2007年06月21日

聖書 裁き人の書 21章

聖書 裁き人の書 21章

21 さて,イスラエルの人々はミツパで誓いを立てていた。こう言ったのである。「わたしたちのだれも娘を妻としてベニヤミンに与えることはしない」。2 そのため,民はベテルに行き,そこで夕方まで[まことの]神の前に座り,声を上げて大いに泣き続けた。3 そしてこう言うのであった。「イスラエルの神エホバよ,なぜこのような事がイスラエルに起きたのでしょうか。一つの部族が今日イスラエルから失われるとは」。4 そして次の日,民は早く起きてそこに祭壇を築き,焼燔の捧げ物と共与の捧げ物をささげはじめた。

5 その時イスラエルの子らは言った,「イスラエルのすべての部族のうち,エホバのもとに上って来て会衆に加わらなかった者はだれか。ミツパでエホバのもとに上って来なかった者に関してなされた,『その者は必ず死に処せられるように』という大きな誓いがあるのだ」。6 また,イスラエルの子らは,自分たちの兄弟であるベニヤミンに関して悔やむようにもなった。そのためこう言った。「今日一つの部族がイスラエルから切り断たれた。7 妻を持つ点で取り残されている者たちについてどうしたらよいだろうか。わたしたちとしては,自分の娘を彼らの妻として与えないことをエホバにかけて誓ったのだ」。

8 そして彼らはさらに言った,「イスラエルの部族のうち,ミツパにおいてエホバのもとに上って来なかったのはどちらの者か」。すると,見よ,ヤベシュ・ギレアデからはだれも陣営に入らず,その会衆に来ていなかった。9 民を数えてみると,見よ,ヤベシュ・ギレアデの住民の中から来た者はそこにひとりもいなかった。10 そのため集会の人々は,最も勇敢な者たちの中から一万二千人をそこに遣わし,その者たちに命じてこう言った。「行け。あなた方はヤベシュ・ギレアデに住む者を剣の刃で討たなければならない。女や幼い者たちもである。11 そして,このようにすべきである。すなわち,すべての男子,また男子と寝たことのあるすべての女を滅びのためにささげるように」。12 ところで彼らは,ヤベシュ・ギレアデの住民の中に,男子と寝て男と交わりを持ったことのない四百人の処女の娘を見つけた。それで,それらの者をシロの宿営に連れて来た。そこはカナンの地である。

13 次いで集会の全員は,使いをやってリモンの大岩にいるベニヤミンの子らに話し,これに和睦を差し伸べた。14 こうしてその時ベニヤミンは戻って来た。それで彼らは,ヤベシュ・ギレアデの女たちの中から生き長らえさせておいた女たちをこれに与えた。だが,十分足りるだけの者がいなかった。15 そして民はベニヤミンに関して悔やんだ。エホバがイスラエルの部族間に裂け目を生じさせたからであった。16 そのため集会の年長者たちはこう言った。「妻を持つ点で取り残されている者たちについてどうしたらよいだろうか。女たちはベニヤミンから滅ぼし尽くされているのだ」。17 それから彼らはこう言った。「一つの部族がイスラエルからぬぐい去られることのないようにするため,ベニヤミンの生き延びた者たちのためにも所有するものがあるべきではないか。18 だが,わたしたちが,自分の娘の中から彼らに妻を与えることは許されない。イスラエルの子らは,『ベニヤミンに妻を与える者はのろわれる』と誓ったからだ」。

19 最後に彼らは言った,「見よ,シロでは年ごとにエホバの祭りがある。それはベテルの北方,ベテルからシェケムに上る街道の東,レボナの南のほうだ」。20 そうして彼らはベニヤミンの子らに命じてこう言った。「行って,あなた方はぶどう園の中でぜひ待ち伏せをするように。21 そしてよく見るのだ。そこへシロの娘たちが出て来て輪になって踊るなら,あなた方もぶどう園から出て行き,自分のため,各自自分の妻をそのシロの娘たちの中から無理にでも連れ去り,こうしてベニヤミンの地に行くのだ。22 そして,その父や兄弟たちが来てわたしたちに訴え事をするようなら,わたしたちは必ずこのように言うことにしよう。『彼らのためどうかわたしたちに好意を示してほしい。わたしたちは各人のために妻を戦争で取ったわけではないのだから。あなた方の罪科となるような場合にあなた方のほうから彼らに与えるようにしたのではないのだ』」。

23 そこでベニヤミンの子らはそのとおりに行ない,丸くなって踊る女たちの中から自分たちの数だけ妻を連れ去った。これをさらって行ったのである。そののち彼らは去って自分たちの相続地に戻り,都市を建ててそこに住むようになった。

24 また,イスラエルの子らもその時にそこから散って行き,各々自分の部族,自分の家族に戻った。そこから出て行って,それぞれ自分の相続地に戻った。
ラベル:聖書 エホバ
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聖書 裁き人の書 20章

聖書 裁き人の書 20章

20 そのため,イスラエルのすべての子らが出て来た。集会の者たちは,ダンからベエル・シェバに至るまで,またギレアデの地も共に,一人の人のようになってミツパのエホバのもとに集合した。2 そして,民全体またイスラエル全部族の要人たちは,[まことの]神の民の会衆の中に立った。それは,徒歩で行き,剣を抜く四十万の人々であった。

3 そして,ベニヤミンの子らも,イスラエルの子らがミツパに上ったことを聞いた。

その時イスラエルの子らは言った,「あなた方[の意見を]述べよ。どうしてこれほどの悪事がなされたのか」。4 これに対し,その人,つまり殺害された女の夫であるそのレビ人は答えて言った,「ベニヤミンに属するギベアにわたしは来ました。わたしとわたしのそばめとです。一晩泊まろうと思いました。5 ところが,ギベアの土地所有者たちはわたしに向かって立ち上がり,わたしに敵して夜家を取り囲みました。わたしを殺そうと彼らは図っていたのです。しかし,わたしのそばめを彼らは犯しました。彼女はとうとう死にました。6 それでわたしは自分のそばめ[の遺体]を抱え,それを切り分けて,イスラエルの相続地のすべての野に送りました。彼らがイスラエルにおいてみだらな行ないと恥ずべき愚行を犯したからです。7 見てください,イスラエルの子らの皆さん,自分の考えを述べ,ここで相談してください」。

8 すると,民全員が一人の人のように立ち上がって,こう言った。「わたしたちはだれも自分の天幕に戻らない。まただれも自分の家に立ち寄らない。9 そして今,わたしたちがギベアに対して行なうことはこうだ。くじを引いてそこへ攻め上るのだ。10 そして,イスラエルのすべての部族につき,百人の中から十人,千人の中から百人,一万人の中から千人を取ることにする。民のために食糧を調達させ,こうして[民]が行動を取ってベニヤミンのギベアに攻め上ることができるようにするのだ。彼らがイスラエルで行なったそのすべての恥ずべき愚行のためである」。11 こうしてイスラエルのすべての人々は同盟者となり,一人の人のようになってその都市に対して結集した。

12 それから,イスラエルの諸部族は,ベニヤミンの部族のすべての者に使いを送ってこう言った。「あなた方の間でなされたこの悪事は一体どういうことか。13 さあ今,ギベアにいるその男たち,そのどうしようもない者たちを引き渡せ。わたしたちはその者たちを死に渡す。こうしてイスラエルの中から悪を除き去ろうではないか」。だが,ベニヤミンの子らは自分の兄弟であるイスラエルの子らの声を聴こうとしなかった。

14 そうしてベニヤミンの子らは幾つもの都市から集まってギベアに行き,出て行ってイスラエルの子らと戦おうとした。15 それでその日,ベニヤミンの子らは幾つもの都市から呼び集められた。剣を抜く者二万六千人であった。これと別にギベアの住民がおり,その中からは七百人の精鋭が呼び集められた。16 このすべての民の中には,左利きの精鋭七百人がいた。それらは皆,石投げ器で毛ほどの幅のところに石を投げて逸することのない者たちであった。

17 またイスラエルの人々もベニヤミンを別にして呼び集められた。剣を抜く者四十万人で,それらはみな戦人であった。18 そして彼らは立ってベテルに上って行き,神に尋ねはじめた。そしてイスラエルの子らはこう言った。「わたしたちのうちだれが先頭に立って,ベニヤミンの子らに対する戦いに上って行くべきでしょうか」。これに対してエホバは言われた,「ユダが先頭に立つ」。

19 この後イスラエルの子らは朝に立ち上がり,ギベアに対して宿営を張った。

20 次いでイスラエルの人々はベニヤミンと戦うために出て行った。イスラエルの人々はギベアで彼らに対して戦闘隊形を整えた。21 すると,ベニヤミンの子らはギベアから出て来て,その日にイスラエルの二万二千人を滅ぼして地に倒した。22 しかし,その民,すなわちイスラエルの人々は勇気を示し,最初の日に戦闘隊形を整えたその場所で再びその陣形を整えていった。23 そしてイスラエルの子らは上って行って夕方までエホバの前で泣き,エホバに尋ねてこう言った。「わたしは,自分の兄弟であるベニヤミンの子らとの戦いのために再び近づいて行くのですか」。これに対してエホバは言われた,「彼に対して攻め上れ」。

24 そこでイスラエルの子らは二日目にもベニヤミンの子らに近づいた。25 一方ベニヤミンは,二日目にもギベアから出て来てこれを迎え撃ち,イスラエルの子らのうちさらに一万八千人を滅ぼして地に倒した。それらはみな剣を抜く者たちであった。26 そこで,イスラエルのすべての子ら,実にそのすべての民は,上って行ってベテルに行き,そこで泣きながらエホバの前に座り,その日一日夕方まで断食をして,焼燔の捧げ物と共与の捧げ物をエホバの前にささげた。27 それからイスラエルの子らはエホバに尋ねた。当時はそこに[まことの]神の契約の箱があったのである。28 またその当時は,アロンの子エレアザルの子であるピネハスがその前に立っていて,こう言った。「わたしは自分の兄弟であるベニヤミンの子らと戦うためさらにもう一度出て行くのですか。それともやめるのでしょうか」。これに対してエホバは言われた,「上って行きなさい。明日,わたしはこれをあなたの手に与えるからである」。29 そこでイスラエルは,ギベアに対してその周囲一帯に伏兵を置いた。

30 そしてイスラエルの子らは三日目にもベニヤミンの子らに向かって上って行き,それまでの時と同じようにギベアに対して陣形を整えた。31 ベニヤミンの子らはその民を迎え撃とうと出て来て,その都市からおびき出されることになった。そして,それまでの時と同じように,民の幾人かを討ち倒して街道で致命的な傷を負わせていった。一方はベテルに上り,他方はギベアに行く[街道]であり,その野でイスラエルのおよそ三十人が[倒れた]。32 それでベニヤミンの子らはこう言いはじめた。「彼らは初めの時と同じように我々の前に敗北してゆくぞ」。一方イスラエルの子らはこう言った。「さあ逃げるのだ。そうすれば彼らをこの都市から街道におびき出すことになる」。33 それでイスラエルのすべての人々は自分たちの場所から立ち上がって,バアル・タマルで陣形を整えてゆき,一方伏兵となっていたイスラエルの者たちはギベアの近辺の自分たちの場所から突撃していった。34 こうして全イスラエルの精鋭一万人がギベアの正面に進んで,戦いは激しいものとなった。ベニヤミンの人々は,自分たちに災いが迫っていることを知らなかった。

35 こうしてエホバはベニヤミンをイスラエルの前に撃ち破られた。そのため,イスラエルの子らはその日にベニヤミンの中の二万五千百人を討ち滅ぼした。それらはみな剣を抜く者たちであった。

36 ところが,イスラエルの人々がギベアに対して置いた自分たちの伏兵を信頼してベニヤミンに地歩を譲ってゆくと,ベニヤミンの子らはそれを彼らの敗北と思うのであった。37 一方伏兵は迅速に行動し,ギベアに向かって突き進んだ。そののち伏兵たちは散開して,全市を剣の刃で討った。

38 ところでイスラエルの人々は,その都市から煙の合図を上げるという申し合わせを伏兵との間で交わしていた。

39 イスラエルの子らが戦闘のさなかに振り返ってみると,ベニヤミンはイスラエルの人々のうちおよそ三十人を討ち倒して致命的な傷を負わせていた。「彼らは最初の戦闘の時と同じように間違いなく我々の前で敗北してゆくだけだ」と[ベニヤミン]は言うのであった。40 そこへ,煙の柱の合図がその都市から上り始めた。それで,ベニヤミンが顔を後ろに向けると,見よ,都市全体が天に上って行くのであった。41 そこでイスラエルの人々はぐるりと向きを変えた。一方,ベニヤミンの人々はかく乱された。災いが自分たちに及んだのを見たからである。42 そのため彼らはイスラエルの人々の前から荒野の方向に向きを変えたが,戦闘は彼らのすぐ後を追い,諸都市から出て来た人々も彼らを自分たちの中で滅ぼしてゆくのであった。43 彼らはベニヤミンを取り囲んだ。これを追跡して休み場を与えなかった。これをギベアのすぐ前で踏みつけて,さらに日の出のほうに進んだ。44 ついにベニヤミンの一万八千人が倒れた。それらはみな勇士であった。

45 それで彼らは向きを変えて荒野に逃げ,リモンの大岩のところに行った。それでも人々は彼らのうちさらに五千人を街道で討ち取り,そのすぐ後をギドオムまで追って行ってさらに二千人を討ち倒した。46 それで,その日に倒れたベニヤミンの者たちは,最後には合わせて二万五千人となった。剣を抜く者たちであり,それらはみな勇士であった。47 しかし,六百人の者は向きを転じて荒野に逃げ,リモンの大岩に行った。そして彼らはリモンの大岩の上に四か月のあいだ住んだ。

48 また,イスラエルの人々はベニヤミンの子らに向かって引き返し,その都市の者たち,人[から]家畜まで,さらにはそこに見いだされたすべてのものを剣の刃で討っていった。加えて,そこに見いだされたすべての都市を火にゆだねた。
ラベル:聖書 エホバ
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聖書 裁き人の書 19章

聖書 裁き人の書 19章

19 さて,そのころ,イスラエルに王はいなかった。そして,あるレビ人がエフライムの山地の最も遠く離れた地にしばらくとどまることになった。やがて彼はユダのベツレヘムからひとりのそばめをめとった。2 ところが,そのそばめは彼に背いて淫行を犯すようになった。ついに彼女は彼のもとを離れて,ユダのベツレヘムにある自分の父の家に行き,そこに満四か月とどまった。3 そこで夫は立って彼女を追って行き,いたわりの言葉をかけて彼女を連れ戻そうとした。そして,従者と二頭の雄ろばが彼と一緒であった。それで彼女は彼を自分の父の家に入らせた。娘の父親は,彼を見るや,歓んでこれを迎えた。4 こうしてしゅうと,つまり娘の父親が彼を引きとどめたため,彼はそのもとに三日とどまった。みんなで食べたり飲んだりし,彼はそこに泊まるのであった。

5 次いで四日目のこと,みんながいつものように朝早く起き,彼が立って出かけようとすると,娘の父親は婿にこう言った。「あなたの心を少しのパンで養い,その後みんなは出かけて行くがよい」。6 そこで一同は腰を下ろし,両者とも食べたり飲んだりしはじめた。その後,娘の父親はその人に言った,「さあ,どうか,泊まってゆきなさい。あなたの心をいこわせるがよい」。7 その人が立って出かけようとすると,しゅうとはしきりに彼に請い願うのであった。それで彼はそこにもう一晩泊まった。

