしの愛ある親切は,わたしがあなたのゆえに除いたサウルからそれを除いたように,彼から離れることはない。16 そして,あなたの家とあなたの王国は確かにあなたの前に定めのない時までも動くことがない。あなたの王座は,定めのない時までも堅く立てられたものとなる」』」。

17 これらのすべての言葉と,このすべての幻とにしたがって,そのようにナタンはダビデに話した。

18 そこでダビデ王は入って,エホバの前に座って言った,「主権者なる主エホバよ,私は何者なのでしょう。また,私の家は何でしょう。あなたがここまで私を導かれるとは。19 主権者なる主エホバよ,これはあなたの目にはまるで取るに足りないものですのに,それでもあなたはまた,この僕の家に関して遠い将来の時代にわたる[こと]まで話されるのです。主権者なる主エホバよ,これは人間のために与えられた律法なのです。20 それで,ダビデはこの上あなたに何を付け加えてお話しできましょう。主権者なる主エホバよ,あなたがこの僕をよくご存じなのです。21 あなたの言葉のために,またご自分の心にしたがって,あなたはこれらの大いなることすべてを行なって,この僕にそれを知らせてくださいました。22 ですから,主権者なる主エホバよ,あなたはまことに大いなる方です。あなたのような方はほかになく,私たちが耳で聞いた者のすべての中にあなたのほかに神はないからです。23 それに,地のどんな一国民があなたの民イスラエルのようでしょう。神は行って,彼らを一つの民としてご自身のために請け戻し,名声を博し,彼らのために大いなる,畏怖の念を起こさせること―エジプトからご自身のために請け戻したご自分の民のゆえに,諸国民とその神々を追い出すことをなさいました。24 こうして,あなたはご自分の民イスラエルをご自身のためにあなたの民として定めのない時までも堅く立てられました。エホバよ,あなたが彼らの神となられました。

25 「それで今,エホバ神よ,あなたがこの僕とその家とに関して語られた言葉を定めのない時までも果たし,お話しくださった通りに行なってください。26 そして,あなたのみ名が定めのない時までも大いなるものとなり,『万軍のエホバはイスラエルの神』と言われ,この僕ダビデの家があなたの前に堅く立てられますように。27 イスラエルの神なる万軍のエホバ,あなたはこの僕の耳に啓示を示して,『あなたのためにわたしは家を建てる』と言われたからです。ですから,この僕は,この祈りをもってあなたに祈る心を取り戻したのです。28 それで今,主権者なる主エホバよ,あなたこそ[まことの]神であられます。あなたの言葉については,それが真実となりますように。あなたはこの僕にこの良いことを約束しておられるのですから。29 それで今,それを引き受けて,この僕の家を祝福し,み前に定めのない時までも続くようにしてください。主権者なる主エホバよ,あなたが約束してくださったのですから。あなたの祝福のゆえに,この僕の家が定めのない時までも祝福されますように」。
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聖書 サムエル記 第二 6章

聖書 サムエル記 第二 6章

6 次いでダビデは再び,イスラエルのすべての精鋭,三万人を集めた。2 そこで,ダビデおよび彼と共にいた民すべては,[まことの]神の箱をバアレ・ユダから運び上ろうとして,立ち上がってそこに行った。それは名,すなわちケルブたちの上に座しておられる万軍のエホバの名をもってとなえられている。3 ところが,彼らは[まことの]神の箱を新しい車の上に載せた。丘の上にあったアビナダブの家から,それを運ぶためであった。アビナダブの子,ウザとアフヨが新しい車を導いていた。

4 それで彼らは,丘の上にあったアビナダブの家からそれを―[まことの]神の箱と共に運んだ。アフヨは箱の前を歩いていた。5 そしてダビデとイスラエルの全家はねず材のあらゆる楽器と,たて琴と,弦楽器と,タンバリンと,シストラムと,シンバルをもってエホバの前に祝っていた。6 こうして,彼らはやがてナコンの脱穀場まで来た。するとウザは[まことの]神の箱に[手を]出して,それを捕まえた。牛がひっくり返しそうになったからである。7 すると,エホバの怒りがウザに対して燃え盛り,[まことの]神はその不敬な行為のためにそこで彼を打ち倒されたので,彼はそこで,[まことの]神の箱のすぐそばで死んだ。8 そこでダビデは,エホバがウザに向かって突如憤激されたために怒った。それで,その場所はペレツ・ウザと呼ばれて,今日に至っている。9 そしてダビデはその日,エホバを恐れて,「どのようにしてエホバの箱がわたしのところに来るのだろう」と言いだした。10 それで,ダビデはエホバの箱を“ダビデの都市”の自分のところに移そうとはしなかった。そこでダビデはそれをギト人オベデ・エドムの家に回した。