8 五日目に彼が朝早く起きて出かけようとすると,娘の父親はこう言った。「さあ,あなたの心のために食事をしてゆきなさい」。そのため彼らが去りかねているうちに,ついに日は薄れてきた。それでも双方ともずっと食べつづけていた。9 それからその人,つまり彼とそばめと従者とは身を起こして出かけようとした。しかし,娘の父親であるそのしゅうとは彼にこう言った。「さあ,見なさい,日ははや傾いて,夕方になろうとしている。さあ,みんな,泊まってゆきなさい。日はもう終わろうとしている。ここに泊まって,心をいこわせるがよい。そして,明日は,あなた方の旅のために早く起きて,自分の天幕に向かうのだ」。10 しかし,その人は泊まってゆくことに同意せず,立って進んで行き,エブスつまりエルサレムに面するところまで来た。彼と共に,鞍を置いた二頭の雄ろば,またそばめと従者とがいた。

11 一行がエブスのすぐ近くにいる間に昼の光がかなり低くなったため,従者は主人にこう言った。「さあ,今,エブス人のこの都市に寄って,そこに一晩泊まってまいりましょう」。12 しかしその主人は言った,「イスラエルの子らではない異国人の都市に寄るのはやめよう。わたしたちはギベアまで進んで行かなければならない」。13 そして彼は従者にさらにこう言った。「さあ,どこかその場所の近くまで行こう。ギベアかラマに泊まるのだ」。14 それで彼らはそこを通り過ぎて進んで行ったが,ベニヤミンに属するギベアに近づいたころに日は彼らの上に沈みはじめた。

15 そこで彼らはそこに立ち寄り,中に入ってギベアに泊まることにした。そして彼らは中に入ってその都市の公共広場に腰を下ろしたが,彼らを家に連れて行って泊めようとする者はひとりもいなかった。16 やがて,見よ,晩になってから,ひとりの老人が野の仕事から戻って来るのであった。それはエフライムの山地から来た人で,しばらくギベアにとどまっているのであった。しかし,その場所の人々はベニヤミン人であった。17 彼は目を上げて,その人,旅人が市の公共広場にいるのを見た。そこでその老人は言った,「どちらへ行かれるのか。どこからおいでになったのか」。18 それで彼は言った,「わたしどもはユダのベツレヘムからエフライムの山地の最も遠く離れた所まで行くところです。わたしはそこの者ですが,ユダのベツレヘムへ行って来たのです。いま自分の家へ向かうところですが,家に迎え入れてくれる人がだれもいません。19 ですが,雄ろばのためのわらも飼い葉もあり,わたしやこの奴隷女のため,また僕と共におりますこの従者のためのパンもぶどう酒もあります。何一つ不足しているものはありません」。20 しかし,老人は言った,「あなたに平安があるように! 何でも不足のものがあればわたしに任せなさい。だが,公共広場に泊まることだけはおよしなさい」。21 そうして彼を自分の家の中に連れて行き,雄ろばには混ぜ餌を与えた。そこで一行は足を洗って,食べたり飲んだりしはじめた。

22 彼らがその心をいこわせていると,見よ,その都市の男たち,全くどうしようもない者たちがその家を取り囲み,戸口に向かって押し合いをするのであった。そして,その家の持ち主である老人にこう言いつづけた。「お前の家に入ったあの男を出せ。我々がその男と交わりを持つためだ」。23 それを聞いて家の持ち主は彼らのところに出て行き,こう言った。「いや,兄弟たち,どうか,悪い事はしてくれるな。この人はわたしの家に入ったのだ。そのような恥ずべき愚行をしてはいけない。24 ここにわたしの処女の娘と,この人のそばめがいる。どうかそれを出させてくれ。あなた方はそれを犯し,あなた方の目に良いようにするがよい。しかしこの人に対しては,そのような恥ずべき愚行をしてはならない」。

25 それでも,男たちはその[言葉]を聴こうとしなかった。そのため,その人は自分のそばめを取って,これを外の彼らのもとに連れ出した。それで彼らはその女と交わりを持ちはじめ,朝まで夜通しこれを辱め,そののち夜の明けるころに彼女を送り返した。26 それで,その女は朝になるころに戻って来たが,自分の主人がいるその人の家の入口のところで倒れた―明るくなるまでそのままであった。27 その後,彼女の主人は朝になって起き上がり,家の戸を開けて外に出,道を行こうとした。すると,見よ,その女,すなわち自分のそばめが,両手を敷居に掛けたまま家の入口のところに倒れているのであった。28 それで彼は言った,「立ちなさい。さあ行こう」。だが,それに答える者はいなかった。そこでその人は彼女をろばに乗せ,立って自分の所に行った。

29 それから彼は自分の家に入って屠殺用の短刀を取り,自分のそばめ[の遺体]を抱え,それをその骨にしたがって十二の部分に切り分け,イスラエルのすべての領地内にそれを送った。30 すると,それを見るすべての者はこう言うのであった。「このような事は,イスラエルの子らがエジプトの地から上って来てから今日この日まで起きたことも見たこともない。あなた方はこの事に心を留めて相談し,[意見を]述べよ」。
ラベル:聖書 エホバ
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聖書 裁き人の書 18章

聖書 裁き人の書 18章

18 そのころイスラエルに王はいなかった。またそのころ,ダン人の部族は,自分が住むための相続地を求めていた。その日になるまで,イスラエルの諸部族の中にあって彼らに相続地は定まっていなかったからである。

2 やがてダンの子らは,自分たちの家族のうちの五人,すなわち自分たちのうちの勇者である人々をツォルアとエシュタオルから送り出して,土地を偵察させ,それを探らせた。そしてその者たちに言った,「行って,その地を探って来なさい」。やがて一行はエフライムの山地に入り,ミカの家のある所まで来て,そこで夜を過ごした。3 ミカの家のすぐ近くにいる間に,彼らはレビ人であるその若者の声に気づいて,そこに立ち寄った。そうして彼にこう言った。「だれがあなたをここに連れて来たのですか。こんな所で何をしているのですか。ここにどんな用事があるのですか」。4 それで彼は言った,「ミカがこれこれのことをしてわたしを雇ってくれ,わたしが彼の祭司となるようにしてくれたのです」。5 そこで彼らは言った,「どうか神に尋ねて,わたしたちの行こうとしている道がうまくゆくかどうかが分かるようにしてください」。6 すると祭司は彼らに言った,「安心してお行きなさい。あなた方の行くその道は,エホバのみ前にあります」。

7 そこでその五人は進んで行ってライシュに来た。そして,その中にいる民がシドン人の習わしどおり自分に頼って住み,平穏に,また何の懸念も持たずにいるのを見た。圧迫する征服者がいてその地の事に干渉しているわけでもなく,しかもシドン人たちからは遠く離れ,また人々とのかかわりも全くないようであった。

8 ようやく彼らはツォルアとエシュタオルにいる自分の兄弟たちのところに戻って来た。それで兄弟たちは,「どうだったか」と彼らに聞きはじめた。9 そこで彼らは言った,「さあ,立ち上がってください。彼らのところに攻め上りましょう。わたしたちはその地を見て来たからです。そうです,それは非常に良い所です。それなのにあなた方はためらっています。ぐずぐずせず,進んで行ってその地に入り,それを取得するのです。10 そこに入れば,あなた方は何の懸念も持たずにいる民のところに来ます。しかもその地は十分に広いのです。神はそれをあなた方の手にお与えになったのです。地にあるどんな物にも不足することのない所です」。

11 そこで,戦いの武器を身に帯びた六百人,ダン人の家族の者たちが,そこから,つまりツォルアとエシュタオルから出発して行った。12 そして彼らは道を上って,ユダのキルヤト・エアリムに宿営を張った。そのため人々はその場所をマハネ・ダンと呼んで今日に至っている。見よ,それはキルヤト・エアリムの西である。13 そののち彼らはそこからエフライムの山地に進み,ミカの家のところまで来た。

14 その時,ライシュの地を偵察してきたさきの五人が答えて兄弟たちに言った,「これらの家にはエフォドとテラフィム,また彫刻像や鋳物の像があるのを知っていましたか。それで今,自分たちが何を行なうべきかを思いに留めてください」。15 そうして彼らはそこに立ち寄り,ミカの家にいるレビ人の若者の家に来て,彼がどのように暮らしているかを尋ねはじめた。16 その間ずっと,戦いの武器を身に帯びた六百人,ダンの子らの者たちは,門の入口のところに立っていた。17 土地を偵察してきた五人の者たちはさらに上って行った。そこに入って彫刻像とエフォド,またテラフィムと鋳像とを取るためであった。(そして,祭司は,戦いの武器を身に帯びた六百人と共に門の入口のところに立っていた。)18 そしてこれらの者はミカの家の中に入って,彫刻像,エフォドとテラフィムおよび鋳像を取ろうとした。これを見て祭司は言った,「あなた方は何をしているのですか」。19 しかし彼らは言った,「静かにせよ。口に手を当てよ。一緒に来て,わたしたちのための父また祭司となってくれ。一人の人の家のために祭司でいるのと,イスラエルの一部族また一家族のために祭司になるのとでは,あなたにとってどちらが良いのか」。20 これを聞いてその祭司の心は喜んだ。そこで彼はエフォドとテラフィムと彫刻像を取ってその民の中に入った。

21 そののち彼らは向きを転じて自分たちの道を行き,幼い者たちと畜類と貴重品とを自分たちの先頭に置いた。22 ミカの家にすぐ近い家の人々が呼び集められてダンの子らに追いつこうとした時,彼らはミカの家から少し離れたところまで来ていた。23 それらの者たちがダンの子らに向かって叫びつづけると,彼らは振り向いてミカにこう言った。「あなたは人を呼び集めたりして,一体どうしたのか」。24 それで彼は言った,「わたしの作ったわたしの神々をあなた方は取った。しかも祭司まで[連れて]進んで行く。この上わたしに何があるのか。それなのに,『一体どうした』などと,よくも言えたものだ」。25 するとダンの子らは言った,「お前の声をわたしたちのそばで聞こえさせてはいけない。苦々しい魂の者たちがお前たちに襲いかかることのないためだ。そうなれば,自分の魂に加えて家の者たちの魂まで失うことになるだろう」。26 こうしてダンの子らは自分たちの道を進んで行くのであった。そしてミカは,彼らが自分より強いのを見て,向きを変えて自分の家に戻って行った。

27 一方彼らは,ミカの作ったものを取り,また彼のものとなっていた祭司を連れて,ライシュへ,すなわち,平穏に,また何の懸念もなく住んでいる民のところへ進んで行った。そしてこれを剣の刃で討ち,その都市を火で焼いた。28 そしてこれを救い出す者はいなかった。そこはシドンからは遠く,人々とのかかわりもなく暮らしていたからである。それはベト・レホブに属する低地平原にあった。そののち彼らはその都市を建て直してそこに住むようになった。29 さらに,その都市の名を自分たちの父の名によってダンと呼んだ。ダンはイスラエルに生まれた者である。だが,ライシュというのがその都市の初めの名であった。30 その後ダンの子らは自分たちのためにその彫刻像を立てた。そして,モーセの子のゲルショムの子であったヨナタン,この者とその子らとがダン人の部族の祭司となって,その地の流刑の日にまで及んだ。31 こうして彼らは,[まことの]神の家がシロにとどまっていた日の間ずっと,ミカが作った彫刻像を自分たちのものとして立てておいた。
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聖書 裁き人の書 17章

聖書 裁き人の書 17章

17 さて,エフライムの山地の人で,名をミカという者がいた。2 やがて彼は自分の母にこう言った。「あなたのもとから持ち去られ,あなたがそれについてのろいのことばを述べ,しかもわたしの聞くところでそれを話されたあの千百枚の銀のことですが,ご覧ください,その銀はわたしのところにあります。それを持ち去ったのはわたしです」。それに対して母は言った,「我が子にエホバの祝福があるように」。3 そこで彼はその千百枚の銀を母に返した。すると母はつづけて言った,「わたしはどうしてもこの銀を,我が子のために,神聖なものとしてわたしの手からエホバにささげなければなりません。それによって,彫刻像と鋳物の像とを作るのです。ですから今,わたしはそれを改めてあなたに与えます」。

4 それで彼はその銀を自分の母親に返却した。母親は銀二百枚を取って,それを銀細工人に渡した。すると彼は彫刻像と鋳物の像をこしらえた。それはミカの家に置かれることになった。5 このミカという人は,自分で神々の家を持っていて,その後さらにエフォドとテラフィムを作った。そして一人の息子の手に力を満たしてその者が彼のため祭司となるようにした。6 そのころイスラエルに王はいなかった。すべての者は自分の目に正しいと見えることを行なっていた。

7 ところで,ユダのベツレヘムの人で,ユダの家族に属するひとりの若者がいた。彼はレビ人であった。彼はそこにしばらく住んでいたのである。8 後にその人はユダのベツレヘムの都市を出て,どこでも場所の見つかるところにしばらくとどまることにした。ついに,その道を進むうちにエフライムの山地に入り,ミカの家まで来た。9 そこでミカは彼に言った,「どちらからおいでになったのですか」。それで彼は言った,「わたしはレビ人で,ユダのベツレヘムから来ました。わたしはどこでも場所の見つかる所にしばらくとどまるために出て来たのです」。10 それでミカは言った,「わたしのところに住んで,わたしのために父また祭司となってください。わたしとしては,年に銀十枚,そして通常の衣一式とあなたの食べる物を上げますから」。そこでレビ人は中に入った。11 こうしてレビ人はその人のもとに住むことを引き受け,その若者は彼の息子の一人のようになった。12 そして,ミカはそのレビ人の手に力を満たしてその若者を自分のために祭司とならせ,ミカの家にそのままとどまらせた。13 それでミカは言った,「今,エホバがわたしに良くしてくださることがはっきり分かる。レビ人がわたしのために祭司になってくれたのだから」。
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聖書 裁き人の書 16章

聖書 裁き人の書 16章

16 ある時サムソンはガザに行き,そこでひとりの遊女に会ってそのもとに入った。2 すると,「サムソンがここに入って来た」という知らせがガザ人たちに伝えられた。それで人々は彼を取り囲み,その都市の城門の中で夜通し待ち伏せした。そして彼らは夜じゅう平静を守り,「朝の光が差してきたらすぐ彼を殺すのだ」と言っていた。

3 一方サムソンは,夜半まで横になっていたが,夜半になると起き上がり,その都市の城門の扉と二本の側柱をつかみ,それをかんぬきを付けたまま引き抜き,自分の肩に載せて,ヘブロンに面する山の頂に運んでいった。

4 またその後,彼はソレクの奔流の谷のひとりの女を愛するようになった。その女は名をデリラといった。5 すると,フィリスティア人の枢軸領主たちは彼女のところに上って来て,こう言った。「彼をだまして,彼の大きな力が何によるのか,どのようにしたら彼に打ち勝つことができるか,どうしたら必ず彼を縛ってこれを制することができるのかを見てくれ。そうすれば我々としては,めいめいが銀千百枚をお前に与えよう」。

6 後にデリラはサムソンに言った,「どうか,是非わたしに教えてください。あなたの大きな力は何によるのですか。どのようにしたらあなたも縛られて,人に制せられるようになるのですか」。7 するとサムソンは言った,「まだ水気があって乾燥しきっていない筋七本で縛るなら,わたしも弱くなって普通の人と同じようになるはずだ」。8 それでフィリスティア人の枢軸領主たちは,まだ水気があって乾燥しきっていない筋七本を彼女のところに持って来た。後に彼女はそれで[サムソン]を縛った。9 さて,彼女の奥の部屋には待ち伏せの者が座していた。そして彼女は,「サムソン,フィリスティア人が来ています!」と言うのであった。すると,彼はその筋を二つに引きちぎってしまった。火のにおいのついた粗麻のより糸が二つに引きちぎられるかのようであった。こうして彼の力については知られなかった。

10 続いてデリラはサムソンに言った,「ご覧なさい,あなたはわたしをからかって,わたしにうそを言おうとされました。今度こそ,どうしたらあなたも縛られるのか,是非わたしに教えてください」。11 それで彼は言った,「まだ仕事に用いたことのない新しい縄で固く縛るなら,わたしも弱くなって普通の人と同じようになるはずだ」。12 そこでデリラは新しい縄を取り,それで彼を縛ってこう言った。「サムソン,フィリスティア人が来ています!」 その間ずっと,待ち伏せの者が奥の部屋に座していた。すると,彼はそれを縫い糸のように二つに引きちぎって腕から落とした。

13 その後デリラはサムソンに言った,「これまでずっとあなたはわたしをからかって,わたしにうそを言おうとされました。どうしたらあなたも縛られるのか,どうしても話してください」。そこで彼は言った,「わたしの頭の七房の編み髪を縦糸で織り合わせるならば」。14 そこで彼女はそれを留め針でつづり合わせ,その後,「サムソン,フィリスティア人が来ています!」と言った。すると彼は眠りから覚め,機織り用の留め針と縦糸とを引き抜いた。

15 このとき彼女は言った,「あなたは『お前を愛している』などとよくも言えるものです。あなたの心はわたしと共になどありもしませんのに。こうして三度もわたしをからかって,あなたの大きな力が何によるのかを知らせてはくれませんでした」。16 そして彼女が終始言葉で言い迫って,しきりにせがんだため,彼の魂もこらえ切れないで死ぬほどになった。17 ついに彼は自分の心のすべてを彼女に明かしてこう言った。「かみそりがわたしの頭に当てられたことはない。わたしは母の腹にいた時から神のナジル人なのだ。もしわたしの髪の毛がそり落とされたなら,わたしの力も必ずわたしから去り,わたしはまさに弱くなって他のすべての人と同じようになるはずだ」。

18 彼が心のすべてを明かしたのを見ると,デリラはすぐに人をやってフィリスティアの枢軸領主たちを呼び,こう言った。「今度こそ上って来てください。あの人は自分の心のすべてをわたしに明かしたからです」。それでフィリスティアの枢軸領主たちは彼女のもとに上って来た。金をその手に携えて来るためであった。19 そこで彼女は[サムソン]を自分のひざの上で眠らせた。そうして人を呼び,その者に彼の頭の七房の編み髪をそり落とさせた。するとそれ以後,彼女は[サムソン]を制することができるようになり,また彼の力は次第に去っていった。20 このとき彼女は言った,「サムソン,フィリスティア人が来ています!」 それを聞くと彼は眠りから覚めてこう言った。「わたしはこれまでのように出て行って振りほどこう」。だが,彼自身は,エホバが自分から離れたことを知らなかった。21 こうしてフィリスティア人は彼を捕まえ,その両目をくじり取ってガザに連れ下り,銅の足かせ二つをこれに掛けた。彼は獄屋の中で粉をひく者となった。22 ところで,彼の頭の毛は,そり落とされるとすぐまた豊かに伸び始めた。

23 一方フィリスティアの枢軸領主たちは,自分たちの神ダゴンに大いなる犠牲をささげるため,また歓び合うため共に集まって,しきりにこう言った。「我々の神が敵のサムソンを我々の手に与えてくれた!」24 民は彼を見ると,すぐに自分たちの神を賛美し始めた。「我々の神が,我々の敵をこの手に与えてくれたのだ。我々の土地を荒らした者,我々のうちの非常に多くを打ち殺したその者を」と彼らは言った。

25 そして,彼らはその心に浮かれてこう言いだした。「サムソンを呼んで来て,我々のために何かの楽しみ事を行なわせようではないか」。それで彼らはサムソンを獄屋の中から呼び出した。みんなの前で戯れ事を行なわせようとしてであった。そして彼を柱の間に立たせた。26 その時サムソンは自分の手を取っていた少年にこう言った。「この家の堅い支えとして立つ柱に触らせて,それに寄りかからせてくれまいか」。27 (ところで,その家は男女でいっぱいになっており,フィリスティアの枢軸領主たちは皆そこにいた。屋上にはおよそ三千人の男女がおり,サムソンが何かの楽しみ事をするのを見ようとしていた。)

28 この時サムソンはエホバに呼びかけて言った,「主権者なる主エホバ,どうかわたしを思い出してください。どうかこの一度だけわたしを強くしてください,[まことの]神なる方よ。フィリスティア人に復しゅうさせてください。わたしの二つの目のうちせめてその一つに対する復しゅうを」。

29 そうしてサムソンは,その家の堅い支えとして立つ真ん中の二本の柱に向かってしっかりと立ち,その一方を右手,もう一方を左手につかんだ。30 それからサムソンは言った,「わたしの魂はフィリスティア人と共に死ぬのだ」。そうして彼が力を込めて身をかがめると,その家は枢軸領主たちの上,またそこにいたすべての民の上に崩れ落ちた。そのため,彼が自分の死のさいに死に至らせた死者は,生きている間に死に至らせた者より多くなった。

31 後に彼の兄弟たちまたその父の家のすべての者が下って来て彼を抱え上げ,これを携え上って,ツォルアとエシュタオルの間にある父マノアの埋葬所に葬った。彼はイスラエルを二十年裁いたのである。
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聖書 裁き人の書 15章

聖書 裁き人の書 15章

15 その後しばらくして,小麦の収穫の時期に,サムソンは子やぎを携えて自分の妻を訪ねに行った。そうして彼は言った,「奥の部屋にいるわたしの妻のところに入るのだ」。だが,彼女の父親は,彼が入ることを許さなかった。2 かえって,その父親は言った,「『あなたはきっとあの子を嫌っているに違いない』と,わたしは確かに思った。それであれは,あなたの花婿付き添い人に与えたのだ。妹のほうがあれより良いではないか。さあ,それを代わりにあなたのものとするがよい」。3 しかしサムソンはそこの人々に言った,「フィリスティア人に害を加えたとしても,今度はわたしの罪科とはならないはずです」。

4 そしてサムソンは出かけて行って三百匹のきつねを捕まえ,またたいまつを手に取った。そして,尾と尾が向き合うようにさせ,二つの尾の間,その真ん中に一本のたいまつを取り付けた。5 その後たいまつに火を付けて,それら[のきつね]をフィリスティア人の刈ってない穀物畑の中に放った。こうして彼は,穀物の束から刈り取っていない穀物まですべての物,またぶどう園とオリーブ畑とを火で焼いた。

6 それでフィリスティア人は,「だれがこんな事をしたのか」と言いだした。そして彼らは言った,「あのティムナ人の娘婿サムソンだ。彼がその妻を取って,花婿付き添い人に与えたからだ」。そこでフィリスティア人は上って行って,彼女とその父とを火で焼いた。7 それに対してサムソンは言った,「あなた方がこのような事をするなら,わたしとしてもあなた方に復しゅうするよりない。その後にわたしはやめよう」。8 そして彼はその者たちに打ちかかり,股の上に脚を[積み重ねて]大々的な殺りくを行なった。その後,下って行ってエタムの大岩の裂け目に住むようになった。

9 後にフィリスティア人は上って来て,ユダの中に宿営を張り,レヒを踏みにじった。10 そこでユダの人々は言った,「どうしてあなた方はわたしたちに向かって上って来たのですか」。すると彼らは言った,「サムソンを縛るために上って来た。彼が我々にしたとおりにしてやるためだ」。11 それでユダの人々三千人はエタムの大岩の裂け目に下って行って,サムソンにこう言った。「フィリスティア人がわたしたちを支配していることをあなたは知らないのですか。それなのに,あなたがわたしたちにしたこと,これはどういう意味ですか」。すると彼は言った,「彼らがわたしにしたとおりにわたしも彼らにしたのです」。12 しかし彼らは言った,「あなたを縛るためにわたしたちは下って来ました。あなたをフィリスティア人の手に渡すためです」。するとサムソンは言った,「あなた方はわたしを襲わない,と誓ってください」。13 それで彼らは言った,「そうです,わたしたちはあなたをただ縛るだけです。あなたを彼らの手に渡しますが,わたしたちがあなたを死なせるようなことは決してしません」。

こうして人々は彼を二本の新しい縄で縛り上げて大岩から連れ出した。14 彼がレヒまで来ると,フィリスティア人は彼を迎えて歓呼するのであった。その時エホバの霊が彼に働きはじめ,その両腕にあった縄は火で焼け焦げた亜麻糸のようになって,かせは手から溶け去った。15 次いで彼は,雄ろばの水気のあるあご骨を見つけ,手を伸ばしてそれを取り,それをもって一千人の者を討ち倒していった。16 この時サムソンは言った,

「雄ろばのあご骨をもって,一山,二山!

雄ろばのあご骨をもってわたしは一千人を討ち倒した」。

17 そして,こう語り終えると,彼はすぐにそのあご骨を手から投げ,その場所をラマト・レヒと呼んだ。18 そのとき彼は非常な渇きを覚え,エホバを呼び求めてこう言った。「この大いなる救いをこの僕の手中に与えてくださったのはあなたです。それなのに今,わたしは渇きのために死ぬのでしょうか。無割礼の者たちの手に落ちなければならないのでしょうか」。19 すると神はレヒにある搗き臼型のくぼ地を裂いて開かれたため,水がそこから出て来た。彼はそれを飲み,そののち彼の霊は元に戻って,彼は生気づいた。そのため彼はそこの名をエン・ハコレと呼んだ。それは今日までレヒにある。

20 そして彼はフィリスティア人の日にイスラエルを二十年間裁いた。
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聖書 裁き人の書 14章

聖書 裁き人の書 14章

14 その後サムソンはティムナに下り,ティムナでフィリスティア人の娘のうちのひとりの女を見そめた。2 それで彼は上って行き,自分の父と母に話してこう言った。「わたしがティムナで見た,フィリスティア人の娘のうちのひとりの女がいます。今,彼女をわたしの妻としてもらってください」。3 しかし父と母は彼に言った,「お前の兄弟たちの娘の中にもわたしのすべての民の中にも女がいないので,それでお前は無割礼のフィリスティア人の中から妻をめとるというのか」。それでもサムソンは父に言った,「ともかく彼女をわたしのためにもらってください。わたしの目にまさにかなう[娘]なのです」。4 父と母は,これがエホバから出ていること,彼がフィリスティア人に立ち向かう機会を求めていることを知らなかった。そのころフィリスティア人はイスラエルを支配していたのである。

5 こうしてサムソンは自分の父と母を連れてティムナに下って行った。彼がティムナのぶどう園のところまで来ると,見よ,たてがみのある若いライオンが向かって来てほえたけるのであった。6 ときにエホバの霊が彼に働きはじめた。そのため彼は,人が雄の子やぎを二つに裂くかのようにしてそれを二つに引き裂いた。しかもその手には何も持っていなかった。そして彼は自分のした事について父や母に話さなかった。7 彼はさらに下って行って,その女に語りはじめた。彼女は依然サムソンの目にかなう人であった。

8 さて,そのしばらく後,彼はその[娘]を連れて来ようとして再びそこに行った。その途中,わきに寄ってそのライオンの死がいを見ると,そこには,ライオンのしかばねの中に蜜ばちの群れがおり,蜜もたまっているのであった。9 それで彼はそれを自分の手のひらにかき集めてから歩きつづけ,歩きながらそれを食べた。父と母のところに戻ると,すぐにそれを少し与え,彼らもそれを食べはじめた。そして彼は,ライオンのしかばねからその蜜をかき集めたことも彼らに話さなかった。

10 そして彼の父はそのままその女のところに下って行き,サムソンはそこで宴会を催すことになった。若者たちはそのようにするのが常だったからである。11 そして,彼を見ると,人々はすぐに三十人の花婿付き添い人を連れて来て,その者たちが彼と一緒にいるようにするのであった。12 そこでサムソンは彼らに言った,「どうか,あなた方になぞを掛けさせてください。もしあなた方がこの宴会の七日の間に間違いなくそれを告げ,確かにそれを解くならば,わたしとしては三十枚の下着と三十着の衣服を必ずあなた方に上げます。13 しかし,もしそれを告げることができないなら,あなた方のほうが三十枚の下着と三十着の衣服をわたしにくれなければなりません」。そこで彼らは言った,「どうぞあなたのなぞを出してください。わたしたちにそれを聞かせてください」。14 それで彼は言った,

「食らう者から食い物が出,
強い者から甘い物が出た」。

だが,彼らは三日の間このなぞ[の意味]を告げることができなかった。15 そして四日目になって彼らはサムソンの妻にこう言いだした。「あなたの夫をだまして,彼が我々にこのなぞを告げるようにしてくれ。でなければ,お前とお前の父の家を火で焼いてやる。我々の持ち物を取るために我々をここに招いたのか」。16 そのためサムソンの妻は彼に泣きついてこう言いだした。「あなたはわたしを嫌っているだけです。そうです,愛してなどはいないのです。あなたがわたしの民の子らに掛けたなぞがありましたが,わたしにそれを教えてくれませんでした」。そこで彼は言った,「どうして,わたしの父や母にも話していないのに,それをお前に話すべきなのか」。17 しかし,ふたりのための宴会が続いた七日のあいだ彼女はずっと泣きついてくるのであった。それで七日目になって彼はついにそれを告げた。彼女がしきりに迫ったためであった。それで彼女はそのなぞについて自分の民の子らに告げた。18 そのため,その都市の人々は,七日目,彼がまだ奥の部屋に入らないうちにこう言った。

「蜜より甘いものに何があろう。
ライオンより強いものに何があろう」。

それに対して彼は言った,
「わたしの若い雌牛ですき返さなかったなら,
あなた方はわたしのなぞは解けなかったのだ」。

19 そしてエホバの霊が彼に働くようになった。そのため彼はアシュケロンに下って行ってそこの人々三十人を打ち倒し,その人々からはぎ取ったものを持って来て,その[衣服]を,なぞを告げた者たちに与えた。それでも,その怒りを熱くしたまま,彼は自分の父の家に上って行った。

20 そしてサムソンの妻は,花婿付き添い人のひとり,すなわち彼と交わっていた者のものとなった。
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聖書 裁き人の書 13章