11 そして,エホバの箱はギト人オベデ・エドムの家に三か月間とどまっていた。エホバはオベデ・エドムとその家の者すべてを祝福し続けられた。12 ついに,「エホバは,[まことの]神の箱のゆえにオベデ・エドムの家と彼に属する者すべてを祝福された」という報告がダビデ王にもたらされた。そこでダビデは行って,歓びを抱いて[まことの]神の箱をオベデ・エドムの家から“ダビデの都市”まで運び上った。13 そして,エホバの箱を担ぐ者たちが六歩行進すると,彼は直ちに牛と肥えた家畜の犠牲をささげるのであった。

14 そして,ダビデはエホバの前に力の限り踊り回っていた。その間ずっと,ダビデは亜麻布のエフォドをまとっていた。15 そして,ダビデとイスラエルの全家は,歓声を上げ,角笛を鳴らしながら,エホバの箱を運び上っていた。16 そして,エホバの箱が“ダビデの都市”に入ったとき,サウルの娘ミカルが窓から見下ろして,ダビデ王がエホバの前に跳ねたり踊り回ったりしているのを見,心の中で彼を侮るようになったのである。17 こうして彼らはエホバの箱を運び入れ,ダビデがそのために張った天幕の中のその場所に据えた。その後,ダビデはエホバの前で焼燔の犠牲と共与の犠牲をささげた。18 ダビデは焼燔の犠牲と共与の犠牲をささげ終えると,万軍のエホバの名によって民を祝福した。19 さらに,彼はすべての民,イスラエルの全群衆に,男にも女にも,各々に輪型のパン菓子一個,なつめやしの菓子一個,干しぶどうの菓子一個を分け与えた。その後,民はみな各々自分の家に帰った。

20 さて,ダビデが自分の家の者を祝福するために戻ると,サウルの娘ミカルがダビデを迎えに出て来て,こう言った。「イスラエルの王は今日,無知な者たちの一人が丸裸になるように,ご自分の僕の奴隷女たちの目に今日,裸になって,ご自分を何と栄光ある者とされたのでしょう」。21 そこでダビデはミカルに言った,「それは,あなたの父やその家の者すべてよりも,むしろわたしを選んで,指導者としてエホバの民イスラエルを指揮するよう立ててくださったエホバの前だったのだ。わたしはエホバの前で祝うのだ。22 そして,わたしは自分をこれよりもなお一層軽んじられる者とし,自分の目に卑しくなろう。あなたが言ったその奴隷女たち,彼女たちと共に,わたしは栄光を受けるつもりだ」。23 こうして,サウルの娘ミカルには,その死ぬ日まで子供がなかった。
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聖書 サムエル記 第二 5章

聖書 サムエル記 第二 5章

5 やがて,イスラエルのすべての部族がヘブロンのダビデのもとに来て言った,「ご覧ください,わたしたちは,あなたの骨肉です。2 昨日も,またサウルがわたしたちの王であったそれ以前も,あなたがイスラエルを率いて出入りする方となられました。それにエホバはあなたに言われました,『あなたがわたしの民イスラエルを牧し,あなたがイスラエルの指導者となる』と」。3 それで,イスラエルのすべての年長者はヘブロンの王のもとに来た。ダビデ王はヘブロンでエホバの前に彼らと契約を結んだ。その後,彼らはダビデに油をそそいでイスラエルの王とした。