聖書 裁き人の書 13章

13 そしてイスラエルの子らは再びエホバの目に悪を行なうようになった。そのためエホバはこれを四十年の間フィリスティア人の手に渡された。

2 そうしたころに,ツォルアの人で,ダン人の家族に属するひとりの人がいた。その名はマノアといった。また,その妻はうまずめであり,子を産んだことがなかった。3 やがてエホバのみ使いがその女に現われてこう言った。「さあ,見なさい,あなたはうまずめで,子を産んだことがない。だが,あなたは必ず妊娠して,男の子を産むであろう。4 それで今,どうか自分に気を付けて,ぶどう酒や酔わせる酒を飲まず,汚れたものをいっさい食べないようにしなさい。5 見よ,あなたは妊娠し,必ず男の子を産む。かみそりをその頭に当ててはいけない。その子供は腹を出た時から神のナジル人となるからである。その者は,先頭に立ってイスラエルをフィリスティア人の手から救う者となる」。

6 そこで彼女は行って自分の夫にこう言った。「[まことの]神の人がいて,わたしのところに来ました。その姿は[まことの]神のみ使いの姿のようで,大いに畏怖の念を抱かせるものでした。それでわたしは,その人がどこから来たかを尋ねませんでしたが,その人も自分の名を言いませんでした。7 ただその人はこう言いました。『見よ,あなたは妊娠する。あなたは必ず男の子を産むであろう。それで今,ぶどう酒や酔わせる酒を飲まず,汚れたものをいっさい食べないようにしなさい。その子は,腹を出た時から死ぬ日まで神のナジル人となるからである』」。

8 するとマノアはエホバに懇願しはじめてこう言った。「失礼ですが,エホバ,あなたがいま遣わしてくださった[まことの]神の人,その人がどうかもう一度わたしたちのところに来て,生まれて来るその子に何を行なったらよいかをわたしたちに教えるようにしてください」。9 すると,[まことの]神はマノアの声を聴き入れられ,[まことの]神のみ使いが再びその女のところにやって来た。彼女が野に座している時であったが,夫マノアは共にいなかった。10 すぐに女は急いで走って行き,夫に告げてこう言った。「見てください,先日わたしのところに来た人が,わたしに現われました」。

11 そこでマノアは身を起こし,妻に付いてその人のところに来た。そしてこう言った。「あなたがこの女にお話しくださった方でしょうか」。それに対し彼は,「そうだ」と言った。12 それでマノアは言った,「では,あなたのお言葉がそのとおりになりますように。その子の生活の仕方と仕事とはどのようなものとなるのでしょうか」。13 するとエホバのみ使いはマノアに言った,「わたしがこの女に述べたすべてのもの,それを彼女は断つべきである。14 ぶどうの木から生じる物を何一つ食べてはいけない。ぶどう酒や酔わせる酒を飲まず,汚れたものをいっさい食べないようにせよ。すべてわたしが命じたことを彼女は守るように」。

15 その時マノアはエホバのみ使いに言った,「どうかあなたをお引き留めさせてください。み前に子やぎを調理いたしましょう」。16 しかしエホバのみ使いはマノアに言った,「あなたが引き留めても,わたしはあなたのパンは食べないであろう。だが,エホバに焼燔の捧げ物をするというのであれば,それをささげてもよい」。マノアは,それがエホバのみ使いであることを知らなかったのである。17 それでマノアはエホバのみ使いに言った,「あなたのお名前は何といわれるのでしょうか。お言葉がそのとおりになる時,わたしたちがあなたに間違いなく敬意を表わせますように」。18 しかしエホバのみ使いは彼に言った,「一体どうしてわたしの名について尋ねたりするのか。それは驚嘆すべきものであるのに」。

19 それでマノアは子やぎと穀物の捧げ物とを持って来て,それを岩の上でエホバにささげた。すると,マノアとその妻が見守る中で,[神]は驚嘆すべき方法で事を行なわれるのであった。20 そして,炎が祭壇から天のほうに上ると,その時エホバのみ使いは,マノアとその妻とが見守る中,祭壇の火のうちにあって上って行くのであった。直ちにふたりは地にひれ伏した。21 そして,エホバのみ使いはマノアとその妻にそれ以上繰り返して現われることはなかった。その時になって,マノアは,それがエホバのみ使いであったことを知った。22 そのためマノアは妻に言った,「わたしたちはきっと死んでしまうだろう。神を見てしまったのだから」。23 しかし妻は言った,「もしエホバがただわたしたちを死なせることを喜びとしておられたのでしたら,わたしたちの手から焼燔の捧げ物や穀物の捧げ物を受け入れたりはされなかったはずです。そして,こうしたことすべてを示してくださることも,このようなことを今のように聞かせてくださることもなかったでしょう」。

24 後に彼女は男子を産み,その名をサムソンと呼んだ。男の子は次第に大きくなり,エホバは引き続きこれに祝福をお与えになった。25 やがて,ツォルアとエシュタオルの間のマハネ・ダンにおいて,エホバの霊は彼を駆り立てるようになった。
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聖書 裁き人の書 12章

聖書 裁き人の書 12章

12 その時エフライムの人々は呼び集められ,渡って来て北に進み,エフタに向かってこう言った。「あなたが渡って行ってアンモンの子らと戦うのに,一緒に行くようわたしたちに呼びかけをしなかったのはどうしてか。あなたの家をあなたもろとも火で焼いてやろう」。2 しかしエフタは彼らに言った,「わたしは,すなわちわたしとわたしの民は,アンモンの子らに対して特別の闘いをする者となりました。そしてわたしはあなた方に援助を求めましたが,あなた方はわたしを彼らの手から救ってはくれませんでした。3 あなたが救い手とはならないのを見た時,わたしは自分の魂を自らの掌中に置いてアンモンの子らに向かって行くことを決意しました。すると,エホバは彼らをわたしの手に与えてくださったのです。それですから,この日になってわたしを攻めて来て,わたしと戦おうとするのはどうしてなのですか」。

4 すぐにエフタはギレアデのすべての人々を集めてエフライムと戦った。ギレアデの人々はエフライムを討ち倒していった。[エフライム]は,「ギレアデよ,エフライムの中,マナセの中にあって,お前はエフライムから逃れ出た者だ」と言っていたのである。5 そしてギレアデはエフライムより先にヨルダンの渡り場を攻略した。逃れて来たエフライムの人々が「渡らせてくれ」と言うと,ギレアデの人々はその一人一人に,「あなたはエフライム人か」と言うのであった。その者が「違う!」と言うと,6 彼らは,「さあ,シボレトと言ってみなさい」と言った。するとその者は,その言葉を正しく言えず,「スィボレト」と言うのであった。そこで彼らはその者を捕らえてヨルダンの渡り場で打ち殺したのである。こうしてその時エフライムのうち四万二千人が倒れた。

7 そしてエフタは引き続き六年の間イスラエルを裁いた。その後ギレアデ人エフタは死んで,ギレアデの自分の都市に葬られた。

8 次いで彼の後,ベツレヘムから出たイブツァンがイスラエルを裁きはじめた。9 そして彼は三十人の息子と三十人の娘を持つようになった。彼はよその土地に人を送って,自分の息子のためによその土地から三十人の娘を連れて来させた。そして彼はイスラエルを七年のあいだ裁いた。10 その後イブツァンは死んでベツレヘムに葬られた。

11 次いで彼の後ゼブルン人エロンがイスラエルを裁きはじめた。そして彼はイスラエルを十年間裁いた。12 その後ゼブルン人エロンは死んで,ゼブルンの地のアヤロンに葬られた。

13 また彼の後ピルアトン人ヒレルの子アブドンがイスラエルを裁きはじめた。14 そして彼は四十人の息子と三十人の孫を持つようになった。それらは七十頭のろばの成獣に乗る者たちであった。そして彼はイスラエルを八年間裁いた。15 その後ピルアトン人ヒレルの子アブドンは死んで,エフライムの地,アマレク人の山中にあるピルアトンに葬られた。
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聖書 裁き人の書 11章

聖書 裁き人の書 11章


11 さて,ギレアデ人エフタは力ある勇敢な人となっていた。彼は遊女の子であり,ギレアデがエフタの父であった。2 また,ギレアデの妻も彼に息子たちを産んだ。妻の息子たちは,大きくなると,エフタを追い出そうとしてこう言った。「わたしたちの父の家族内であなたが相続分を持つことがあってはならない。あなたは別の女の子なのだから」。3 それでエフタは兄弟たちのゆえに逃げて行き,トブの地に住むようになった。そして,することのない男たちがエフタのもとに集まって,彼と共に出て行くのであった。

4 それからしばらく後,アンモンの子らはイスラエルに対して戦いを始めた。5 そして,アンモンの子らがイスラエルと実際に戦うようになると,ギレアデの年長者たちはすぐに行って,エフタをトブの地から連れて来ようとした。6 そして彼らはエフタにこう言った。「ぜひ来て,わたしたちの司令官になってください。アンモンの子らに対して戦おうではありませんか」。7 しかしエフタはギレアデの年長者たちに言った,「あなた方のほうでわたしを憎んで,父の家から追い出したのではありませんか。それなのに,どうして今になってわたしのところに来るのですか。自分たちが苦難にぶつかった時になって」。8 これに対しギレアデの年長者たちはエフタに言った,「だからこそわたしたちは今あなたのもとに戻って来たのです。是非ともわたしたちと一緒に行って,アンモンの子らと戦ってください。是非わたしたちのためギレアデの全住民の頭となってください」。9 それでエフタはギレアデの年長者たちに言った,「もしあなた方がアンモンの子らと戦うためにわたしを連れ戻すというのであれば,そしてエホバが彼らをわたしに渡してくださるのであれば,わたしとしてもあなた方の頭となりましょう!」10 するとギレアデの年長者たちはエフタに言った,「わたしたちの行なうことがあなたの言葉どおりでないとすれば,エホバがわたしたちの間の聴き手となられますように」。11 そこでエフタはギレアデの年長者たちと共に行き,民は彼を頭また司令官として自分たちの上に立てた。その後エフタはミツパにおいて自分のすべての言葉をエホバの前に述べた。

12 次いでエフタはアンモンの子らの王のもとに使者を送ってこう言った。「あなたはわたしを攻めて来て,わたしの土地で戦いをしようとしていますが,わたしはあなたとどんなかかわりがあるのでしょうか」。13 するとアンモンの子らの王はエフタの使者たちに言った,「イスラエルは,エジプトから上って来た時,わたしの土地を,すなわちアルノンからヤボクまで,さらにヨルダンまでを取ったからだ。ゆえに今,それを平和裏に返すように」。14 しかしエフタはアンモンの子らの王のもとにもう一度使者たちを送って,15 こう言わせた。

「エフタはこのように申しました。『イスラエルはモアブの土地またアンモンの子らの土地を取ったのではありません。16 エジプトから上って来た時,イスラエルは荒野を歩いて紅海まで行き,カデシュに着いたのです。17 その時イスラエルはエドムの王に使者たちを送って,「どうかあなたの土地を通らせてください」と言いましたが,エドムの王は聴き入れませんでした。また,モアブの王のもとにも使者をやりましたが,彼はそれに応じませんでした。そのためイスラエルはずっとカデシュにとどまっていました。18 次いで荒野を歩いた時にも,彼らはエドムの土地とモアブの土地をう回して進んだため,モアブの土地に関しては日の出の方向に進み,アルノンの地域に宿営を張りました。モアブの境界内には入らなかったのです。アルノンがモアブの境界だったからです。

19 「『その後イスラエルは使者たちを,アモリ人の王シホン,ヘシュボンの王のもとに送り,イスラエルはこう述べました。「どうかあなたの土地を通らせてわたしの所に行かせてください」。20 するとシホンは,イスラエルが彼の領地内を通過することについて納得せず,シホンは自分のすべての民を集めてヤハツに陣営を敷き,イスラエルに対して戦いをしかけてきました。21 これに対し,イスラエルの神エホバはシホンとそのすべての民をイスラエルの手にお与えになり,そのため彼らはこれを討ち,イスラエルはその地に住むアモリ人のすべての土地を取得しました。22 こうして彼らはアモリ人のすべての領地,すなわちアルノンからヤボクまで,また荒野からヨルダンまでを取得したのです。

23 「『ですから今,イスラエルの神エホバが,アモリ人をご自分の民イスラエルの前から立ち退かせたのです。それなのにあなた方は,この者たちを立ち退かせようとしています。24 だれにせよあなたの神ケモシュの立ち退かせる者がいれば,それをあなたは立ち退かせるのではありませんか。また,すべてわたしたちの神エホバがわたしたちの前から立ち退かせた者,それをわたしたちは立ち退かせるのではありませんか。25 そして今,あなたは,チッポルの子,モアブの王バラクに何か勝るところがあるのでしょうか。彼がイスラエルと論じ合い,あるいはこれに対して戦ったことがかつてあるでしょうか。26 イスラエルはヘシュボンとそれに依存する町々,アロエルとそれに依存する町々,またアルノンの岸に近いすべての都市に三百年も住んでいたのに,どうしてその間にそれを奪い取らなかったのですか。27 このわたしは,あなたに罪をおかしてはいません。それなのにあなたはわたしに戦いをしかけて,わたしに悪を行なっています。裁き主なるエホバが今日,イスラエルの子らとアンモンの子らとの間を裁かれますように』」。

28 だが,アンモンの子らの王は,エフタが送った言葉を聴き入れなかった。

29 この時エホバの霊がエフタに臨んだ。彼はギレアデとマナセを通り,ギレアデのミツペを通って行き,ギレアデのミツペからアンモンの子らのところへ進んで行った。

30 その時エフタはエホバに誓約をしてこう言った。「もしアンモンの子らを間違いなくわたしの手に与えてくださるならば,31 わたしがアンモンの子らのもとから無事に戻って来た時にわたしの家の戸口から迎えに出て来る者,その出て来る者はエホバのものとされることになります。わたしはその者を焼燔の捧げ物としてささげなければなりません」。

32 こうしてエフタはアンモンの子らのところに進んで行って彼らと戦ったが,エホバはこれを彼の手にお与えになった。33 それで[エフタ]は彼らを討ってアロエルからミニトまで二十の都市,さらにアベル・ケラミムまで進んで,はなはだ大いなる殺りくを行なった。こうしてアンモンの子らはイスラエルの子らの前に従えられた。

34 ようやくエフタはミツパの自分の家に戻った。すると,見よ,自分の娘が,タンバリンを鳴らしつつ,踊りながら迎えに出て来たのである。ところで,彼女は全くの一人子であった。そのほかには息子も娘もいなかった。35 それで,彼女を目にした時,彼は衣を引き裂きながらこう言った。「ああ,我が娘よ! お前はまことにわたしをかがませた。わたしが締め出していた者,お前がそれになったとは。しかもわたしは,エホバに対して自分の口を開いてしまった。引き下がることはできない」。

36 しかし彼女は言った,「お父さま,エホバに向かって口を開かれたのでしたら,口から出たそのとおりにわたしになさってください。エホバはあなたの敵のアンモンの子らに対して復しゅうを遂げてくださったのですから」。37 そして彼女は父親にさらに言った,「わたしのためにこの事が行なわれますように。二月の間わたしを独りにさせて,行かせてください。わたしは山に下りてまいります。そして,わたしの女友達と共に,わたしが処女であることについて泣くことをお許しください」。

38 それで彼は言った,「行きなさい」。こうして彼女を二月のあいだ去らせた。彼女は自分の女友達と一緒に出かけて行き,自分が処女であることについて山の上で泣き悲しんだ。39 そして二月が終わると,彼女は父のもとに帰った。そののち彼は,[娘]について自分が立てた誓約をそのとおりに行なった。彼女は男と関係を持つことはなかった。そしてイスラエルにおいてはこれが定めとなった。40 すなわち,年ごとにイスラエルの娘たちは出かけて行き,年に四日ずつギレアデ人エフタの娘をほめるのであった。
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聖書 裁き人の書 10章

聖書 裁き人の書 10章

10 さて,アビメレクの後,イッサカルの人で,ドドの子のプアの子であるトラが,イスラエルを救うために立ち上がった。彼はエフライムの山地のシャミルに住んでいた。2 そして彼はイスラエルを二十三年間裁き,そののち死んでシャミルに葬られた。

3 次いで彼の後,ギレアデ人ヤイルが立ち,イスラエルを二十二年間裁いた。4 そして彼は三十頭のろばの成獣に乗る三十人の息子を持つようになり,その者たちは三十の都市を持っていた。それらを彼らは今日までハボト・ヤイルと呼んでいる。それはギレアデの地にある。5 その後ヤイルは死んでカモンに葬られた。

6 そしてイスラエルの子らは再びエホバの目に悪を行ないはじめ,もろもろのバアル,アシュトレテの像,シリアの神々,シドンの神々,モアブの神々,アンモンの子らの神々,フィリスティア人の神々に仕えるようになった。こうして彼らはエホバから離れてこれに仕えなかった。7 ここにおいてエホバの怒りはイスラエルに対して燃え,彼らをフィリスティア人の手に,またアンモンの子らの手に売り渡された。8 そのため,これらの者はその年にイスラエルの子らを打ち砕いて,ひどく虐げた。ヨルダンの,アモリ人の地の側,すなわちギレアデに住むイスラエルのすべての子らにとって,それは十八年に及んだ。9 そして,アンモンの子らはヨルダンを渡って来て,ユダやベニヤミンまたエフライムの家とさえ戦うのであった。イスラエルは大いに苦しめられた。10 それでイスラエルの子らはエホバに助けを呼び求めるようになって,こう言った。「わたしたちはあなたに罪をおかしました。自分たちの神から離れて,もろもろのバアルに仕えているからです」。

11 その時エホバはイスラエルの子らにこう言われた。「エジプトから,アモリ人から,アンモンの子らから,そしてフィリスティア人,12 シドン人,アマレクとミディアンから,彼らがあなた方を圧迫し,あなた方がわたしに向かって叫びだした時に,わたしはあなた方をその手から救い出したのではなかったか。13 それなのにあなた方は,わたしを捨てて他の神々に仕えるようになった。それゆえわたしは二度とあなた方を救わないであろう。14 行って,自分たちが選んだ神々に助けを呼び求めよ。あなた方の苦しみの時に彼らにその救い手とならせよ」。15 しかしイスラエルの子らはエホバに言った,「わたしたちは罪をおかしました。何であれあなたの目に善しとされるところをわたしたちに行なってください。ただ,今日この日に,どうかわたしたちを救い出してください」。16 そして彼らは自分たちの中から異国の神々を除き去って,エホバに仕えるようになった。そのため[神]の魂はイスラエルの難儀を耐え忍べなくなった。

17 やがてアンモンの子らは呼び集められて,ギレアデに陣営を敷いた。それでイスラエルの子らも集い寄って,ミツパに陣営を敷いた。18 すると,ギレアデの民と君たちは互いにこう言いはじめた。「アンモンの子らとの戦いにおいて先に立つ者はだれか。その者をギレアデのすべての住民の頭とならせよう」。
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聖書 裁き人の書 9章

聖書 裁き人の書 9章

9 やがてエルバアルの子アビメレクはシェケムにいる自分の母の兄弟たちのところに行き,彼らおよび自分の母の父の家の全家族に語りかけてこう言った。2 「シェケムの土地所有者すべての聞くところで,どうかこう話してください。『七十人が,すなわちエルバアルの息子たち全員があなた方を支配するのと,一人の者が支配するのとでは,どちらがあなた方にとって良いだろうか。そして,わたしがあなた方の骨肉だということを,ぜひ覚えていてもらいたい』」。

3 そこで彼の母の兄弟たちは,シェケムのすべての土地所有者たちの聞くところで,彼に関するこれらの言葉をすべて話していった。そのため彼らの心はアビメレクに傾くようになった。「彼は我々の兄弟なのだ」と彼らは言うのであった。4 そうして彼らはバアル・ベリトの家から銀七十枚を彼に与えた。アビメレクはそれをもって怠惰で不遜な男たちを雇い入れた。自分に付き添わせるためであった。5 そののち彼はオフラにある自分の父の家に行き,自分の兄弟たち,エルバアルの息子たち七十人を一つの石の上で殺した。しかし,エルバアルの一番下の息子ヨタムだけは残った。彼は隠れていたのである。

6 その後すぐシェケムの土地所有者すべてとミロの全家は共に集まり,行って,アビメレクが王として統治するようにした。それは大木,すなわちシェケムの柱のすぐ近くでのことであった。

7 人々がそのことを伝えると,ヨタムはすぐさま行ってゲリジム山の頂に立ち,声を上げて呼ばわり,人々にこう言った。「シェケムの土地所有者たち,わたし[の言うところ]を聴け。そして,神もあなた方[の言うところ]を聴かれるように。

8 「昔,木々が自分たちを治める王に油をそそぐために出かけて行った。そうして彼らはオリーブの木にこう言った。『是非ともわたしたちを治める王になってください』。9 しかしオリーブの木は彼らに言った,『わたしは神と人との栄光となるわたしの肥えたものを捨てて,他の木々の上に揺れ動くために出かけて行かなければならないのか』。10 そこで木々はいちじくの木に言った,『あなたが来て,わたしたちの上に女王となってください』。11 ところがいちじくの木は言った,『わたしは自分の甘みと良い産物とを捨てて,他の木々の上に揺れ動くために出かけて行かなければならないのでしょうか』。12 次に木々はぶどうの木に言った,『あなたが来て,わたしたちの上に女王となってください』。13 それに対してぶどうの木は言った,『わたしは神と人とを歓ばせるわたしの新しいぶどう酒を捨てて,他の木々の上に揺れ動くために出かけて行かなければならないでしょうか』。14 最後に他のすべての木は野いばらに言った,『あなたが来て,わたしたちの上に王となってください』。15 これに対し野いばらは木々に言った,『あなた方がわたしに油をそそいであなた方の王にするというのが真実であるなら,来てわたしの影の下に避難したらよいだろう。だが,もしそうでないのなら,火がこの野いばらから出て,レバノンの杉をも焼き尽くすように』。

16 「それで今,あなた方の行動が,そしてアビメレクを王にしたことが,真実から出た,とがのないことであるのなら,またあなた方がエルバアルとその家の者たちに行なったのが善いことであったのなら,さらに彼に対しその手の働きに価するとおりのことを行なったのであれば― 17 わたしの父はあなた方のために戦い,あなた方をミディアンの手から救い出そうと自分の魂をさえ危うくした。18 それなのにあなた方は今日わたしの父の家の者たちに敵して立ち上がり,その子ら七十人を一つの石の上で殺し,奴隷女の子アビメレクを,それがただ自分たちの兄弟であるというだけで,シェケムの土地所有者たちの王にならせようとした。19 そうだ,あなた方がエルバアルとその家の者たちに対して今日この日に行なったことが真実から出た,とがのないことであったというなら,アビメレクのことを歓び,彼もまたあなた方のことを歓ぶがよい。20 だが,もしそうでないのであれば,火がアビメレクから出て,シェケムの土地所有者たちとミロの家とを焼き,またシェケムの土地所有者たちとミロの家からも火が出てアビメレクを焼き尽くすように」。

21 その後ヨタムは逃走し,逃げてベエルに行き,その兄弟アビメレクのゆえにそこに住むようになった。

22 そしてアビメレクはイスラエルに対して三年のあいだ君として振る舞った。23 そののち神はアビメレクとシェケムの土地所有者たちとの間に険悪な霊を生じさせ,シェケムの土地所有者たちはアビメレクに対して不実な態度を取るようになった。24 これは,エルバアルの七十人の子らに対してなされた暴虐[の報い]が臨むため,彼らの血を,それを殺したその兄弟アビメレクの上に帰させるためであった。また,彼の手を強めてその兄弟たちを殺させたシェケムの土地所有者たちの上にも[帰させるためであった]。25 それでシェケムの土地所有者たちは山々の頂に彼に対する待ち伏せの者を置き,その者たちは,道を来てそばを通るすべての者に対して強奪を働くのであった。やがてそのことはアビメレクに伝えられた。

26 その時エベドの子ガアルとその兄弟たちがやって来た。彼らは渡って来てシェケムに入った。やがてシェケムの土地所有者たちは彼を信頼するようになった。27 後に彼らはいつものように野に出て行き,自分たちのぶどう園からぶどうを取り集めてそれを踏み,祭りの歓喜にふけり,そののち自分たちの神の家に入って食い飲みし,アビメレクの上に災いを呼び求めた。28 すると,エベドの子ガアルはさらにこう言った。「アビメレクが何者,シェケムが何者だというので,我々はこれに仕えるべきなのか。彼はエルバアルの子,ゼブルはその事務官ではないか。他の者たちがシェケムの父ハモルに属する人々に仕えるのはよい。しかし,どうしてこの我々が彼に仕えるべきなのか。29 もしこの民がわたしの手のうちにあったなら! そうしたらわたしは,アビメレクを除き去ってしまうのだが」。そして彼はアビメレクに対してさらにこう言った。「お前の軍隊を多くして出て来るがよい」。

30 さて,その都市の君ゼブルはエベドの子ガアルのこの言葉を聞いた。そのため彼の怒りは燃えた。31 それで彼は上べを装いつつ使者をアビメレクのもとに送って,こう言った。「ご覧ください,エベドの子ガアルとその兄弟たちがシェケムに来ています。そして,見てください,この都市[の人々]を結集させてあなたに逆らわせようとしています。32 ですから今,あなたもあなたと共にいる民も,夜のうちに立ち上がり,野で待ち伏せしてください。33 そして,朝,日が照り出したら,あなたは早く身を起こすのです。そして,是非ともこの都市に向かって突き進んでください。彼および共にいる民が向かって出て来たら,あなたも自分の手に可能な限りのことを是非これに行なってください」。

34 そこでアビメレクおよび共にいたすべての民は夜のうちに立ち上がり,四つの隊になってシェケムに対する待ち伏せを始めた。35 その後エベドの子ガアルは出て来て,その都市の城門の入口に立った。そこでアビメレクおよびこれと共にいた民はその待ち伏せの場所から立ち上がった。36 ガアルはその民を見かけると,すぐにゼブルに言った,「見よ,民が山々の頂から下りて来るではないか」。しかしゼブルは言った,「山影が人のように見えるのです」。

37 後にガアルはもう一度話して言った,「見よ,民が地の中央から下りて来る。一隊はメオネニムの大木のところを通ってやって来るではないか」。38 するとゼブルは言った,「あなたが口にされた,『アビメレクが何者だというので,我々はこれに仕えるべきなのか』というその言葉は今どこにあるのですか。これこそあなたが退けた民ではありませんか。さあ,いま出て行って,彼らと戦ってごらんなさい」。

39 それでガアルはシェケムの土地所有者たちの先頭に立って出て行き,アビメレクに対して戦いはじめた。40 しかし,アビメレクは彼の後を追い,彼はその前を逃げだした。打ち殺された者が次々と大勢倒れて城門の入口のところにまで及んだ。

41 そしてアビメレクはその後もアルマにとどまり,ゼブルはガアルとその兄弟たちを追い出してシェケムに住まわせないようにした。42 だがその次の日にも民は野に出て行こうとした。それで人々はアビメレクに告げた。43 そこで彼は民を連れて行き,それを三つの隊に分け,野で待ち伏せを始めた。そして彼が見ると,民は都市から出て来るのであった。そこで彼は立ち上がって彼らを攻め,これを討ち倒した。44 そしてアビメレクおよびこれと共にいた隊はその都市の城門の入口に立とうとして突き進み,一方二つの隊は野にいるすべての者に向かって突き進み,これを討ち倒していった。45 そしてアビメレクはその日一日その都市に対して戦って,ついにその都市を攻略した。その中にいた民を殺し,その後その都市を打ち崩して,そこに塩をまいた。

46 シェケムの塔の土地所有者たちすべては,その事について聞くと,すぐにエル・ベリトの家の丸天井広間に行った。47 それで,シェケムの塔の土地所有者たちがみな集まっている,ということがアビメレクのもとに伝えられた。48 そこでアビメレクはツァルモン山に上って行った。彼およびそれと共にいたすべての民である。そしてアビメレクは手に斧を取り,樹木の枝一本を切り落として持ち上げ,それを肩に載せ,共にいる民にこう言った。「わたしがしているのを見たとおり―急いでわたしと同じように行なえ!」49 それで民すべてもそれぞれ自分のために枝一本を切り落として,アビメレクの後に付いて行った。そうして彼らはそれを丸天井広間に対して積み上げ,それを燃やして丸天井広間に火をかけた。そのためにシェケムの塔のすべての人々は死んだ。約一千人の男女であった。

50 それからアビメレクはテベツに行き,テベツに対して陣営を敷いてこれを攻め取ろうとした。51 強固な塔がその都市の真ん中にあったため,そこへすべての男,女,またその都市のすべての土地所有者たちが逃げ込み,そののち自分たちの後ろでそこを閉ざして,塔の屋上に登った。52 それでアビメレクもその塔に進んで戦いをしかけ,塔の入口のすぐ近くにまで行って,それを火で焼こうとした。53 その時,ひとりの女が臼の上石をアビメレクの頭の上に投げつけ,彼の頭蓋骨を砕いた。54 すると彼は自分の武器を携える従者を急いで呼んでこう言った。「お前の剣を抜いて,わたしを死なせてくれ。わたしについて,『女が彼を殺した』などと言われることがあってはいけない」。すぐに従者は彼を刺し通し,こうして彼は死んだ。

55 イスラエルの人々は,アビメレクが死んだのを知ると,それぞれ自分の所に戻って行った。56 こうして神は,アビメレクが自分の七十人の兄弟を殺してその父に対して行なった悪事を帰り来たらせた。57 また神はシェケムの人々のすべての悪事も彼ら自身の頭に帰させた。エルバアルの子ヨタムの呪いが彼らに臨むためであった。
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2007年06月19日

聖書 裁き人の書 8章

聖書 裁き人の書 8章

8 その時エフライムの人々は彼にこう言った。「あなたがしたこと,ミディアンと戦おうとして出かける際にわたしたちを呼ばなかったこと,これは一体どういう事なのか」。そして彼らは激しい勢いでけんかをしかけようとした。2 それでついに彼は言った,「あなた方と比べてわたしがいま何をしたというのでしょうか。エフライムの[収穫の]残りを集めたものは,アビ・エゼルのぶどうの取り入れに勝っているではありませんか。3 神はあなた方の手にミディアンの君オレブとゼエブをお与えになりましたが,そのあなた方に比べてわたしがいったい何をなし得たのでしょうか」。この言葉を述べると,そのとき彼に対するみんなの霊は静まった。