4 ダビデは,王となったとき,三十歳であった。彼は四十年間,王として支配した。5 ヘブロンで彼はユダの王として七年六か月間支配し,エルサレムで三十三年間,全イスラエルとユダの王として支配した。6 そこで,王とその部下はエルサレムへ,その地に住むエブス人を攻めに行ったが,彼らはダビデにこう言いはじめた。「あなたはここに入れない。それどころか,盲人や足のなえた人がまさしくあなたを追い払うだろう」。「ダビデはここに入れない」と思っていたのである。7 それでも,ダビデはシオンのとりでを攻め取った。これがつまり,“ダビデの都市”である。8 それで,その日,ダビデは言った,「だれでもエブス人を討つ者は,地下水道によって,ダビデの魂に憎まれている足のなえた人にも盲人にも接触するのだ!」 それゆえに,「盲人や足のなえた人はその家に入れない」と言われている。9 それでダビデはそのとりでに住むようになり,これは“ダビデの都市”と呼ばれることになった。ダビデは塚から内側にかけて周りの至る所で築きはじめた。10 こうして,ダビデはますます大いなる者となった。万軍の神エホバは彼と共におられた。

11 そこで,ティルスの王ヒラムはダビデのもとに使者を,また杉の木や木の細工師や城壁の石工をも送ってよこした。彼らはダビデのために家を建てはじめた。12 そしてダビデは,エホバが彼をイスラエルの王として堅く立て,ご自分の民イスラエルのために彼の王国を高められたことを知るようになった。

13 その間に,ダビデは,ヘブロンから来た後,エルサレムからさらにそばめや妻たちをめとった。ダビデにはさらに息子や娘たちが生まれた。14 そして,これらはエルサレムでダビデに生まれた者たちの名である。すなわち,シャムア,ショバブ,ナタン,ソロモン,15 イブハル,エリシュア,ネフェグ,ヤフィア,16 エリシャマ,エルヤダ,エリフェレト。

17 ときに,フィリスティア人は,人々がダビデに油をそそいでイスラエルの王としたことを聞くようになった。そこでフィリスティア人は皆,ダビデを捜し求めて上って来た。ダビデはそれを聞くと,近寄りにくい所に下って行った。18 するとフィリスティア人のほうは,入って来て,レファイムの低地平原で歩き回っていた。19 そこで,ダビデはエホバに伺って,こう言いだした。「私はフィリスティア人に向かって攻め上りましょうか。あなたは彼らを私の手に渡してくださるでしょうか」。するとエホバはダビデに言われた,「上って行け。わたしは必ずフィリスティア人をあなたの手に渡すから」。20 それで,ダビデはバアル・ペラツィムに行き,そこでダビデは彼らを討ち倒した。そうして彼は言った,「エホバは,水による破れ目のように,わたしの敵をわたしの前に打ち破られた」。それゆえに,彼はその場所の名をバアル・ペラツィムと呼んだ。21 そこで,彼らはそこに自分たちの偶像を捨てたので,ダビデとその部下はそれを取り去った。

22 その後,フィリスティア人はもう一度上って来て,レファイムの低地平原で歩き回った。23 そこで,ダビデはエホバに伺ったところ,こう言われた。「あなたは上って行ってはならない。彼らの後ろに回って行け。あなたはバカの茂みの前で彼らに向かって行くように。24 そして,バカの茂みのてっぺんで行進の音が聞こえたなら,そのとき,あなたは果敢に行動するように。そのとき,エホバは,フィリスティア人の陣営[の者]を討ち倒すため,あなたより先に出ているからである」。25 そこでダビデは,エホバが彼に命じた通り,そのようにして,ゲバからゲゼルに至るまでフィリスティア人を討ち倒した。
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聖書 サムエル記 第二 4章

聖書 サムエル記 第二 4章

4 サウルの子はアブネルがヘブロンで死んだことを聞くと,その手は弱々しくなり,イスラエル人も皆,動揺した。2 ときに,サウルの子に属していた略奪隊の長である二人の人がいた。一人の名をバアナ,もう一人の名をレカブといい,ベニヤミンの子らの,ベエロト人リモンの子らであった。ベエロトもまた,かつてはベニヤミンの一部として数えられていたからである。3 そして,ベエロト人はギタイムに逃げ去って行き,そこで外人居留者となって今日に至っている。

4 さて,サウルの子ヨナタンには,足のなえた息子がひとりいた。その子は,サウルとヨナタンについての報告がエズレルから来たとき,五歳であった。そこで,その乳母はその子を抱いて逃げだしたが,彼女が慌てふためいて逃げていたときに,その子は落ちて足が不自由になったのである。その名はメピボセテといった。