4 やがてギデオンはヨルダンに来て,それを渡った。彼および共にいた三百人の者であり,疲れてはいたが追跡を続けていた。5 後に彼はスコトの人々にこう言った。「わたしの跡に従っている民に,どうか丸パンを与えてください。彼らは疲れていますが,わたしはミディアンの王ゼバハとツァルムナを追撃しているのです」。6 ところがスコトの君たちはこう言った。「ゼバハとツァルムナのたなごころが既に手中にあるとでもいうので,あなたの軍隊にパンを与えなければならないのか」。7 これに対してギデオンは言った,「この事のために,エホバがゼバハとツァルムナをわたしの手に与えてくださる時には,わたしは必ず荒野のいばらとおどろをもってあなた方の身を打ちたたくことになるでしょう」。8 続いて彼はそこからペヌエルに上って行き,さきと同じように話しかけたが,ペヌエルの人々もスコトの人々が答えたのと同じ答え方をした。9 そのため彼はペヌエルの人々にもこう言った。「無事に戻って来る時,わたしはこの塔を打ち崩すでしょう」。

10 さて,ゼバハとツァルムナはカルコルにおり,その陣営も共にあった。およそ一万五千人で,東の者たちの全陣営から残ったすべての者であった。既に倒れたのは十二万人であり,剣を抜く者たちであった。11 そしてギデオンは天幕に住む者たちの道をなおも上ってノバハとヨグベハの東方に進み,陣営が油断しているすきにその陣営に対して討ちかかった。12 ゼバハとツァルムナが逃走してゆくと,彼は直ちにこれを追跡して,そのミディアンの二人の王,ゼバハとツァルムナをとりこにした。こうして彼はその全陣営をおののかせた。

13 その後ヨアシュの子ギデオンは,ヘレスに上る峠を通って戦いからの帰途に就いた。14 その途中,彼はスコトの人々の中からひとりの若者をとりこにし,その者にいろいろと尋ねた。それでその者は彼のために,スコトの君と年長者たち,七十七人の名を書き出した。15 そこで彼はスコトの人々のところに行ってこう言った。「あなた方はわたしを嘲弄して,『ゼバハとツァルムナのたなごころが既に手中にあるとでもいうので,あなたの疲れきった男たちにパンを与えなければならないのか』と言ったが,そのゼバハとツァルムナが今ここにいる」。16 それから彼はその都市の年長者たちを連れて行き,また荒野のいばらとおどろを[取り],それをもってスコトの人々に思い知らせた。17 また彼はペヌエルの塔を打ち崩し,その都市の人々を殺した。

18 次いで彼はゼバハとツァルムナに言った,「あなた方がタボルで殺したのはどんな人々だったのか」。これに対して彼らは言った,「あなたと同じような人たちで,姿はそれぞれ王の子らのようだった」。19 それを聞いて彼は言った,「それはわたしの兄弟たち,わたしの母の子らだ。エホバは生きておられるが,あなた方がその者たちを生かしておいたなら,わたしもあなた方を殺さなくてよかったであろう」。20 それから彼は自分の長子エテルに言った,「立って,これらの者を殺しなさい」。だが,若者は剣を抜かなかった。怖かったのである。まだ若者だったからである。21 するとゼバハとツァルムナは言った,「あなた自身が立って,我々に襲いかかるがよい。人にはそれなりの力強さが伴っているはずだ」。そこでギデオンは立ってゼバハとツァルムナを殺し,そのらくだの首にあった月形の飾りを取った。

22 後にイスラエルの人々はギデオンにこう言った。「わたしたちを治めてください。あなたとあなたの子,また孫たちが。あなたはわたしたちをミディアンの手から救い出したからです」。23 しかしギデオンは言った,「わたしはあなた方を治めたりはしません。わたしの子もあなた方を治めたりはしないでしょう。エホバがあなた方を治められるのです」。24 それからギデオンはこう言った。「ひとつだけお願いをさせてください。あなた方は皆,自分の戦利品の中から鼻輪をわたしに与えてほしいのです」。(彼らはイシュマエル人だったので,金の鼻輪を着けていたのである。)25 すると彼らは言った,「もちろん差し上げます」。そうして彼らは一枚のマントを広げ,それぞれ自分の戦利品の中から鼻輪をそこに投げ入れていった。26 そして,彼がもらい受けた金の鼻輪の目方は千七百金シェケルとなった。そのほかに,ミディアンの王たちが着けていた月形の飾り,耳の垂れ飾り,赤紫に染めた羊毛の衣,さらにらくだの首に付いていた首飾りがあった。

27 次いでギデオンはそれをもってエフォドを造り,それを自分の都市オフラに展示した。しかし,全イスラエルはその所でそれと不倫な交わりを持つようになったため,それはギデオンとその家の者たちにとってわなとなった。

28 こうしてミディアンはイスラエルの子らの前に従えられた。彼らはもはやその頭をもたげなかった。その地には,ギデオンの日,その後四十年のあいだ何の騒乱もなかった。

29 そして,ヨアシュの子エルバアルは行って,その後もずっと自分の家に住んでいた。

30 またギデオンは自分の上股から出た七十人の息子を持つようになった。多くの妻を持つようになったためである。31 シェケムにいた彼のそばめもまた彼に男の子を産んだ。それで彼はこれをアビメレクと名づけた。32 やがてヨアシュの子ギデオンは良い齢に達して死に,アビ・エゼル人のオフラにあった,父ヨアシュの埋葬所に葬られた。

33 そしてギデオンが死ぬとすぐ,イスラエルの子らは再びもろもろのバアルと不倫な交わりを持つようになり,バアル・ベリトを自分たちの神とした。34 そしてイスラエルの子らは,周囲のすべての敵の手から救い出してくださった自分たちの神エホバを思い出さなかった。35 そして,エルバアルつまりギデオンがイスラエルのために行なったすべての善いことに対する報いとしてその家の者たちに愛ある親切を示すこともなかった。
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聖書 裁き人の書 7章

聖書 裁き人の書 7章

7 次いでエルバアルつまりギデオン,およびそれと共にいたすべての民は,早く起きて,ハロドの井戸のところに陣営を敷いた。そしてミディアンの陣営は彼の北,低地平原の中のモレの丘にあった。2 この時エホバはギデオンに言われた,「あなたと共にいる民は,わたしがミディアンをその手に与えるには多すぎる。イスラエルはわたしに向かって自慢し,『自分のこの手がわたしを救ったのだ』と言うかもしれない。3 それで今,さあ,民の聞くところで呼ばわり,『だれか恐れておののいている者がいるか。その者は引き下がれ』と言いなさい」。それでギデオンは彼らを試してみた。それによって民のうち二万二千人が退き,一万人が残った。

4 なおもエホバはギデオンに言われた,「民はまだ多すぎる。彼らを水のところに下らせよ。あなたのためにわたしがそこで彼らを試すためである。そして,だれでも『これはあなたと共に行く』とわたしが言う者,その者はあなたと共に行くが,すべて『これはあなたと共には行かない』とわたしが言う者,その者は一緒に行かない者である」。5 それで彼は民を水のところに下らせた。

それからエホバはギデオンにこう言われた。「すべて犬がなめるように舌で水をなめる者,あなたはその者を別にする。また,すべてかがみ込んでひざをついて飲む者を[別にする]」。6 すると,手を口に当ててなめた者の数は三百人となった。残りのすべての民はかがみ込んでひざをついて水を飲んだ。

7 この時エホバはギデオンに言われた,「なめるようにした三百人の者によってわたしはあなた方を救い,ミディアンをあなたの手に与える。他のすべての民は,これをそれぞれ自分の所に行かせよ」。8 それで彼らは民の食糧をその手に取り,またその角笛を[手に取った]。そして彼はイスラエルのすべての者をそれぞれ自分の家に去らせた。ただ三百人を引きとどめておいた。一方ミディアンの陣営は,低地平原の中,ちょうど彼の下方にあった。

9 次いでその夜のこと,エホバは彼にこう言われた。「立って,その陣営に向かって下れ。わたしはそれをあなたの手に与えたからである。10 しかし,下って行くことに恐れを感じるのであれば,従者プラと一緒にその陣営に下って行け。11 そしてあなたは彼らが話すことを聴くように。そうすれば,その後あなたの手は必ず強くなり,あなたは必ずその陣営に向かって下って行くであろう」。そこで彼とその従者プラとは,陣営にあって戦闘隊形を組む者たちの端のほうに下って行った。

12 さて,ミディアンとアマレクおよび東のすべての者たちはいなごのような大群となって低地平原にどっかりと伏していた。そのらくだは数知れず,海辺の砂粒のように多かった。13 さて,ギデオンが来てみると,見よ,ひとりの男が自分の同僚にある夢について話しているのであった。その者はこう言った。「わたしが見た夢はこうだ。見よ,丸い大麦のパン菓子があり,ぐるぐると転がってミディアンの陣営に入って来た。そしてそれが天幕のところに来てぶつかったためにその[天幕]は倒れ,これを逆様にしたので,その天幕はつぶれてしまった」。14 するとその同僚は答えて言った,「それは,イスラエルの人,ヨアシュの子ギデオンの剣にほかならない。[まことの]神はミディアンとその全陣営を彼の手に与えたのだ」。

15 こうして夢とその説明とが話されるのを聞くと,ギデオンはそこですぐに伏し拝むのであった。そののち彼はイスラエルの陣営に戻って来て,こう言った。「立ちなさい。エホバはミディアンの陣営をあなた方の手にお与えになったのです」。16 次いで彼は三百人の者を三つの隊に分け,全員の手に角笛を,また大きな空のかめを持たせた。その大がめの中にはたいまつを入れた。17 彼はさらにこう言った。「あなた方はわたしをよく見習い,そのとおりにするべきです。そして,陣営の端に来たら,是非わたしがするとおりに行なうようにしてください。18 わたしが,つまりわたしと,共にいるすべての者とが角笛を吹いたら,あなた方も角笛を吹くのです。陣営の周り一帯であなた方も。そして,『エホバのもの,ギデオンのもの!』と言わなければなりません」。

19 やがてギデオンは自分と一緒にいた百人の者と共に陣営の端のところに来た。それは夜半の見張り時の初めであり,ちょうど歩哨をそれぞれの位置に就かせたところであった。そこで彼らは角笛を吹きはじめた。また,その手にあった大きな水がめは粉々に砕かれた。20 それを聞いて三つの隊がともに角笛を吹き,大がめをみじんに砕き,たいまつを左手に持ち直し,右手には角笛を持ってそれを吹き,「エホバの剣,ギデオンのもの!」と叫びだした。21 その間ずっと彼らは陣営の周囲一帯でそれぞれ自分の場所に立っていたのであるが,陣営のほうは全体が走り回り,怒鳴り声を上げたり逃げまどったりするのであった。22 それで三百人が角笛を吹き続けると,エホバはその陣営の至る所でそれぞれの剣が互いに向かい合うようにされた。そのためその陣営の者たちはベト・シタまで,さらにツェレラ,またタバトに近いアベル・メホラの外れにまで逃げて行った。

23 そうしている間にイスラエルの人々がナフタリとアシェルおよび全マナセから呼び集められ,それらの者たちもミディアンを追撃して行った。24 さらにギデオンはエフライムの山地全域に使者を送ってこう言った。「下って行ってミディアンを迎え,彼らより先に水場をベト・バラまで,そしてヨルダンを攻略してください」。それでエフライムのすべての人々が呼び集められ,その者たちは水場をベト・バラまで,そしてヨルダンを攻略した。25 彼らはまた,ミディアンの二人の君,すなわちオレブとゼエブをとりこにした。そして,オレブをオレブの岩の上で殺し,またゼエブをゼエブの酒おけのところで殺した。彼らはミディアンをなおも追跡して行き,またオレブとゼエブの首をヨルダン地方にいたギデオンのところへ携えて来た。
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聖書 裁き人の書 6章

聖書 裁き人の書 6章

6 その後イスラエルの子らはエホバの目に悪を行なうようになった。それでエホバは彼らを七年の間ミディアンの手に渡された。2 そのためミディアンの手がイスラエルに対して優勢になった。ミディアンのゆえに,イスラエルの子らは,山の中の地下の貯蔵所また洞くつや近寄り難い所を自分たちのために作った。3 それでも,イスラエルが種をまくと,ミディアンとアマレクまた東の者たちが上って来るのであった。彼らが攻め上って来たのである。4 そして彼らは[イスラエル]に対して陣営を敷き,地の産出物をガザに至るまでも損ない,食糧や羊や牛やろばをイスラエルに少しも残さなかった。5 彼らとその畜類とがその天幕ごと上って来たからである。彼らはいなごのように数多くやって来た。彼らもそのらくだも数知れなかった。その地に入って来て,そこを荒らすのであった。6 それでイスラエルはミディアンによって大いに疲弊させられた。そしてイスラエルの子らはエホバに助けを呼び求めるようになった。

7 そして,イスラエルの子らがミディアンのゆえにエホバに助けを呼び求めたため,8 エホバはイスラエルの子らにひとりの人,つまり預言者を送って,こう言われた。「イスラエルの神エホバはこう言われました。『わたしがあなた方をエジプトから携え上り,あなた方を奴隷の家から携え出した。9 こうしてわたしはあなた方をエジプトの手から,あなた方を虐げるすべての者の手から救い出し,これをあなた方の前から打ち払って,その地をあなた方に与えた。10 そうしてわたしは言った,「わたしはあなた方の神エホバである。あなた方はいま住んでいる地のアモリ人の神々を恐れてはならない」。それなのにあなた方はわたしの声に聴き従わなかった』」。

11 後にエホバのみ使いが来て,オフラの大木の下に座った。それはアビ・エゼル人ヨアシュのものであった。おりしもその子ギデオンはぶどうの搾り場の中で小麦を打っていた。ミディアンの見ていないところで素早くすませるためであった。12 そこへエホバのみ使いが現われてこう言った。「勇敢な力ある者よ,エホバはあなたと共におられる」。13 これに対しギデオンは言った,「失礼ですが,我が主よ,もしエホバがわたしたちと共におられるのでしたら,どうしてこのような事すべてがわたしたちに臨んでいるのでしょうか。『エホバはわたしたちをエジプトから携え出してくださったではないか』と父たちが話してくれた,そのすべての驚くべきみ業はどこにあるのでしょうか。今エホバはわたしたちを見捨ててしまわれました。わたしたちをミディアンの掌中にお与えになるのです」。14 それに対しエホバは彼に面と向かってこう言った。「あなたのこの力をもって出かけて行きなさい。あなたはイスラエルを必ずミディアンの掌中から救うことになる。わたしがあなたを遣わすのではないか」。15 それに対して彼は言った,「失礼ですが,エホバ,わたしは何をもってイスラエルを救うのでしょうか。ご覧ください,わたしの一千はマナセの中で一番小さく,わたしは自分の父の家の中でも最も小なる者なのです」。16 しかしエホバは彼に言われた,「わたしがあなたと共にいるからである。そのゆえにあなたはあたかも一人を[討つ]ようにして必ずミディアンを討ち倒すであろう」。

17 これに対して彼は言った,「もし今わたしがあなたの目に恵みを得ておりましたら,あなたがわたしと話しておられるというしるしも,ぜひ示してくださらなければなりません。18 わたしがあなたのもとに来るまで,自分の供え物を携えて来てあなたの前に置く[まで]は,どうかここから去っておいでにならないでください」。すると彼は言った,「わたしは,あなたが戻って来るまでここに座っているであろう」。19 それでギデオンは中に入って,子やぎ一頭,そして麦粉一エファを無酵母パンにしたものを調えた。肉はかごに入れ,肉汁は料理なべに入れた後,それを彼のところ,大木の下に携えて来て,その給仕をした。