5 ときに,ベエロト人リモンの子ら,レカブとバアナは,日が暑くなったころ,イシ・ボセテの家にやって来たが,彼は昼寝をしていた。6 そして見よ,彼らは小麦を持って行く者のように家の真ん中に入り,彼の腹部を突き刺した。レカブとその兄弟バアナは,発覚を免れた。7 ふたりが家の中に入ったとき,彼は奥の寝室で寝いすの上に横たわっていたので,彼を討って殺し,その後,彼の首をはね,その首を取って,一晩中,アラバへの道を歩いた。8 ついに,彼らはイシ・ボセテの首をヘブロンのダビデのもとに持って来て,王に言った,「ここに,あなたの魂を捜し求めたあなたの敵サウルの子イシ・ボセテの首があります。エホバは今日,我が主,王のために,サウルとその子孫に復しゅうをされるのです」。

9 ところが,ダビデはベエロト人リモンの子ら,レカブとその兄弟バアナに答えて言った,「わたしの魂をあらゆる苦難から請け戻してくださったエホバは生きておられる。10 わたしに報告して,『ご覧なさい,サウルは死にました』と言う者がいて,その者は自分の目には良い知らせをもたらす者のようになったが,わたしはこれを捕まえ,使者の報酬を与えてしかるべきだったが,わたしはこれをチクラグで殺した。11 まして,邪悪な者どもが,ひとりの義人をその家で,しかもその寝床の上で殺したときはなおさらではないか。だから今,わたしは彼の血をお前たちの手に求め,お前たちを地から一掃すべきではないか」。12 そこで,ダビデは若者たちに命じたので,彼らはふたりを殺し,その手足を切り離して,これをヘブロンの池のほとりでつるした。しかしイシ・ボセテの首は,彼らはこれを取って,ヘブロンのアブネルの埋葬所に葬った。
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聖書 サムエル記 第二 3章

聖書 サムエル記 第二 3章

3 そして,サウルの家とダビデの家との間の戦いは長引いた。ダビデはますます強くなってゆき,サウルの家はますます衰えていった。

2 その間に,ヘブロンでダビデに息子たちが生まれた。その長子はエズレル人の女アヒノアムによるアムノンであった。3 そして,その二番目[の子]はカルメル人ナバルの妻アビガイルによるキルアブで,三番目[の子]はゲシュルの王タルマイの娘マアカの子アブサロムであった。4 そして四番目[の子]はハギトの子アドニヤで,五番目[の子]はアビタルの子シェファトヤであった。5 また,六番目[の子]はダビデの妻エグラによるイトレアムであった。これらはヘブロンでダビデに生まれた者たちであった。

6 そして,サウルの家とダビデの家との間の戦いが続いていたとき,アブネルは,サウルの家でその立場を引き続き強化していたのである。7 ところで,サウルには,アヤの娘で,名をリツパというそばめがいた。後に,イシ・ボセテはアブネルに言った,「どういう訳であなたはわたしの父のそばめと関係を持ったのか」。8 すると,アブネルはイシ・ボセテの言葉に非常に怒ってこう言った。「わたしはユダに属する犬の頭ですか。今日,わたしはあなたの父上サウルの家に対して,またその兄弟とその個人的な友人たちに愛ある親切を表わしており,あなたをダビデの手に陥らせないようにしてきました。それなのに,あなたは今日,女に関する過ちを弁明するようわたしに求めるのです。9 神がアブネルにそのようになさり,重ねてそのようになさるように。もし,エホバがダビデに誓われた通り,わたしがそのように彼にしないとすれば。10 それは,サウルの家から王国を移し,ダビデの王座をダンからベエル・シェバまでイスラエルとユダの上に確立するということです」。11 それで,彼はもはや一言もアブネルに答えて言うことができなかった。彼を恐れたからである。

12 それゆえアブネルは,その場で使者をダビデのもとにやって言った,「この土地はだれのものでしょう」。さらにこう言った。「どうか,わたしと契約を結んでください。ご覧なさい,わたしの手はあなたと共にあります。全イスラエルをあなたの側に向けさせるためです」。13 これに対して彼は言った,「よろしい! わたしがあなたと契約を結ぼう。ただし,わたしはあなたに一つの事を求める。と言うのは,『あなたはわたしの顔を見に来るとき,まずサウルの娘ミカルを連れて来るのでなければ,わたしの顔を見ることはできない』」。14 さらに,ダビデはサウルの子イシ・ボセテに使者を遣わして言った,「わたしがフィリスティア人の百の包皮で婚約した,わたしの妻ミカルを,どうか引き渡して頂きたい」。15 それでイシ・ボセテは人をやって,彼女をその夫,ライシュの子パルティエルから取り上げた。16 しかし,その夫は彼女と共に歩き続け,バフリムまで彼女に従って歩きながら泣いていた。それから,アブネルは彼に,「さあ,帰れ!」と言った。そこで彼は帰った。

17 その間に,アブネルによりイスラエルの年長者たちと連絡が取られており,こう言った。「昨日も,それ以前も,あなた方はダビデを自分たちの王として求めていることを示してきた。18 それで今,そうしなさい。エホバがダビデに,『わたしの僕ダビデの手によって,わたしはわたしの民イスラエルをフィリスティア人の手,およびそのすべての敵の手から救おう』と言われたからだ」。19 それから,アブネルはベニヤミンの耳にも語り,その後アブネルはまた,行って,イスラエルの目とベニヤミンの全家の目に善いことすべてを,ヘブロンでダビデの耳に語った。

20 アブネルが,その二十人の部下と共に,ヘブロンのダビデのもとに来ると,ダビデはアブネル,および彼と共にいた部下たちのために宴を設けた。21 そこで,アブネルはダビデに言った,「立ち上がって,行って,王なる我が主のもとに全イスラエルを集めさせてください。彼らがあなたと契約を結び,あなたがまさしく,ご自分の魂の渇望するものすべての王となられるためです」。それで,ダビデはアブネルを送り出し,彼は安心して出かけて行った。

22 ところが,見よ,ダビデの僕たちとヨアブが襲撃から戻って来るところであった。彼らが携えて来た分捕り物はおびただしかった。しかしアブネルは,ヘブロンのダビデのもとにはいなかった。[ダビデ]は彼を送り出し,彼は安心して出て行ったからである。23 そして,ヨアブと彼と共にいた軍隊がみな入って来ると,人々は今度はヨアブに報告して言った,「ネルの子アブネルが王のもとに来ましたが,[王]は彼を送り出したので,彼は安心して出て行きました」。24 それで,ヨアブは王のところに行ってこう言った。「何ということをなさったのですか。ご覧なさい,アブネルがあなたのところに来たのです。どうして彼を送り出して,首尾よく去って行くままになさったのですか。25 あなたはネルの子アブネルを,つまり彼が来たのはあなたをだましてあなたの出入りを知り,あなたのしておられることをみな知るためであることをよくご存じです」。

26 こうして,ヨアブはダビデのもとから出て行き,使者たちをやってアブネルを追わせ,彼らはシラの水溜めのところから彼を引き返らせた。ダビデは,そのことを知らなかった。27 アブネルがヘブロンに戻ったとき,今度はヨアブが彼と静かに話そうと彼をわきへ,門の内側へ連れ込んだ。ところが,そこで彼の腹部を突き刺したので,彼は[ヨアブ]の兄弟アサエルの血のために死んだ。28 後で,ダビデはそのことを聞くと,直ちにこう言った。「わたしとわたしの王国は,エホバの見地からは,ネルの子アブネルに対する血の罪については定めのない時までも罪がない。29 それはヨアブの頭とその父の全家に翻って降り懸かるように。ヨアブの家からは,漏出のある者,らい病人,回る錘をつかむ者,剣に倒れる者,パンに事欠く者が絶えないように!」30 ヨアブとその兄弟アビシャイは,[アブネル]がギベオンでの戦いで彼らの兄弟アサエルを殺したために,アブネルを殺したのである。