20 その時[まことの]神のみ使いは彼に言った,「この肉と無酵母パンを取ってあそこの大岩の上に置き,肉汁を注ぎなさい」。それで彼はそのとおりにした。21 それからエホバのみ使いは自分の手にあった杖の先を突き出して,その肉と無酵母パンとに触れた。すると,その岩から火が立ち上って,肉と無酵母パンとを焼き尽くした。その後エホバのみ使いは彼の目から見えなくなった。22 そのためギデオンは,それがエホバのみ使いであったことを悟った。

直ちにギデオンは言った,「ああ,主権者なる主エホバ,わたしはエホバのみ使いを面と向かって見てしまったのです」。23 しかしエホバはこう言われた。「あなたに平安があるように。恐れなくてよい。あなたは死ぬことはない」。24 それでギデオンはそこにエホバへの祭壇を築いた。それは今日に至るまでエホバ・シャロムと呼ばれている。それはまだアビ・エゼル人のオフラにある。

25 次いでその夜,エホバは彼にさらにこう言われた。「若い雄牛を取りなさい。あなたの父に属する雄牛,つまり七歳になる第二の若い雄牛を。そして,あなたの父のものであるバアルの祭壇を打ち壊すように。また,そのそばにある聖木を切り倒す。26 そしてあなたは,このとりでの頭に石を並べてあなたの神エホバへの祭壇を築かねばならない。第二の若い雄牛を取り,あなたが切り倒す聖木の木切れの上でそれを焼燔の捧げ物としてささげるように」。27 そこでギデオンは自分の僕の中から十人を連れて行き,エホバが話されたとおりにしはじめた。しかし,それを昼に行なうには父の家の者とその都市の人々への恐れがあったため,夜に行なうことにした。

28 その都市の人々がいつものように朝早く起きてみると,見よ,バアルの祭壇は取り壊され,その傍らにあった聖木も切り倒され,また第二の若い雄牛は築かれた祭壇の上にささげられているのであった。29 それで彼らは,「だれがこんな事をしたのか」と互いに言いだした。そして,いろいろ尋ねたり探したりした後,ついにこう言った。「ヨアシュの子ギデオンがこれを行なったのだ」。30 それでその都市の人々はヨアシュに言った,「あなたの息子を連れて来て,死に渡せ。バアルの祭壇を取り壊したからだ。そのそばの聖木も切り倒してしまったからだ」。31 これに対し,ヨアシュは自分に向かって立つすべての者にこう言った。「あなた方はバアルのために法的弁護をする者となって,自分たちがこれを救えるかどうかを見ようとでもいうのか。だれでもそのために法的弁護をする者は,この朝にも死に渡されるべきだ。もしそれが神であるのなら,自分で法的弁護をしたらよいだろう。その祭壇を取り壊した者がいるのだから」。32 そして[ヨアシュ]はその日以来彼のことをエルバアルと呼ぶようになり,「バアルに自分の法的弁護をさせたらよかろう。その祭壇を取り壊した者がいるのだから」と言った。

33 さて,ミディアンとアマレクまた東の者たちすべてが一つに集まり,渡って来てエズレルの低地平原に宿営を張った。34 するとエホバの霊がギデオンを包んだ。それで彼が角笛を吹き鳴らすと,アビ・エゼル人が呼び集められて彼の後に付くようになった。35 また彼はマナセの全土に使者を送り出し,その人々も呼び集められて彼に従った。彼はまたアシェルとゼブルンとナフタリにも使者を送り,その者たちも彼に会うために上って来た。

36 その時ギデオンは[まことの]神に言った,「約束なさったとおりわたしによってイスラエルを救われるのでしたら,37 わたしは今,一頭分の羊毛を脱穀場にさらしておきます。もし露がこの毛の上にだけ降りて地がすべて乾いているならば,あなたが約束どおりわたしによってイスラエルをお救いになるということを,わたしは知るのです」。38 するとそのとおりになった。彼は次の日早く起きて毛を絞ってみたが,大きな宴用の鉢を水で満たすほどの露をその毛から絞り取ることができた。39 それでもギデオンは[まことの]神に言った,「わたしに対して怒り立たれることはありませんように。あと一度だけお話しさせてください。どうか,もう一度だけこの毛で試させてください。どうかこの毛だけを乾かしておき,地の全面に露を生じさせてください」。40 すると神はその夜そのとおりに行なわれた。その毛だけが乾いており,地の全面に露が生じた。
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聖書 裁き人の書 5章

聖書 裁き人の書 5章

5 またその日,デボラはアビノアムの子バラクと一緒に歌いだしてこう言った。

 2 「[戦いのために]イスラエルにおいて髪を垂らしたことのゆえ,
民が自ら応じたことのゆえに
エホバをほめたたえよ。

 3 王たちよ,聴け。高官たちよ,耳を向けよ。
エホバに向かってこのわたしは歌う。
イスラエルの神エホバに向かって調べを奏でる。

 4 エホバよ,あなたがセイルから進み出,
エドムの野から行進された時,
地は激動し,天も[水を]滴らせ,
雲もまた水を滴らせた。

 5 山々はエホバのみ顔から流れ去り,
このシナイもイスラエルの神エホバのみ顔から[流れ]去った。

 6 アナトの子シャムガルの日に,
ヤエルの日に,通り道から行き来は絶え,
街道の旅人たちは遠回りの通り道を旅するのであった。

 7 広野に住む者は絶え,イスラエルにおいてそれは絶えた。
ついにわたし,デボラは立ち上がった。
ついにわたしはイスラエルで母として立ち上がった。

 8 彼らは新しい神々を選ぶようになった。
その時に門の中には戦いがあった。
盾も,小槍も見えなかった。
イスラエルの四万の中に。

 9 わたしの心はイスラエルの司令者たちと共にある。
それは民の中にあって自ら応じた者たちであった。
エホバをほめたたえよ。

10 黄赤の雌ろばに乗る者たち,
豊かなじゅうたんの上に座す者たち,
そして,道を歩く者たちよ,
思い見よ!

11 水くみ場で水を配る者たちの幾らかの声,
その所で彼らはエホバの義の働きを語りはじめ,
イスラエルの広野に住むその民の義の働きを[語り告げる]。
その時にエホバの民は城門に下って行った。

12 覚めよ,覚めよ,おおデボラ。
覚めよ,覚めよ,歌声を上げよ!
立てよ,バラク。あなたのとりこたちを連れて行け,アビノアムの子よ!

13 その時に,生き残った者たちは威光ある者たちのところに下った。
エホバの民はわたしのもとに下って,力ある者たちを攻めた。

14 彼らの出身はエフライム,その低地平原から。
ベニヤミンよ,あなたと共に,あなたのもろもろの民の中に。
マキルから司令者たちが下り,
ゼブルンから書記の装備を扱う者たちが[下って行った]。

15 またイッサカルの君たちはデボラと共におり,
イッサカルと同じようにバラクも[共に]いた。
低地平原へと彼は徒歩で送られた。
ルベンのもろもろの分かれの間で心の審問は大きかった。

16 なぜあなたは二つの鞍袋の間に座り,
群れのための笛の音を聴いていたのか。
ルベンのもろもろの分かれには心の大きな審問があった。

17 ギレアデはヨルダンの向こうで自分の住まいにとどまっていた。
そしてダンは,なぜ彼はそのとき船の中にずっととどまっていたのか。
アシェルは海辺にいたずらに座り,
その波止場のそばにとどまっていた。

18 ゼブルンは死に至るまでも自分の魂を軽んじた民。
ナフタリもまた,野の高みにおいてそうであった。

19 王たちは来て戦った。
その時にカナンの王たちは戦った。
メギドの水のそばのタアナクで。
彼らは利得となる銀を少しも得なかった。

20 天から星が戦い,
その軌道からシセラに対して戦った。

21 キションの奔流が彼らを洗い去った。
昔日の奔流,キションの奔流が。
あなたは強いものを踏み進んで行った,ああ我が魂よ。

22 その時に馬のひづめは[地を]かいた。
その雄馬たちの突進に次ぐ突進のゆえに。

23 『メロズをのろえ』とエホバの使いは言った,
『そこに住む者たちを絶え間なくのろえ。
エホバの助力に来なかったからだ。
力ある者たちと共になってエホバの助力に』。

24 ケニ人ヘベルの妻ヤエルは女のうち最も祝福された者となる。
天幕の中の女のうち最も祝福された者となる。

25 彼は水を求め,彼女は乳を与えた。
威光ある者たちの大きな宴用の鉢で彼女は凝乳を差し出した。

26 次いでその手を天幕の留め杭に突き出した。
またその右手を骨折り働く者たちの手づちに。
こうして彼女はシセラをつちで打ち,その頭を刺し通した。
そのこめかみを割って切り開いた。

27 彼女の足の間に彼は崩れ,倒れ,横たわった。
彼女の足の間に彼は崩れ,倒れた。
その崩れたところ,そこに彼は倒れて打ち負かされた。

28 窓からひとりの女が外を見,しきりに彼を待ちわびた。
シセラの母が格子越しに。
『どうして彼の戦車は到着が遅れているのか。
どうして彼の戦車のひづめの響きはこれほど遅いのか』。

29 高貴な婦人のうちの知恵ある者たちが彼女に答える。
そして彼女も自分のことばで自ら言い返す,
30 『彼らは見つけるはずではないか。彼らは分捕り物を分配するはずではないか。
すべての強健な男子に一胎,二胎,
染め物の分捕り物をシセラのために。染め物の分捕り物を,
刺しゅうした衣,色染めのもの,刺しゅうした衣二枚を
分捕り物[を取った者たち]の首に』。

31 エホバよ,あなたの敵は皆こうして滅びるように。
あなたを愛する者たちは,太陽が力強く進み出る時のようになるように」。

そしてその地にはその後四十年のあいだ何の騒乱もなかった。
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聖書 裁き人の書 4章

聖書 裁き人の書 4章

4 その後,エフドが死ぬと,イスラエルの子らは再びエホバの目に悪を行なうようになった。2 それでエホバは彼らをカナンの王ヤビンの手に売り渡された。その者はハツォルで治めていた。その軍の長はシセラであり,諸国民のハロシェトに住んでいた。3 そしてイスラエルの子らはエホバに向かって叫ぶようになった。彼は鉄の大鎌のついた戦車九百両を有し,二十年の間イスラエルの子らをひどく虐げたからである。

4 丁度そのころ,ラピドトの妻である女預言者デボラがイスラエルを裁いていた。5 そして彼女は,エフライムの山地,ラマとベテルの間にあるデボラのやしの木の下に住んでいた。イスラエルの子らは裁きを求めて彼女のところに上って来るのであった。6 ときに彼女は使いを送ってアビノアムの子バラクをケデシュ・ナフタリから呼び,彼にこう言った。「イスラエルの神エホバはこのようにお命じにならなかったでしょうか。『行って,タボル山上に散開するように。あなたは,ナフタリの子らとゼブルンの子らの中から一万人を連れて行かねばならない。7 そうすれば,わたしは必ず,キションの奔流の谷で,ヤビンの軍の長シセラおよびその戦車と群衆をあなたのもとに引き寄せる。わたしは彼をあなたの手に与えるのである』」。

8 これに対してバラクは彼女に言った,「もしあなたが共に行ってくださるなら,わたしも必ず行きます。あなたが共に行ってくださらないなら,わたしは行きません」。9 すると彼女は言った,「わたしは必ずあなたと共に参ります。ですが,美となるものは,あなたの行く道であなたのものとはならないでしょう。女の手にエホバはシセラを売られるからです」。そうしてデボラは身を起こし,バラクと共にケデシュに行った。10 そしてバラクはゼブルンとナフタリをケデシュに呼び集め,一万人が彼の跡に従って上って行った。そして,デボラも彼と共に上った。

11 ところで,ケニ人ヘベルは,ケニ人つまりモーセがその娘婿であったホバブの子らから離れて,ツァアナニムの大木の近くに天幕を張っていた。それはケデシュにある。

12 そのとき人々はシセラに告げて,アビノアムの子バラクがタボル山に上ったことを伝えた。13 直ちにシセラは,自分のすべての戦車,鉄の大鎌のついた戦車九百両を呼び集め,また自分と共にいるすべての民を[集め],諸国民のハロシェトを出て,キションの奔流の谷に向かった。14 その時デボラはバラクに言った,「立ちなさい。今日は,エホバがシセラを必ずあなたの手にお与えになる日です。あなたの前に進み出られたのはエホバではありませんか」。それでバラクは一万人を率いてタボル山を下りて行った。15 そしてエホバは,シセラとそのすべての戦車またその全陣営を,剣の刃によってバラクの前に混乱させてゆかれた。そのためついにシセラは兵車から降り,徒歩で逃げだした。16 そしてバラクは戦車とその陣営とを諸国民のハロシェトまで追撃した。こうしてシセラの全陣営は剣の刃によって倒れた。その一人も残らなかった。

17 一方シセラは徒歩で逃げ,ケニ人ヘベルの妻ヤエルの天幕に行った。ハツォルの王ヤビンとケニ人ヘベルの家の者との間には平和があったからである。18 その時ヤエルは出て来てシセラを迎え,こう言った。「こちらにお寄りください,我が主よ。私のところにお寄りください。恐れないでください」。それで[シセラ]は彼女のところに寄ってその天幕に入った。後に彼女は[シセラ]に毛布を掛けた。19 そのうち彼は言った,「どうか,水を少し飲ませてくれ。のどが渇いた」。そこで彼女は乳の皮袋を開けて飲ませ,そのあと彼を覆った。20 すると彼はさらにこう言った。「天幕の入口のところに立っていてくれ。だれかが来て,『ここに男がいるか』と聞いたら,『いない!』と言うのだ」。

21 その後ヘベルの妻ヤエルは,天幕の留め杭を取り,また,つちを手に握った。そして,忍び足で彼のところに行き,その留め杭を彼のこめかみに突き刺し,それを地に打ち込んだ。彼がぐっすり眠り,疲れきっていたときであった。こうして彼は死んだ。

22 すると,見よ,バラクがシセラの跡を追ってやって来るところであった。そこでヤエルは出て彼を迎え,こう言った。「おいでください。あなたが捜している人をご覧にいれましょう」。そこで[バラク]は彼女のところに入ったが,見ると,シセラはこめかみに留め杭を刺されて死んでいるのであった。

23 こうして神はその日,カナンの王ヤビンをイスラエルの子らの前に屈服させた。24 そして,イスラエルの子らの手はカナンの王ヤビンに対して次第に強硬になってゆき,ついにカナンの王ヤビンを断ち滅ぼした。
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聖書 裁き人の書 3章

聖書 裁き人の書 3章

3 さて,イスラエルを,つまりカナンでの戦いを少しも経験したことのないすべての者を試みるためにエホバがとどまらせておいた国民は以下のとおりであった。2 それはただ,イスラエルの子らの[後の]世代に経験を得させ,彼らに,つまりそれ以前にそのような事柄を経験したことのない者たちに戦いを教えるためだったのである。3 すなわち,フィリスティア人の枢軸領主五人,すべてのカナン人,さらには,バアル・ヘルモン山からハマトに入るところに至るレバノン山一帯に住むシドン人とヒビ人。4 そして彼らはいつも,イスラエルを試みて,エホバがモーセによりその父たちに命じたおきてに従うかどうかを見るためのものとなった。5 それでイスラエルの子らは,カナン人,つまりヒッタイト人,アモリ人,ペリジ人,ヒビ人,エブス人の中に住んだ。6 そして,彼らの娘を自分たちの妻にめとり,自分たちの娘を彼らの息子たちに与え,彼らの神々に仕えるのであった。