31 それから,ダビデはヨアブと彼と共にいたすべての民に言った,「あなた方の衣を引き裂き,粗布を結わえつけ,アブネルの前で悼み悲しみなさい」。ダビデ王もその寝いすの後に付いて行くのであった。32 そして,彼らはヘブロンでアブネルの埋葬を行なった。王はアブネルの埋葬所で声を上げて泣き,民もみな泣きだした。33 そして王はさらにアブネルのために詠唱してこう言った。

「無分別な者の死のように,アブネルは死ななければならないのか。

34 あなたの手は縛られたものではなく,
あなたの足は銅の足かせにつながれてはいなかった。
不義の子らの前に倒れる者のように,あなたは倒れた」。
すると民は皆,また彼のために泣いた。

35 後に,民は皆,なおその日のうちに,慰めのためのパンをダビデに与えようとしてやって来たが,ダビデは誓って言った,「もし,日が沈む前に,わたしがパンでも,ほかの何物でも味見するならば,神がわたしにそのようになさり,重ねてそのようになさるように!」36 そして,民も皆,それを認め,それは彼らの目に善かった。すべて王のしたことと同様,それはすべての民の目に善かった。37 それで,すべての民および全イスラエルはその日,ネルの子アブネルを殺したことは,王から出たのではないことを知るようになった。38 そして,王はさらにその僕たちに言った,「あなた方は,今日,イスラエルでひとりの君,大いなる者が倒れたことを知らないのか。39 それで,わたしは今日,王として油そそがれてはいるが弱いのだ。これらの人々,ツェルヤの子らは,わたしにとっては手ごわ過ぎる。エホバが,悪いことをする者にはその者の悪にしたがって報いてくださるように」。
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聖書 サムエル記 第二 2章

聖書 サムエル記 第二 2章

2 そして,その後,ダビデはエホバに伺って,こう言ったのである。「わたしはユダの都市の一つへ上って行きましょうか」。するとエホバは彼に言われた,「上って行け」。そしてダビデはさらに言った,「どこへ上って行きましょうか」。すると,言われた,「ヘブロンへ」。2 そこでダビデは,またその二人の妻,エズレル人の女アヒノアムとカルメル人ナバルの妻アビガイルも,そこへ上って行った。3 またダビデは,共にいた人々を,各々その家の者と一緒に連れ上った。彼らはヘブロン[地方]の諸都市に住むようになった。4 そこへ,ユダの人々がやって来て,そこでダビデに油をそそいでユダの家の王とした。

そして,人々は来てダビデに告げて言った,「ヤベシュ・ギレアデの人々がサウルを葬りました」。5 ゆえにダビデはヤベシュ・ギレアデの人々に使者を遣わし,彼らにこう言った。「あなた方がエホバに祝福されますように。それは,あなた方の主に,サウルに対してこのような愛ある親切を表わして,これを葬ったからです。6 それで今,エホバが愛ある親切と信頼できることをあなた方に対して表わしてくださいますように。わたしもまた,こうした善良さをあなた方に表わしましょう。あなた方がこの事をしたからです。7 それで今,あなた方の手を強くし,勇敢な者となりなさい。あなた方の主サウルは死んだのですから。それに,ユダの家はわたしに油をそそいで彼らの王としたのです」。

8 一方サウルに属していた軍の長,ネルの子アブネルは,サウルの子,イシ・ボセテを取り,これを連れてマハナイムに渡り,9 彼をギレアデとアシュル人とエズレル,エフライムとベニヤミン,およびイスラエル,そのすべての王にした。10 サウルの子イシ・ボセテは,イスラエルの王となったとき四十歳で,二年間王として支配した。ただ,ユダの家だけはダビデに従う者となった。11 そして,ダビデがヘブロンでユダの家の王となった日数は,七年六か月であった。

12 やがて,ネルの子アブネルと,サウルの子イシ・ボセテの僕たちはマハナイムを出てギベオンへ行った。13 一方ツェルヤの子ヨアブと,ダビデの僕たちは,出て行って,後にギベオンの池のほとりで相会した。一方の者は池のこちら側に,他方の者は池の向こう側に座っていた。14 ついにアブネルはヨアブに言った,「どうか,若者たちを立ち上がらせ,我々の前で闘技をさせようではないか」。これに対してヨアブは言った,「立ち上がらせよ」。15 それで彼らは立ち上がり,数を合わせて渡って行った。ベニヤミンとサウルの子イシ・ボセテに属する十二人と,ダビデの僕のうちからの十二人であった。16 そして彼らは互いに頭につかみかかり,各々の剣で相手のわき腹を[刺した]ので,一緒に倒れた。それで,その場所はヘルカト・ハツリムと呼ばれるようになったが,それはギベオンにある。