7 こうしてイスラエルの子らはエホバの目に悪を行ない,自分たちの神エホバを忘れて,もろもろのバアルや聖木に仕えるようになった。8 ここにおいてエホバの怒りはイスラエルに対して燃え,[神]は彼らをメソポタミアの王クシャン・リシュアタイムの手に売り渡された。そして,イスラエルの子らはクシャン・リシュアタイムに八年仕え続けた。9 そしてイスラエルの子らはエホバに助けを呼び求めるようになった。そこでエホバはイスラエルの子らのために救い手を起こされた。彼らを救うためであり,カレブの弟ケナズの子オテニエルであった。10 エホバの霊は今や彼に臨み,彼はイスラエルの裁き人となった。彼が戦闘に出ると,エホバはシリアの王クシャン・リシュアタイムを彼の手に与えられ,彼の手はクシャン・リシュアタイムに打ち勝った。11 その後,その地には四十年のあいだ何の騒乱もなかった。やがてケナズの子オテニエルは死んだ。

12 そして再び,イスラエルの子らはエホバの目に悪を行なうようになった。そこでエホバはモアブの王エグロンをイスラエルに対して強くならせた。彼らがエホバの目に悪を行なったからである。13 [神]はまたアンモンとアマレクの子らを彼らに対して結集させた。そして彼らは来てイスラエルを討ち,やしの木の都市を手に入れた。14 そしてイスラエルの子らはモアブの王エグロンに十八年仕え続けた。15 そのためイスラエルの子らはエホバに助けを呼び求めるようになった。それでエホバは彼らのために救い手を起こされた。ゲラの子エフドである。ベニヤミン人であり,左利きの人であった。やがてイスラエルの子らは彼の手によってモアブの王エグロンに貢ぎ物を送ることになった。16 一方エフドは,自分のために一本の剣を作った。それはもろ刃であり,その長さは一キュビトであった。そして彼はそれを自分の衣の下,右の股に帯びた。17 こうして彼はモアブの王エグロンに貢ぎ物を差し出した。ところで,エグロンは非常に太った男であった。

18 さて,貢ぎ物を差し出すことを終えると,彼はすぐに民を,すなわち貢ぎ物を担っていた者たちを去らせた。19 そして彼自身はギルガルにある石切り場のところから引き返した。そうしてこう言った。「王よ,内々にお伝えすべき言葉がございます」。そこで彼は,「静粛に!」と言った。すると,そばに立っていた者はみな彼のもとから出て行った。20 それでエフドは彼のもとに来た。彼は自分だけのものにしていた涼しい屋上の間に座しているところであった。それでエフドはさらにこう言った。「あなたへの神の言葉がございます」。すると彼は自分の座から身を起こした。21 その時,エフドは自分の左手を差し入れて右の股から剣を抜き,それを彼の腹に突き刺した。22 そして,刀身に伴ってつかまで中に入っていったため,脂肪が刀身にすっかりかぶさった。彼の腹からその剣を抜かなかったためである。すると,糞便が出て来た。23 それからエフドは風窓を伝って外に出た。しかし,屋上の間の扉を自分の後ろで閉め,それに錠を掛けた。24 こうして彼は外に出た。

その後[エグロン]の僕たちがやって来て見まわしたが,見ると,屋上の間の扉には錠が掛かっていた。それで彼らは言った,「涼しい奥の間で用を足しておられるのだろう」。25 こうして彼らはずっと待っていたが,ついに恥じ入るようになった。しかも,見よ,だれもその屋上の間の扉を開けないのであった。そこで彼らはかぎを取ってそれを開けたが,見ると,自分たちの主が地に倒れて死んでいるのであった。

26 一方エフドは,彼らが手間どっている間にそこを逃れ,自分は石切り場のそばを通ってセイラに逃れた。27 そしてそこに着くと,エフライムの山地で角笛を吹きはじめた。すると,イスラエルの子らは彼と共に山地を下りて行くようになった。彼がその頭であった。28 そのとき彼は言った,「わたしに付いて来なさい。エホバはあなた方の敵のモアブ人を,あなた方の手に渡されたからです」。それで彼らはその後に付いて行き,モアブ人に立ち向かってヨルダンの渡り場を攻め取った。そして,だれひとりそこを渡ることを許さなかった。29 こうしてその時,彼らはモアブを討ち,約一万人を倒した。それはみな強壮な者たちであり,みな勇士であった。一人も逃れ得なかった。30 こうしてその日,モアブはイスラエルの手の下に従えられるようになった。その地にはその後八十年のあいだ何の騒乱もなかった。

31 また,彼の後にはアナトの子シャムガルが出て,フィリスティア人六百人を牛の突き棒で打ち倒した。彼もまたイスラエルを救った。
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聖書 裁き人の書 2章

聖書 裁き人の書 2章

2 その時,エホバのみ使いがギルガルからボキムに上って来てこう言った。「わたしはあなた方をエジプトから携え出して,あなた方の父祖たちに誓った地に携え入れようとした。それでさらにこう言った。『わたしはあなた方との契約を決して破らない。2 それであなた方も,この地に住む民と契約を結んではならない。彼らの祭壇を取り壊すべきである』。それなのに,あなた方はわたしの声に聴き従わなかった。どうしてあなた方はこのようにしたのか。3 そのためわたしもこう言った。『わたしは彼らをあなた方の前から打ち払わない。彼らは必ずあなた方のわなとなり,彼らの神々はあなた方のおとりとなるであろう』」。

4 そして,エホバのみ使いがこれらの言葉をイスラエルのすべての子らに語り終えると,民は声を上げて泣きはじめた。5 そのために彼らはその場所の名をボキムと呼んだ。そして彼らはその所でエホバに犠牲をささげた。

6 ヨシュアが民を去らせると,イスラエルの子らはそれぞれ自分の相続地へと進んで行った。その地を取得するためであった。7 そして民は,ヨシュアがいたすべての日の間,またヨシュアの後にまで[命の]日を延ばし,エホバがイスラエルのために行なわれたすべての大いなるみ業を見た年長者たちのいたすべての日の間,ずっとエホバに仕え続けた。8 その後,エホバの僕であるヌンの子ヨシュアは百十歳で死んだ。9 それで人々は彼をその相続した領地に,すなわちエフライムの山地のティムナト・ヘレスに葬った。それはガアシュ山の北である。10 そして,その世代のすべての者もその父たちのもとに集められ,その後に,エホバもイスラエルのために行なわれたそのみ業も知らない別の世代が立ち上がった。

11 そして,イスラエルの子らはエホバの目に悪とされることを行なって,もろもろのバアルに仕えるようになった。12 こうしてその父たちの神エホバ,自分たちをエジプトの地から携え出してくださった方を捨て,ほかの神々,すなわち周囲のもろもろの民の神々に従ってそれに身をかがめるようになり,それによってエホバを怒らせた。13 こうして彼らはエホバを捨て,バアルやアシュトレテの像に仕えるようになった。14 そのためエホバの怒りはイスラエルに対して燃え,彼らを略奪者たちの手に渡された。その者たちが彼らに対して略奪を働くようになった。さらに,[神]が彼らを周囲の敵の手に売られたため,彼らはもはやその敵の前に立つことができなかった。15 彼らの出て行くすべての所でエホバの手が彼らに敵するものとなって災いをもたらし,エホバが話されたとおり,エホバが彼らに誓われたとおりになった。それで彼らは非常な窮境に陥った。16 するとエホバは裁き人たちを起こされ,その者たちが彼らを略奪者の手から救うのであった。

17 だが,彼らはその裁き人たちにも聴き従わず,他の神々と不倫な交わりを持って,それに身をかがめるようになった。彼らは父祖たちがエホバのおきてに従って歩んだ道からすぐにそれて行った。彼らはそのとおりには行なわなかった。18 そして,エホバが彼らのために裁き人を起こした時,エホバはその裁き人と共におられ,その裁き人のいるすべての日の間,その者が彼らを敵の手から救い出した。エホバは,圧迫する者や小突き回す者たちのゆえに彼らがうめくのを悔やまれたのである。

19 そして,その裁き人が死ぬと,彼らは身を翻し,父祖たちにまして滅びとなることを行ない,ほかの神々に従って歩んでこれに仕え,それに身をかがめるのであった。彼らは自分たちの習わしまたその強情な振る舞いをやめなかった。20 ついにエホバの怒りはイスラエルに対して燃え,こう言われた。「この国民はわたしがその父祖たちに命じた契約を踏み越えて,わたしの声に聴き従わなかったので,21 わたしもまた,ヨシュアがその死のときに残した諸国民のうちその一つをも二度と彼らの前から打ち払うことはしない。22 彼らによってイスラエルを試み,エホバの道を歩んで,父たちが守ったとおりにそれを守る者となるかどうかを[見る]ためである」。23 こうしてエホバはそれらの国民をすぐに打ち払わないでとどまらせておき,これをヨシュアの手に与えなかったのである。
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聖書 裁き人の書 1章

聖書 裁き人の書 1章

1 そして,ヨシュアの死後,イスラエルの子らはエホバに問い尋ねて言った,「わたしたちのうちだれが最初にカナン人のところに上って行って,これと戦うべきでしょうか」。2 これに対してエホバは言われた,「ユダが上って行く。見よ,わたしは必ずその地を彼の手に与える」。3 そこでユダは自分の兄弟シメオンに言った,「くじによるわたしの割り当て地に共に上って来てください。カナン人に対して一緒に戦いましょう。わたしのほうもあなたの割り当て地に共に行きます」。そこでシメオンは彼と一緒に行った。

4 こうしてユダは上って行き,エホバはカナン人とペリジ人を彼らの手にお与えになった。そのため彼らはこれをベゼクで撃ち破った。一万人であった。5 ベゼクでアドニ・ベゼクを見つけると,彼らはこれと戦って,カナン人とペリジ人を撃ち破った。6 アドニ・ベゼクは逃げて行ったが,彼らは追撃して行ってこれを捕らえ,その両手の親指と両足の親指を切り取った。7 するとアドニ・ベゼクは言った,「両手の親指と両足の親指を切り取られて,わたしの食卓の下で食い物を拾う王が七十人もいた。わたしがしたそのとおりに神はわたしに返報を加えられたのだ」。その後,彼らはこれをエルサレムに連れて行き,そこで彼は死んだ。

8 さらに,ユダの子らはエルサレムに対して戦ってこれを攻略した。そこを剣の刃で討ってゆき,その都市を火にゆだねた。9 その後,ユダの子らは山地やネゲブやシェフェラに住むカナン人と戦うために下って行った。10 そしてユダはヘブロン(ところで,それ以前のヘブロンの名はキルヤト・アルバといった)に住むカナン人に向かって進み,シェシャイとアヒマンとタルマイを討ち倒した。

11 次いで彼らはそこからデビルに住む民のところに進んだ。(ところで,それ以前のデビルの名はキルヤト・セフェルといった。)12 その時カレブはこう言った。「だれでもキルヤト・セフェルを討ってこれを攻略した者,その者にはわたしの娘アクサを妻として与えよう」。13 するとついにカレブの弟ケナズの子オテニエルがそれを攻略した。そのため,彼はこれに自分の娘アクサを妻として与えた。14 すると,家に向かって行く時のこと,[アクサ]は,自分の父に畑を請うようにとしきりに彼を促すのであった。そして,ろばに乗ったまま自分の手を打ち鳴らした。これを見てカレブは彼女に言った,「お前は何が欲しいのか」。15 それで彼女は言った,「どうか祝福をお授けください。わたしに下さったのは南のほうの一つの土地です。グロト・マイムも是非わたしにお与えください」。そこでカレブは上グロトと下グロトを彼女に与えた。

16 また,モーセはケニ人の娘婿となっていたのであるが,その[ケニ人の]子たちが,ユダの子らと共にやしの木の都市からユダの荒野に上って来た。それはアラドの南方である。そうして彼らは行ってそこの民と共に住むようになった。17 しかしユダは自分の兄弟シメオンと共にさらに進み,ツェファトに住むカナン人を討って,そこを滅びのためにささげた。そのため,その都市の名はホルマと呼ばれるようになった。18 その後ユダは,ガザとその領地,アシュケロンとその領地,エクロンとその領地を攻略した。19 そして,エホバが引き続き共におられたため,ユダは山地を取得した。しかし,低地平原の住民を立ち退かせることはできなかった。彼らは鉄の大鎌のついた戦車を有していたからである。20 モーセの約束どおりカレブにヘブロンを与えると,[カレブ]はアナクの三人の子らをそこから打ち払った。

21 また,ベニヤミンの子らはエルサレムに住むエブス人を打ち払わなかった。そのためエブス人は今日までベニヤミンの子らと共にエルサレムに住んでいる。

22 一方ヨセフの家もベテルに攻め上った。エホバは彼らと共におられた。23 そしてヨセフの家はベテル(ところで,その都市のそれ以前の名はルズといった)に対する偵察を始めたが,24 見張る者たちはその都市から出て行くひとりの男を見かけた。それで彼らはその者に言った,「どうか,この都市に入る道を教えてほしい。そうしたら,わたしたちは必ずあなたに親切にしよう」。25 そこでその男はその都市に入る道を彼らに示した。こうして彼らはその都市を剣の刃で討ったが,その男とその全家族とは自由にして去らせた。26 その後その人はヒッタイト人の地に行って都市を建て,その名をルズと呼んだ。それが今日までその名となっている。

27 また,マナセは,ベト・シェアンとそれに依存する町々,タアナクとそれに依存する町々,ドルの住民とそこに依存する町々,イブレアムの住民とそこに依存する町々,メギドの住民とそこに依存する町々は取得しなかった。それでカナン人がずっとその地に住み続けた。28 そして,イスラエルは,自分たちが強くなるとカナン人を強制労働に就かせ,彼らを全く打ち払うことはしなかった。

29 またエフライムもゲゼルに住むカナン人を打ち払わなかった。それでカナン人がその後も彼らの中にあってゲゼルに住んでいた。

30 ゼブルンはキトロンの住民とナハロルの住民を打ち払わなかった。それでカナン人がその後も彼らの中に住み続け,強制労働に服するようになった。

31 アシェルは,アコの住民,シドンの住民,またアフラブ,アクジブ,ヘルバ,アフィク,レホブを打ち払わなかった。32 そのためアシェル人は,その後もその地に住むカナン人の中に住むことになった。彼らを打ち払わなかったからである。

33 ナフタリは,ベト・シェメシュの住民とベト・アナトの住民を打ち払わず,その後もその地に住むカナン人の中で住むことになった。そして,ベト・シェメシュとベト・アナトの住民は彼らのものとなって強制労働に服した。

34 また,アモリ人はダンの子らを山地に押し込めていた。彼らが低地平原に下りて来ることを許さなかったのである。35 そしてアモリ人は,ヘレス山,またアヤロンとシャアルビムにずっと住み続けていた。しかし,ヨセフの家の手が重くのしかかるようになって,彼らは労役を強いられるようになった。36 そして,アモリ人の領地は,アクラビムの上り坂からで,セラから上方であった。
ラベル:聖書 エホバ
posted by 舞姫 at 07:47| Comment(0) | TrackBack(0) | 聖書 裁き人の書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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