17 そして,その日,戦いははなはだ激しくなり,アブネルとイスラエルの人々はついにダビデの僕たちの前に撃ち破られた。18 ところで,そこに,ツェルヤの三人の息子,ヨアブ,アビシャイ,アサエルがいた。アサエルは足が速く,原野にいる一頭のガゼルのようであった。19 それで,アサエルはアブネルの跡を追って行った。そして,アブネルを追うのをやめて右にも左にも行こうとしなかった。20 ついに,アブネルは後ろを振り向いて言った,「お前なのか,アサエル」。それに対して彼は言った,「わたしだ」。21 するとアブネルは彼に言った,「右か左に向きを変えて,若者の一人をお前のものとして捕らえ,それからはぎ取るものを自分のものとして取れ」。ところが,アサエルは彼を追うのをやめてわきへそれることを望まなかった。22 それで,アブネルはもう一度アサエルに言った,「わたしを追うのをやめて,向きをわきへそらせろ。どうしてわたしがお前を地に討ち倒してよかろうか。そうなれば,わたしはどうしてお前の兄弟ヨアブに向かってわたしの顔を上げられよう」。23 それでも,彼はどうしてもわきへそれようとしなかった。それで,アブネルはとうとう槍の石突きで彼の腹部を突き刺したので,槍は彼の背後から突き出た。彼はそこで倒れ,その場で死んだ。そして,アサエルが倒れて死んだ場所に来た者はみな立ち止まるのであった。

24 そして,ヨアブとアビシャイもアブネルの跡を追って行った。日が沈むころ,彼らは,ギベオンの荒野への道のほとりのギアハの前にあるアマの丘に来た。25 そしてベニヤミンの子らはアブネルの後ろに集まり,彼らは一団となって,一つの丘の頂上に立っていた。26 すると,アブネルはヨアブに呼びかけて言った,「剣は果てしなく食らうのか。しまいにはひどいことになるのを本当に知らないのか。それで,いつになったら,民にその兄弟たちを追うのをやめて引き返すよう言うつもりか」。27 そこで,ヨアブは言った,「[まことの]神は生きておられる。もしもお前が話さなかったなら,朝になって初めて,民は各々自分の兄弟を追うのをやめて引き上げたことだろう」。28 そこでヨアブは角笛を吹いたので,民は皆止まり,それ以上イスラエルの跡を追い続けることをせず,もはや戦いを再開することはなかった。

29 アブネルとその部下は,その夜ずっとアラバを通って行き,ヨルダンを渡り,渓谷全域を通って行って,ついにマハナイムに来た。30 一方ヨアブは,アブネルを追うのをやめて引き返し,民すべてを集めることにした。すると,ダビデの僕たちのうち十九人とアサエルがいなくなっていた。31 それでも,ダビデの僕たちは,ベニヤミンの,それもアブネルの部下の者たちを討ち倒していた―三百六十人が死んでいたのである。32 そこで彼らはアサエルを運び,ベツレヘムにある彼の父の埋葬所に葬った。次いでヨアブとその部下は一晩中進んで行き,ヘブロンで彼らに夜が明けた。
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聖書 サムエル記 第二 1章

聖書 サムエル記 第二 1章

1 そして,サウルの死後,ダビデがアマレク人を討ち倒して帰って来たとき,ダビデは二日間チクラグにとどまっていたのである。2 そして,三日目のこと,見よ,ひとりの人が陣営から,サウルのところからやって来た。その衣は引き裂かれ,頭には泥をかぶっていた。そして,ダビデのもとに来ると,彼は直ちに地にひれ伏して,平伏するのであった。

3 次いでダビデは彼に言った,「どこから来たのか」。すると,彼は言った,「イスラエルの陣営から逃れてまいりました」。4 そしてダビデはさらに言った,「事態はどうなったか。どうか,話してくれ」。これに対して彼は言った,「民は戦いから逃げ,民の多くも倒れて死に,それにサウルとその子ヨナタンまでも死にました」。5 それで,ダビデは自分と話していたその若者に言った,「あなたはサウルが,またその子ヨナタンが死んだことをどうして実際に知っているのか」。6 そこで,彼と話していたその若者は言った,「わたしは図らずもたまたまギルボア山にいましたが,そこでサウルがその槍にもたれていました。そして,ご覧ください,兵車の御者や馬に乗った者たちが彼に追いついていました。7 彼は振り返ってわたしを見ると,今度はわたしを呼びましたので,わたしは,『はい,ここにおります』と言いました。8 すると彼はさらに言いました,『お前はだれだ』。そこでわたしは言いました,『わたしはアマレク人です』。9 すると彼は言いました,『どうか,わたしの上に立って,まさしくわたしを殺してくれ。けいれんがわたしを捕らえているのだ。わたしの魂はすべてなおわたしの内にあるからだ』。10 そこでわたしは彼の上に立ち,まさしく彼を殺しました。彼は倒れたからには生きることができないと分かったからです。それから,わたしはその頭にあった王冠と,その腕にあった腕輪を取りました。それらをここに,我が主のもとに持って来るためでした」。

11 ここにおいてダビデは自分の衣をつかんで,これを引き裂いた。彼と共にいた人々もやはり皆,そのようにした。12 そして彼らはサウルと,その子ヨナタンと,エホバの民と,またイスラエルの家のことで悼み悲しんで泣き,夕方まで断食した。彼らが剣に倒れたからである。

13 さて,ダビデは自分と話していたその若者に言った,「あなたはどこの者か」。すると彼は言った,「わたしはアマレク人で,外人居留者の子です」。14 それでダビデは彼に言った,「あなたが手を出してエホバの油そそがれた者を滅びに陥れることを恐れなかったとは,どうしたことか」。15 そこで,ダビデは若者の一人を呼んで言った,「近寄れ。これに襲いかかれ」。こうして,彼を討ち倒したので,彼は死んだ。16 ダビデはそのとき彼に言った,「あなたに対する血の罪は,あなたの頭に降り懸かれ。あなたの口があなたに対して証言し,『わたしがまさしく,エホバの油そそがれた者を殺しました』と言ったからだ」。

17 次いでダビデは,サウルとその子ヨナタンのために次の哀歌を詠唱し,18 ユダの子らは「弓」を教わるようにと言った。見よ,それはヤシャルの書に記されている。

19 「イスラエルよ,麗しいものがお前の高き所で打ち殺された。
ああ,力のある者たちは倒れた。

20 あなた方はこれをガトで告げるな。
アシュケロンのちまたで告げ知らせるな。
フィリスティア人の娘たちが歓ぶことのないためだ。
割礼を受けていない者たちの娘らが歓喜することのないためだ。

21 ギルボアの山々よ,お前たちの上に,露も,雨も下るな。聖なる寄進物の野もなくなれ。
そこで,力のある者たちの盾が汚されたからだ。
サウルの盾が。ゆえに油をもって油そそがれた者はだれもいなかった。

22 打ち殺された者たちの血から,力のある者たちの脂から,
ヨナタンの弓は引き返さなかった。
サウルの剣も功を奏さずに帰ることはなかった。

23 サウルもヨナタンも,その生きている間,愛すべき人,快い人たちで,
その死ぬときも,ふたりは離れなかった。
鷲よりも速く,
ライオンよりも力強かった。

24 イスラエルの娘たち,サウルのために泣け。
彼は美しい装飾品の付いた緋色[の衣]をお前たちにまとわせ,
お前たちの衣服に金の飾りを付けてくれた。

25 ああ,力のある者たちは戦いのさなかに倒れた。
ヨナタンはお前の高き所で打ち殺された!

26 わたしの兄弟ヨナタン,わたしはあなたのために苦しんでいる。
あなたはわたしにとって非常に快い人だった。
あなたの愛はわたしにとって女の愛よりもすばらしかった。

27 ああ,力のある者たちは倒れた。
戦いの武器は滅びうせた!」
posted by 舞姫 at 08:18| Comment(0) | TrackBack(0) | 聖書 サムエル記 第二 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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